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ナヴァリヌイの「ノスタルジア」

2024.02.19.12:23

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先日ズビャギンツェフの「ラブレス」に見える反プーチン的暗示を書いたけど、ナヴァリヌイ事件の関連でもう一つ思い出したのがこの映画。ナヴァリヌイは毒殺されそうになってドイツの病院に運ばれ、回復した後に、なぜロシアへ戻ったのだろう? 反体制の指導者は亡命して、外から政権批判を行うのが普通なのに。そして戻れば殺されるであろうことは予想できていたはずなのに。

というわけで、この、タルコフスキーがイタリアで作った映画に、よく似た事情が出てくる。この映画の主人公はサスノフスキーという18世紀のロシアの作曲家の伝記を書くためにイタリアに来ているという設定で、このサスノフスキーという作曲家は、イタリアで音楽を学んでいて、だけどロシアに帰国すれば伯爵のもとで奴隷同様の扱いをされることがわかっているのに帰国して、自殺したということになっている(ちなみにサスノフスキーにはモデルはいるけど創作です)。

映画の最後の方でサスノフスキーの手紙の朗読が流れるシーンがあって、そこで「ロシアに帰れないと思うのは死ぬより辛いことです。生まれた国、あの白樺の林、幼年時代の空気に…」という。タルコフスキーのソ連時代の映画にはどれにもロシアの自然の中で過ごした幼年時代の美しさが、これでもか!ってぐらい出てくる。

ナヴァリヌイもこういう思いだったんだろうか? タルコフスキーはこの映画の完成後に亡命宣言をした。だけど、その後のインタビューなどでもロシアへの思いを語り続けた。

「タイトルの『ノスタルジア』は、必ずしも原義の全容を伝える訳語ではないが、はるか離れたものへの、そして結びつけることのできない世界への、しかしうちなる故郷であるものへの、焦がれるような思いを意味している。私は、分断され切り裂かれた世界に生きることの不可能さを表現したかったのだ。」(「ノスタルジア」についてのタルコフスキーのインタビューから)

そういえば、国外追放されたソルジェニーツィンも、ソ連が崩壊後、市民権を回復すると、さっさとロシアに戻って行った。ロシア人にとってロシアの自然やロシア語と切り離されることによる「ノスタルジア」は耐え難いものなのかもしれない。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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