去年BS12で一度だけ放映されたドイツのTVシリーズの第1シリーズと第2シリーズ。見事に見逃して、見た友人から話を聞いて悔しい思いをしてたんですが、ツタヤディスカスやアマゾンプライムで視聴可能のようです。原作はフォルカー・クッチャーの1929年から34年までのベルリンを舞台に、ケルンからやってきた警部ゲレオン・ラートが活躍する大河ドラマです。現在日本では最初の3作が翻訳されているけど、全部で8作のシリーズらしいですが、4作目が出る気配がないですねぇ。
私はまさにこのドラマの原作となった1作目「濡れた魚」は一昨年?に読んでいて、ある程度内容を覚えていたんだけど、ドラマは原作をだいぶ膨らませて話を大きくしている感じで、登場人物の設定も随分違っています。何しろ時代が時代、ワイマール憲法下の狂乱のベルリン、黄金の20年代という文化的に爛熟という言葉がぴったりの社会を背景に、ナチスが台頭し、共産党とぶつかり合うものすごい時代ですからね。
昔の映画にライザ・ミネリの「キャバレー」という映画があり、これまた1930年代のナチス台頭期のベルリンを舞台にキャバレー文化が最高度に花開いた時代の踊り子を主役にした映画で、傑作の呼び声高い映画でしたが、時代的にはほぼ同じ頃です。このドラマもその華やかなキャバレー文化を背景にして、当時の風俗がきらびやかに描かれています。
ただ、安易に見ると結構なエログロ描写が多く、ちとやばいです 笑) 昔、多分高校生の頃、淀川長治のラジオ番組で、ドイツ映画というのはエログロをそのまま描くというような話をしていたのを聞いたことがありました。大昔のドイツのサイレント映画の話で、石畳を水が流れていくシーンがあって、カメラが引いていくと向こうに女がしゃがんでるシーンというのがあったそうです。
でも、当時はドイツ映画なんて言われても、日本で見るチャンスはほとんどなかったから、ふーんと思っていたんですが、その後、ヴェンダースの「さすらい」で、冒頭主人公の浜辺の脱糞シーンでひっくり返りそうなぐらいぶったまげたものでした。だって、そのまま写すんだもんね 笑)
その後も、ドイツ映画というと、唐突に脈絡なくセックスシーンがバンっ!と出てきて子供と一緒に見ることできないようなものばかり、という印象でしたが、このドラマも子供と一緒に見るのはやめましょう 笑)
刑事物というと、英国BBCの映画やコロンボなんかが思い浮かぶんだけど、この「バビロン・ベルリン」はフィルムノワール系というか、主人公の警官もかなり危ない感じで、
以前このブログで繰り返し絶賛した「刑事フォイル」とはまるで違います。内容だけでなく、描写も英国とドイツの違いなのかねぇ、まるで違います。まあ、安心して見てられないですわ 笑)
登場人物は露骨に下ネタを(ギャグではなく)連発し、人前で放屁するし、ゲロやウ◯チまみれになるし、女の子もいる人前で素っ裸になるし、死体は解剖台上で下半身丸出しで横たわるし、土に埋められたウジまみれの死体のアップ(無論作り物でしょうけど)やバラバラ死体の検証写真が映ったり、まあ、正直言って、フォイルの上品さ、軽やかさ、優美さ、様式美に比べたら、下品で下劣で気色悪い露悪的リアリティ。かなわんなぁ 苦笑)
日本の地上波では絶対放送しないだろうなぁ。というわけでこの項、次回は内容について書く予定です。
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