ちょっと長いですが、スイスの新聞のご紹介。
元記事はこちら。新チューリヒ新聞、240年以上の歴史を誇るスイスの老舗新聞の記事です。ウィキにも「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」で出てます。
少し前のドイツの冷静な論調に引き続き、外国の新聞の見方を確認するのも良いことでしょう。ただ、書いてあることはごく普通のことですが、日本では一部マスコミはあからさまに安倍や自民党と統一教会のつながりをぼやかそうとしていますね。
さらにネットでは開き直って統一教会の何が悪いんだ、お布施は自由意志だし、破産は自己責任だと言ってるネトウヨさんたちも湧いています。あれだけ韓国を嫌悪していた連中が文鮮明の悪口は言わない不思議 笑)
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安倍晋三の殺害は集団結婚式で知られる宗派とどんな関係があるのか?日本の元総理大臣安倍晋三暗殺の犯人は、韓国発祥の統一教会に復讐しようとして犯行に及んだ。この暗殺事件は「文鮮明信者(ムーニーズ)」と日本および USA の右翼政治家とのつながりを明らかにするものだ。
先週の日本の元首相安倍晋三の殺害事件には、韓国出身の救世主が間接的に関与しているのだろうか? いずれにせよ、犯人の山上徹也が語った動機から、韓国発祥の、文鮮明の宗派として知られる統一教会に日本国民の注目が集まった。グローバルに展開する集団の創始者文鮮明(ムン・スン・ミョン)は、イエスの御業(みわざ)を地上で実現するべき第二のメシアと名乗っていた。
日本は文鮮明信者とも呼ばれる「ムーニーズ」の最も大きな教区の一つである。山上の母は現役信者だった。捜査関係者によれば、41歳の無職の山上はこの組織に対して恨みがあり、それは母親が彼女の救世主へのお布施によって家庭を崩壊させたからだと言っているという。
金曜日に、統一教会は、母親が何年にも渡っておよそ72万フラン(1億2百万円強)を寄付していたと発表した。教会はそのうち半額はのちに返したと主張している。母親がこの返却されたお金をあらためて寄付したかどうかは不明である。
日刊紙「讀賣」によれば、一家の貯金はこの息子の学費になるはずだった。だから山上はもともとはこの教会の教祖を殺そうとしていた。ところが教祖は狙えそうもないことから、復讐対象として安倍を選んだのである。安倍がこの教会と繋がっていると信じたからである。
ドナルド・トランプも弁士として登場この事件は統一教会が強力に布教活動を行なっている国々の政治的な右派グループと、この教会の密接な結びつきを唐突に暴露した。たとえばUSAでは、去年、前大統領のドナルド・トランプが、協会の主催したイベントにビデオメッセージで登場した。安倍も「ムーニーズ」に対して、同じように何度もビデオで挨拶を送った。
この挨拶の言葉はたまたまのものではなかった。それは、自らをコミュニズムと戦い、分断された朝鮮半島の再統一の闘士と称していた、2012年に亡くなった創始者文鮮明のイデオロギーに結びついたものなのである。文鮮明は布教活動中に、故国北朝鮮で何年も投獄された。朝鮮戦争後の1954年に韓国で「世界基督教統一聖霊協会【教会ではありません】」、現在の統一教会(*)を創設した。
(*訳注 現在の名称は「世界平和統一家庭連合」になっています。もちろん霊感商法をはじめ数々の事件で悪名を馳せたために名前を変えたのは明らかですが)
世界観問題に対する福音派中央委員会【EZW 日本語にすると怪しげですが、れっきとしたドイツのプロテスタントの組織で、他の宗教や無神論者との対話を重ねています】は、この運動を「キリスト教や新・啓示主義やシャーマニズムや心霊主義的な要素を持つ東アジアの新興宗教」と定義している。文鮮明はメシアは神の子ではなく、神に近づく完璧な男だと説いた。
彼は妻とともに地上における神の家族の両親になって、堕落した人類を再生させると称した。彼と、その死後教会を率いる現在79歳の韓鶴子(ハン・ハクジャ)が「真の両親」だった。息子の文亨進(ムン・ヒュンジン)は自動小銃の愛好家として知られており、母の権力に反抗して自らサンクチュアリ教会を設立している。この宗派は銃を愛する宗派で、主にアメリカで活動している。
一方、統一教会は、今日に至るまで、何千人もの新郎新婦を大ホールで祝福する集団結婚式で知られている。上下の階級差に厳しく、信者にお布施を強く求める。しかし、そのお布施はグローバルな布教活動にのみ使われるのではなく、さまざまな協会・組織を介して、政治的な影響力行使にも用いられている。アメリカでは1982年に保守系の「ワシントン・タイムズ」という新聞を創刊している(有名なリベラル系の「ワシントン・ポスト」と混同しないように)。
すでに安倍の祖父が統一教会と繋がりがあった韓国を別にすれば、統一教会が最も重視しているマーケットはもちろん日本である。文鮮明はすでに早い段階で安倍一族と接触を図っていた。安倍の祖父岸信介は、自らも総理大臣になったが、文鮮明と親交があった。二人はコミュニストを憎む点で一致していた。おかげで、文鮮明の日本の本部は岸の所有していた土地に置かれ、政治的な保護を受けることができたのである。
組織は非常に大きくなり、日本は他国での勢力拡大のための最も重要な収入源となった。「ワシントン・ポスト」によれば、以前は、統一教会のグローバルな収入の約70%は日本で得られたという。
それゆえ、上智大学の政治学教授中野晃一は、この組織をもう長い間監視してきた。「カルトは社会的なテーマであるとともに政治的なテーマでもある」と彼はいう。メディアは繰り返し、信者による洗脳並びにお布施の強制を指摘してきたという。しかも、それは信者だけからではないのである。統一教会員は死亡広告を調べ上げ、喪主の扉を叩いて、愛する故人の平安・救済のためにお布施を収めるよう説得するのである。
この教会は選挙で安倍の政党を援助したしかし政治的なつながりはほとんど明らかになっていないと中野は言う。この組織は長い間与党自民党の右派の多数の政治家たちと密接なつながりを持ち続けてきたと、この学者は説明し、「その中には安倍や、彼の父、そして祖父がいる」と言う。この教会は選挙になると、自民党内のつながりがある議員を、票の取りまとめや宣伝活動により支援した。
事件があった奈良でも、教会関係者は安倍の演説に無党派層を呼び寄せようとしていた、と中野は言う。ジェンダーや軍備増強のような政治問題の多くで、安倍陣営と教会の立ち位置は似ていた。この組織が出す「世界日報」は長い間、フェミニズムや同性愛関係に反対する最大の雑誌だったと、日本の人類学者で、アメリカのモンタナ州立大学で教える山口智美は論文で書いている。
しかし、安倍がどれほど密接にこの教会とつながりがあったかは、もちろん不明である。日本の教会の会長は月曜日に記者会見で、安倍は信者ではなかったと説明した。保守派の支持者たちは教会の信者たちに挨拶のメッセージを送ったのは、票を取りまとめることができる組織に対する通常の関係構築だと話を矮小化している。
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いやぁ、世界平和統一「家庭」連合という名称にもかかわらず息子と不仲になってるって、どっかのカルトの、霊が降りてくる人も離婚してましたが 笑) しかし息子のほうのサンクチュアリ教会ってのも、写真見て笑いましたわ。自動小銃を神として崇め奉るって、「猿の惑星」で、核弾頭ミサイルを神と崇め奉る猿が出てくるっての、なかったっけ?? 違う映画だったかな??
ところで、ここには出てこないけど、東西冷戦後、統一教会の文鮮明は北朝鮮ともつながりを深めたとも言われています。ウィキにも出てますね。安倍政権下、安倍にスキャンダルが起こると、北朝鮮のロケットだかミサイルだかが素晴らしいタイミングで発射されたものでしたが、あれだってこのラインでつながってたんじゃないの? と思いたくなります。
こんな具合に、ちょっと調べただけでもヤバいことが次々に出てきますね。ただ、統一教会と関係があったのは自民だけではなく、憲法改正を訴えるところはみんなそうだったんじゃないかと思えてきます。統一教会などのカルトから多額の資金提供を受け、選挙の時には動員してもらって、果ては秘書にまでしちゃう。しかもその秘書の給与は統一教会が出す。
そう、日本は知らないうちにカルトに乗っ取られていたんですね。右傾化ではなくカルト化だった、とはツィッターで見かけた文言ですが、まさにその通りです。憲法改正を唱え、反 LGBTQ や選択的夫婦別姓に反対する連中は、まずカルトとの関係を疑うべきでしょう。
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追記 7/17, 10:15
変換間違い、ご指摘くださった方に感謝。しかし、この関連のニュース、次々に出てきます。オウムの次は統一教会だと言っていた公安が、安倍政権下で監視団体から外し、さらには公安トップが去年は統一教会主催イベントの呼びかけ人になっていたとか、第一次安倍政権で安倍が言った「美しい国ニッポン」が、統一教会の出版物の題名だったとか、凄いことになっています。オウムの時にも警察内部にオウム信者が多数入ってると言われたものでしたが、統一教会はもっと深く日本という国の中枢に入り込んでいるわけです。まだまだ出てくるでしょう。
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