
ヴィスコンティの1957年の映画です。晩年のヴィスコンティは自らの出自もあって、なんとなく絢爛豪華な金ピカセットのイメージがありますが、この映画は敗戦後の娼婦やホームレスがいる白黒の風景です。
若い頃マリア・シェルが大好きでした。「居酒屋」はTVですけど、何回も見ました。笑顔も魅力的だけど、泣き顔がとても綺麗で、悲劇向きの女優ですね。
ジャン・マレーはけっこう歳だと思うけど、まあ、格好いいです。撮り方なのかもしれないけど、肩幅が結構広く、大男のように見えます。子供の頃、「トリスタンとイゾルデ」を映画化した「悲恋」という映画がNHKで放映されたことがあって、若い頃のジャン・マレーってまるで美術室にあった石膏像みたいだと思ったものでした。対するマストロヤンニも美男だし、タイプとしてジャン・マレーと同タイプの顔だと思うんだけど、ジャン・マレーに比べるとちょっとコミカルかなぁ 笑)
いずれにしても、この映画、マストロヤンニが可哀想過ぎるけど、原作のドストエフスキーってマゾヒストだからね 笑)
運河と橋が重なる構図の美しさと、最後の雪のシーンが悲劇を盛り上げます。ラストは知っていても魅せられます。
回想シーンへの転換も印象に残りました。マリア・シェルがマストロヤンニと一緒に廃墟の片隅に座って、カメラがパンするとそこにジャン・マレーとマリア・シェルが一緒にいる回想シーンに展開したり(ワンカットではありませんが、ワンカットかと思わされます)、振り向くと同様に回想シーンに入るところなんかもとてもおしゃれです。
戦後すぐのイタリアが舞台で爆撃?にあった廃墟と思しき瓦礫のような建物があちこちにあり、時代を感じさせます。
ストーリーはまあ、あれですね。大抵の人はマリア・シェルの自分勝手さに怒ることでしょう 笑)ラストのマストロヤンニが雪の明け方、とぼとぼと歩いていると犬が彼に絡むんですよね。おみごと!
でもやっぱり、どんなに自分勝手でもマリア・シェルだもんね 笑)
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