
ポスター写真はあえてドイツ版で 笑)
少し前にBSで放映していたのを、見ないかもしれないなと思いつつ録画しておいた。で、見た。実は高校生の時に父と一緒に見たことは覚えてる。でもまあ内容はほぼ忘れていた。最後に主役二人がタバコを吸うシーンははっきり記憶にあったけど。
あれからずいぶんたくさんの反戦映画を見たから、その経験をもとに見るとかなり甘い。こんな騎士道精神と敵に対する敬意を持った、ゲームのような戦いはあり得なかっただろうと思う。
ドイツ映画の「Uボート」で、緊急潜行の時には潜水艦の乗組員たちは狭い船内を一斉に船首側向かって走るものすごい迫力あるシーンが出てきたが、この映画のUボートは船内も綺麗で広く、結構近くで爆雷が爆発しても大して被害を受けない。水が吹き出たり、オイルが吹き出すシーンもあるけど、「Uボート」のようなボルトが飛んで船内がギシギシいい、今にも圧滅するんじゃないかという恐怖感・緊迫感は薄い。それに「Uボート」では船長はじめみんな長い航海で髭ぼうぼうになったけど、こちらはみなさん毎朝髭剃ってたんですかね。
ただ、後知恵の文句はつけられるけど、この映画の駆逐艦とUボートの戦いは、特に爆雷の投下シーンが本物を使っていることもあって(アメリカ海軍完全協力)、本物の質感があるし迫力もあれば緊迫感もあって格好いいし、時間があっという間に過ぎた。
でも、最後に追われる一方だったUボートが起死回生の一撃で形勢逆転、すると、駆逐艦側は大破を偽装する。それを潜望鏡で見て浮上したUボートが、人道的に、退去のために5分待ってからトドメの魚雷を打ち込むと警告すると、なんと、それに対して配慮に感謝すると答えながら、突然砲撃を始め、さらにUボートに体当たり。
これって、この映画を見たアメリカ人は、勝った(引き分けた、か?)といってもだまし討ちで汚い、こんなの嫌だ!と怒らなかったんだろうか? また、やられたUボート側も、こんなやり方されたら怒りを増幅させたんじゃないかと思ったりする。だって、この砲撃でUボートの乗組員も何人か死んだんだし。
まあ、その後の救命ボートではアメリカ兵たちが一生懸命ドイツ兵たちをボートに引き上げようとし、Uボート艦橋に取り残されて死を覚悟した艦長は、駆逐艦艦長が投げたロープに救われるんだけど。
1957年の映画で、まだ戦争が終わってから12年しか経ってないけど、(西)ドイツも西側の一員としてアメリカとともに共産主義に対抗している時代だからか、ちょっとドイツ側に忖度してるのかなぁ、なんて思ったりもする。無論Uボート船長は反ナチ的な人物として描かれ、「こんな戦争に勝ったとしても残るのは嫌な気持ちだけだ」なんて言うんだけど。
主役のロバート・ミッチャムは大好きな俳優の一人で、「狩人の夜」や「恐怖の岬」でのものすごい悪役と、もっと歳をとってからの「ライアンの娘」の寝取られ夫役や「マリアの恋人」の父親役が特に印象に強く残っている。洋画好きの母からはこの人「スリーピーアイ」って言われてたのよ、と聞かされたっけ。でも、母がロバート・ミッチャムを見るとしたらモンローの「帰らざる河」ぐらいだったんじゃないかなぁ。
一方のクルト・ユルゲンスの方は、もうこれは絶対に「目には目を」の気の毒な 笑)医者の役。何れにしてもこの二人の戦いが終わった最後のやりとりと表情だけでも、見てよかったと思いました。
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