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映画「ヒンターラント」

2023.09.15.22:34

傘を忘れて豪雨の中、新宿駅から100メートルぐらいのところにある映画館まででずぶ濡れになりました 笑)
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無声映画の大傑作というか、映画史を語る時に必ず最初の方で出てくる「カリガリ博士」の現代版という触れ込みに惹かれて見てきましたが、なるほど、映像的にはすごいです。背景の街の風景が、上の写真のように大きく歪んでいて、「カリガリ博士」の抽象的な背景を、リアルなウィーンの街にした感じです。ほとんどがブルーバックの合成だということですが。。。

だけど、背景の歪み以上に、画面の傾きが気になりましたね。普通の室内の風景でも、必ず画面が微妙に傾いていて、これだけでも不安感、不安定感が感じられます。それと画面がずっとセピア調のくすんだような暗い色合い。

時代は1920年後半。主人公は第一次世界大戦に出征して、ソ連に抑留後解放されてウィーンに戻ってきた、元敏腕刑事ペーター。この刑事役の俳優がトルコ系らしいんですが、ものすごい存在感のある顔で、むちゃくちゃ良いです。

その元刑事と一緒に復員してきた仲間たちが次々と殺されていく連続猟奇殺人事件が発生します。

オーストリアは現在ではほとんど存在感のない小国ですが 笑)中世以来、ハプスブルク大帝国だったわけで、ナポレオン以降落ちぶれつつあったとはいえ、第一次対戦前は、現在のポーランド南部からチェコスロバキア、ハンガリー、クロアチア、スロヴェニア、ウクライナやルーマニアの一部、イタリア北部等々を領土とする多民族国家として中部ヨーロッパの大国だったわけです。それが第一次大戦で中部ヨーロッパの領土をほぼ失い、皇帝も廃位、カトリックの信仰も揺らぐ状態になってしまった。

そうした大きな変化と不安の時代の雰囲気が、歪んだ建物や傾いた画像、暗い画面でうまく表されていました。どことなく以前3回にわたって紹介した「バビロン・ベルリン」の雰囲気があります。出てくる女優も同じだし。

映画としてとても面白かったです。主人公を同じにしてシリーズにできるんじゃないかとすら思いました。ただ、二箇所、どうもおかしなところがあります。一つはバウアーの射殺。もう一つは終盤のシュテファン大聖堂でのミサはどうなった?? 特にミサの方は、見終わってどうにも納得いかん。あの箱はどうなったの? 私なんか見落としてる?? 

というわけで、時代がとても気になる時代で、その意味でも面白かったし、雰囲気がとてもいい感じで、映画を見る楽しみは満喫しましたが、お話が破綻しているような気がするんですよねぇ。。。

***追記(9/15、22:45)
うーん、ひょっとして、シュテファンドームでの「箱」は嘘だったのかなぁ。。。そんな気がしてきました。これ以上書くとネタバレになるのでやめますが、そうだとしても、どうも納得できん!

***追記(9/15、23:15)
今、ネットで予告編を見てて、警視のヴィクトールという主人公の友人が出てくるんだけど、この人が最初に登場するシーンはものすごくいいシーンなんですよ。この人をもっと活躍させればよかったのに、という気がしてきました。前半のエピソードなんかも意味ありげなのになぁ。。。そういうわけで、映画を見る楽しさは90点ぐらいつけていいけど、お話としては60点かなぁ 笑)


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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