さっきウィキペディアの第一次世界大戦で戦死した人物というカテゴリーを見ていた。もちろん有名人が乗っているわけだけど、国別に見るとおもしろい。おもしろいなんて言ってはいけないのは重々承知の上で、ドイツ人の戦死者はやたらと画家が多い。時代が時代だから表現主義と呼ばれる(のちにナチスによって退廃芸術のレッテルを貼られた)潮流の画家ばかりだけど、6人もいる。ただ、僕が名前を知っているのはフランツ・マルクだけだったけど。それと他にも学者や作家、作曲家が全部で6人。芸術家とか学者とかって、戦争と一番遠い感じだけどね。
それに対してイギリスも作家や詩人が6人。昔新潮文庫で読んだことがあるサキなんて短編の名手も含まれているのね。他にも名前しか知らないけど、ヒュームとか。他にイギリスらしく、クリケットや陸上やテニスなどのスポーツマンも5人いるし、意外なところでは作曲家が3人もいる。
フランスは作家や詩人が3人上がっていて、他に学者が2人だけど画家は1人だけ。ここにも作家にはシャルル・ペギーとかアラン=フルニエなんていう聞いたことある名前が並んでいる。
なんとなく、音楽の国ドイツで作曲家の戦死者が1人だけ、一方美術の国フランスでは画家の戦死者が1人だけってのが不思議な感じ。いや、まあ、偶然なんだろうけどね。志願したりしなかったりというのもあるだろうし。
ただ、ドイツの同盟国のオーストリア(奥)もかなりの戦死者を出しているんだけど、この国は学者や芸術家を戦場へあんまり送らなかったんだよね。エゴン・シーレとかリルケも召集されて歩兵訓練を受けるんだけど芸術家だとわかると、捕虜収容所の看守や、後方の陸軍記録文書課に配属されたわけ。そのせいか、ウィキにはこの国からは40歳の物理学者の志願兵が一人乗ってるだけ。
ちなみに日本人は6人乗ってるけど全部軍人。他にもオーストラリア(豪州)はスポーツマンばかり3人。
ウィキの一覧には乗ってないけど、カール・シュヴァルツシルトというブラックホールの存在を予言したドイツの物理学者も第一次対戦中に戦病死している。しかもこの人は塹壕の中でアインシュタインの相対性理論を研究し、自分でも方程式を考えだして記述して、アインシュタインに手紙で送って、アインシュタインがアカデミーに提出したんだそうだ。
このエピソードのことを考えると、僕なんか人間の馬鹿馬鹿しさを考えちゃうけどね。一方で目の前の敵という同胞を殺そうとし、もう一方で宇宙の法則を夢想するという、なんというアンバランスさ! この人が、という意味ではなく、なんか、ダメだな、人間、と思えちゃうんだよね。
まあ、月並みだけど、人をたくさん殺すと英雄になれて、一方で殺されてもまるで天災にでもあったかのようにしておしまいなんて、そんなの絶対おかしいんだよね。
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