
テレンス・マリックの映画。多分自分のことを描いているんだろうなぁ。
「トゥー・ザ・ワンダー」について以前書いたけど、ほぼ同傾向。ペアの作品と言っても良いかもしれません。どっちか片方見ればそれで十分という人もいることでしょう 笑) 両方結構と言う人も多いかも 爆)
例によってむちゃくちゃ美しい自然のカットがいっぱい。そうした太古から続く自然の前では、個人の様々な確執や諍いなどどうでもいいんだといういつものマリック節。「トゥー・ザ・ワンダー」と同じように10秒以下の短いカットのつなぎ合わせと広角レンズで画面の中の全てがピントが合っている絵画のような美しい映像もマリック映画のお約束です。
主人公は映画の脚本家で、映画の最初の方で、どうやらこれからハリウッドで一発当てる大チャンスを得たようで、華やかなセレブの仲間入りをしています。映画の雰囲気はまるで違いますが何となくフェリーニの「甘い生活」のことを思い出したりしました。フェリーニの方がずっとシニカルで人生をバカにし切ってるような感じかな? それに対してマリックって上にふた文字つけた方がいいような真面目さ。ただ、僕はフェリーニよりこっちの方が好きかもしれません 笑)それから、
佐々木昭一郎のドラマなんかも思い浮かべたけど、かけてる金が違うから、まあ比較してはいけませんね 笑)
主人公は奥さんがいるんだけど、相手の女性を取っ替え引っ替え情事を重ねる。で、こんな生活が嫌になったか、後半では日本庭園で禅の話を聞いたり、神父の神についての話を聞いたり、人気(ひとけ)ない岩山をさまよったりするけど、きっとそうしたことで心が晴れたわけではないんだろうなぁ。何れにしてもこれらの短いカットが次々と出てきて、最後に主人公が「始めよう」と言うと、これまで何度か出てきた高速道路のトンネルを抜けるシーンが映されてジ・エンド。
映画はいくつかの章に分かれていて、それぞれに、映画の最初の方で出てきたタロットカードの表題がついているけど、何を意味するかは私にはわかりません。
セレブたちの退廃した生活と貧しいものたちや障害のある人たち、あるいは主人公の弟と父の関係(マリックの弟は父に反発して自殺したらしいですが、それは
「ツリー・オブ・ライフ」でも暗示されていました)などが、何の説明もなくブツ切れで、しかも10秒足らずのカットの連なりで出てきて、そこにやっぱりいつものようにブツブツとモノローグが被さり、アルヴォ・ペルトなどの音楽が控えめに被さります。
主役のクリスチャン・ベールってクリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズでバットマンやった人ですが、バットマンは見てるときは楽しいけど、まあ、正直もう一回見ようとは思いません。一方、こちらは、ああいうワクワクハラハラ感はとても感じられません。いや、むしろ見ている最中は結構な難行苦行です 笑)登場人物たちの葛藤とか感情のせめぎ合いがわかるような映画ではないし、ストーリーを追いかけようとしてもよくわからない。あの突然出てくる泥棒なんて、一体何? なのに、翌日になって(これ昨夜見たんですが)、なんかもう一度見たくなっているんですよね。
マリックの映画ではこの前の「名もなき生涯」がとてつもなくわかりやすい映画だったんだな、と改めて思った次第でした。
よければ、下の各ボタンをポチッとお願いします(まあ、大した意味ないですので、ポチッとしなくても構いません。おまじないみたいなもんです 笑)

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト