先日、スローピングフレームであればこそのダウンヒルポジションが4月から禁止される話題を書きましたが、さらに前腕をハンドルに乗せるポーズも禁止です。ただ、TTは除くと書いてありますね。
要するに「手」はハンドル上に置き、足はペダル上、尻はサドルの上に座るっていうことですね。ハンドルの上に「腕」を置いてはいけないし、お尻を置くのはサドル上以外はダメってことでしょう。ただ選手はすでに反発してますね。自転車の乗り方ぐらい選手が自分で決めるもんだと。
この前腕部をハンドルの上に置くのって20世紀終わりぐらいから結構見かけるようになりました。当時は変速ワイヤーがブレーキレバーの内側から飛び出していたから、ミケーレ・バルトリなんていう選手はよくそれを掴んで走っていた印象があります。そのせいで、メカニックがバルトリの自転車のワイヤーがよく痛むと愚痴ってたみたいな記事を読んだ記憶もありますね。と思って写真を探したらありました。

自転車の最大の敵は空気抵抗ですからね。全面投影面積を小さくするためにはいろんなことがやられてきたわけです。80年ごろにはエアロフレームなんて言ってフレームのパイプ断面を涙滴状にした、潰れたフレームが出てきたり、フランチェスコ・モゼールのアワーレコードで有名になったディスクホイールやファニーバイクが出てきたりしたけど、それもこれも、93年に全く無名のアマチュア選手グレアム・オブリーが「革新的」なフォームでアワーレコードをあっさり更新して、結局自転車の形状なんかよりも人間の形状を変えた方が速く走れることがバレちゃいましたから 笑)
全面投影面積を小さくすることが自転車をより速く走らせられるというわけで、フォームも随分変わりましたが、投影面積を小さくするお手伝いに、いろんなものが出たのでした。
例えば1990年ごろにはグレッグ・レモンもスコットのハンドルバーをツールで使ってました。

まあ、レモンで有名なのは89年のツール最終日のTTでのトライアスロン用スコットバーでしょうけど、形状は少し変わったとはいえ、現在もTTでは同じような機材が使われているのに対し、こっちはもうなくなっちゃいましたから、今見るとかなりの斬新さです 笑)この写真は平地のようですが、下りでもここを持って降っていたはずです。これも1年で禁止になったはずですが。
他にもやっぱり90年代前半にでたマヴィックのメカトロニックという左右非対称のブレーキレバーと変速機のセット。リアメカはワイヤーがなく無線で変速するというシステムで、混信を防ぐために自分で電波の周波数を変えるんじゃなかったかなぁ。

ただ、このハンドルレバーは最初に出た時には写真よりもっと内側に伸びてたんですよね。要するにそこを掴んで、いわばハンドルの上に前腕を乗せるのと同じ効果を出そうとしたんでしょう。無論、当時はまだ前腕をハンドル上にという発想はなかったけど、ここを支えにしたポジションは楽だということはわかっていたわけです。しかし発売後すぐにUCIが禁止にしたので、レースの場では日の目を見ませんでした。
そのうち、UCIは、昔の日本のホビーレースみたいに、不必要に手をハンドルから離さないように、なんて言い出すかもしれません 笑) いや、昔、私が出てた頃のホビーレースでは、たとえ単独逃げきりでゴールしてもハンドルから手を離したら失格でしたからね。実際ゴールで万歳して失格になった人を見ました 笑)
まあね、プロ選手たちは全サイクリストの見本ですから、子供たちが真似しないようにという意味も込められているんでしょうけどね。
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