
吉祥寺のUPLINK でソクーロフ特集2021として昨日から4本を上映するようです。表題のドキュメンタリーを見てきました。
ソクーロフという監督は、拙ブログではなんども取り上げてます。
ソクーロフの映画「ファウスト」覚え書きソクーロフの映画「静かなる一頁」(ネタバレ)ソクーロフの映画「モレク神」映画「エルミタージュ幻想」覚書き今回のはタルコフスキーの最後の2作「ノスタルジア」と「サクリファイス」で1部と2部を構成し、映画の映像を引用しながら、その撮影中の姿や、脚本家らとのやりとりの姿も出てくるけど、ソクーロフが撮った室内風景などは、この監督らしい静けさに満ちたドキュメンタリーでした。なんとなくタルコフスキーの「鏡」の中盤にさまざまなドキュメンタリーフィルムが実に寂しげに引用されますが、そんな雰囲気です。
他にも若いタルコフスキーが出演している白黒映画も結構長く引用されてましたが、これはちょっと驚きました。また、タルコフスキーが育った家や、亡命直前に住んでいた家なども出てきました。ただ、もう少し父や母との関係を描いて欲しかったという気もします。
タルコフスキーは1982年にソ連を出国してイタリアで「ノスタルジア」を撮り始め、完成した翌年の84年に亡命宣言をして、スウェーデンで「サクリファイス」を撮って完成直後の86年にパリで癌によって亡くなりました。私はタルコフスキーのソ連時代の映画「鏡」が生涯ベストワンで、このドキュメンタリーでも何度か短い引用がありました。また、「僕の村は戦場だった」の映像ではなく、有名な井戸の夢のシーンの音楽と声だけが出てきたりして、タルコフスキーファンとしては嬉しかったですね。
タルコフスキーについても拙ブログでは過去何度も取り上げてます。まとめの意味でリンクしておきます。
地球が滅びるときに見ていたい映画映画「惑星ソラリス」を見た映画「鏡」を見た映画「アンドレイ・ルブリョフ」を見た(完全ネタバレ)映画「サクリファイス」その他を見た(ネタバレ)映画「ストーカー」を見た(ネタバレ注意)タルコフスキーの「鏡」と「僕の村は戦場だった」他タルコフスキーの「アンドレイ・ルブリョフ」上映後に日芸の古賀太氏のトークがあり、正味20分ぐらいだったんだけど、ソクーロフと親しく交流した経験を話題にして、もう少し色々話を聞きたかったと思いました。タルコフスキーとソクーロフはほぼ20歳ぐらいの年齢差があり、タルコフスキーはもう少し長生きしていれば、ゴルバチョフのペレストロイカ(開放製作)により亡命宣言をしていてもソ連に帰れたんじゃないか。一方のソクーロフは処女作「孤独の声」(現在「孤独な声」)は上映禁止処分を喰らうけど、ペレストロイカのおかげで、ほぼ10年後には処分撤回になり、その後はロシアに住みながら海外でたくさんの映画を撮れているわけで、この20歳の年齢差はなんとも重いです。
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