
昨日の東京新聞夕刊の論壇時評で中島岳志が書いていた安倍内閣の総括が面白かった。つまり、安倍内閣の本質は、「実現しないことによって支持を獲得する」というカラクリにあったというのである。
安倍が選挙のたびに吠えてた「道半ば」という標語によって人々に期待感を持たせた。それはいわばニンジンをぶら下げながら、それを追わせ、しかも人々は決してニンジンには届かないのである。これまでも「やるやる詐欺内閣」なんて言われていたしね。
そもそも安倍のやったことって何だったか? 国民のためになることを何かしたか? 社会保障費を削減し、二度にわたって消費税を上げたが、他に何をしただろう? 様々な威勢の良い発言はあったものの、人々の生活はちっとも良くなってないじゃないか? 憲法違反の法律をいくつも通し、長年の慣習だった集団的自衛権や検察庁の定年を勝手に閣議決定で変更し、挙句の果てには自分の名前を冠した幼稚園に9割引の格安な価格で土地を売ったり、何十年も作られてこなかった獣医学部を自分のお友達のために作らせてやったり、自分の支持者のために税金でお花見させたりしたわけだ。
全く反吐が出る。
話を戻して、中島岳志の論壇時評で紹介されている武田砂鉄の「『明日からダイエットをやろうと思っています』政治」という評にも笑った。
「安倍は辞任を発表した記者会見で、実現できなかったこととして拉致問題の解決、ロシアとの平和条約の締結、憲法改正を並べ、『痛恨の極み』とのべた。これに対し武田は、『あたかももう少しで達成できたかのような印象を与える言葉使いだったが、具体的に動いた形跡はない』と論じる。」
政策が実現することに意味があるのではなく、もう少しで手が届くという期待感にこそ意味がある政治だったわけだ。「ダイエットは永遠に始まらない。しかし『スリムな私』という幻想だけが持続される」ということで「明日からダイエットをやろうと思っています政治」なわけ。
安倍の時代。多分後世によって嘲笑われる時代だと思う。上に書き連ねたようなポイントをもあるが、僕個人としては何よりも人々の差別意識の拡大が一番の問題だった時代だと思っている。総理大臣自らが、ヤジを飛ばした国民を指差して「こんな人たち」呼ばわりし、相模原の障害者施設の虐殺事件があったときにも、何ら目立ったメッセージを発信しなかった。結果、犯人に同調する意見を表明するような人もたくさん出た。無論、そういう恥ずかしい意見を胸を張っていう人たちが問題なのだが、それを許す社会的な雰囲気を作ったのは安倍なのだ。何より、あの犯人は虐殺予告の中で、安倍ならわかってくれると繰り返し書いていたのだ。思い返してみても、本当に酷い時代だったと思う。いや、今もその時代が続いている。
この後の総理大臣は安倍の継承なんてほざいているが、何を継承するのだ??
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