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昔の雑誌、1955年ツール(前半)

2024.02.03.11:55



いわゆるミロワールという雑誌の前の自転車雑誌「ビュッテ・クルブ、ミロワール・ドゥ・スポール」については、1952年のコッピが優勝するツールについて何度か書いた時にも出てきました。

今回はその雑誌の1955年ツール総集編。なんと、表紙がカラーです。ルイゾン・ボベとシャルリー・ガォルですね。

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表紙を開くと優勝したボベの肖像。フィリップ・ティス以来の3勝目ということで、この1955年時点ではツールの記録は3勝だったわけです。そしてボベはこの年3連覇。まあ、「俺たちはみんな神さまだった」で出てくる若き日のボベはすぐ泣くヘタレでしたが 笑)左ページの広告もヴィッテロワーズってミネラルウォーターのヴィッテルのようです。それとルコックとダンロップ。なんか古色蒼然。

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次ページでは総合2位になったベルギーチームのジャン・ブランカールトと3位のルクセンブルクのシャルリー・ガォルが下に出てます。ガォルは山岳の天使なんて言われて、まあこの時はまだ23歳でむちゃくちゃ2枚目です。この人の2枚目ぶりについては、拙ブログを始めた頃に書いたことがあります

この雑誌はほぼ全ステージについて写真と解説がついていますが、印象的なページだけ載せておきましょう。

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これはベルギーのナミュールがゴールの第3ステージ。有名なナミュールの要塞を駆け上ってゴールだったようです。このステージを取ったのはボベで、この年はアルカンシェルを着てますね。

この年は本格的なアルプスのステージは第8ステージと第9ステージ。特に第8ステージはガリビエ、アラヴィス、ヴァールという古典的な峠を通過するステージで、ガォルの独壇場です。2位のフェルディナント・キューブラーにほぼ14分の大差をつけてステージ優勝でした。それでも総合ではトップから10分以上遅れてますが。

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ガォルは上りがめちゃくちゃ強かったんですが、当時は山頂ゴールのステージってほとんどなかったんですね。で、軽量級クライマーのサガか、同時期のスペインのバーモンテスなんかにも共通しますが、下りが遅かった。路面が今ほど良くないですから軽いとスピードは出ないし転倒しやすいので、慎重にならざるを得なかったようです。次の第9ステージもいくつか峠を越えたようですが、最後が40キロ平地だったんですね。ガォルは山岳賞ポイントの峠はすべてトップ通過するんですが、平地で追いつかれて結局戦闘集団からも遅れてゴールでした。

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第11ステージは、これはツール史に残る有名なステージです。むちゃくちゃ暑い日でしかもヴァントゥー山を越えるステージ。山でアタックしたキューブラーは途中で昏倒し、錯乱状態になって道端に20分以上座っていたし、フランスチームのマレジャックは意識不明になって救急車で病院へ運ばれます。写真にあるように、目の焦点が合わず歯を食いしばっていて、有名なツールのドクター・デュマ(この人の名前は当時のツールの歴史本にはよく登場します)が強心剤を打って酸素吸入で一命を取り留めたと言われてます。

もう明らかなドーピング。薬物過剰摂取のせいで、のちに血液サンプルからも薬物が検出されたそうですが、ここからがこの時代の面白いところ。デュマ医師は被疑者不詳でマレジャックに毒物(ドーピング薬)をもった者がいると刑事告発します 笑) 誰かが沿道でマレジャックに薬物入りのドリンクを渡したという論法です 爆)まあ、はっきり言うと、「盗人猛々しい」なんて言葉が思い浮かんだりします 苦笑) どっかの国の政治家か?? 

まあ、仮に本人の意思でドーピングしたことがバレても、当時はまだ罰則規定がなかったでしょうから、たいして問題にならなかったとは思うんですけどね。選手たちもみんな、薬を使っていることは認めていた時代です。

ただ、ドーピングといっても、当時の薬ですからね。自転車の場合筋肉増強剤は使えないし、興奮剤と疲労回復薬ぐらいしかなかったのではないでしょうか。現在のような自己血液輸血とかエポみたいな心肺能力を向上させるようなことはできなかったと思いますけど。

ドーピングが本当に話題になり、禁止すべきだという世論が高まるのは66年のツールでドーピング検査が導入され、翌67年に、なんの因縁か、このヴァントゥー山でイギリスのトム・シンプソンが興奮剤の過剰摂取でレース中に死亡してからのお話でしょう。

というわけで、長くなったので後半はまた明日、ひょっとしたら明後日かその後 笑)

追記> 続きはこちら。


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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