バイオパスとかブラッドパスとか言われるバイオロジカル・パスポートってのはウィキでは「生体パスポート」と出ていますね。選手の一定期間内の生物学的なマーカーを記録して、それが生理学的にありえない変化を示したときにドーピングの可能性を疑うというシステム。だけど、これも結局完全ではないってことですかね。
デニフルは少なくとも去年末にCCCと一時的に契約したわけで、その時に生体パスポートで検査され、それが合格となっていたから契約できたわけですから。
というわけで、キッテルです。今回のドーピング騒動、故郷のエアフルトの医師が中心となっていたようで、しかもプライトラー(ニュースではプライドラーと濁ってます 笑)はかつてのチームメイトですから、かなり怒ってますね。去年の8月以来の更新なのに。。。しかも呆れるほどの長文。今までの分を取り返すつもりか? 笑) 口調も今回はいつものやつはやめます 苦笑)
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俺は日曜からまたボーデン湖の自宅に戻ってこんなメッセージをもらった「多分もう一人出る。明日。インスタ、ツィッター、FBなどで、もうゲオルク・プライトラーは存在しない」
昨日この噂を確認した。個人的にどうして良いのかわからない。ゲオルクは3年間俺のチームメイトだっただけではない、何より俺の故郷のエアフルトの医者が中心になってドーピングのネットワークをチューリンゲン州で構築していたんだ。俺はここで学校に通い、自転車を始めたのもここだ。俺の友達も家族もここで生活している。今の俺はスイスに移っているが、ここはいつまでも俺の故郷なんだ。
俺はこの何日か、唖然としながら、ドバイからマーク・シュミット医師を中心としたネットワークが徐々に明らかになっていくのを見ていた。何しろ突然エアフルトとチューリンゲン州が国際的なスポーツの不正の中心地として耳目を集めることになったんだから。
ここでマーク・シュミットのやったことを取り上げてその人間性をとやかく言いたくはない。多分自己顕示欲と金銭的な動機があったんだろう。俺個人は彼とも彼の周囲とも知り合いではない。
とりあえず今は騒ぎが終わったことは嬉しく思う。とても痛みも伴っているが。だが一握りの人間がドイツのスポーツ界と俺の故郷のイメージを損なったことを悲しく思う。この後もまだ新しい名前や情報が公になるだろうが、俺としては一つの点が特に悪いと思う。つまりドクター・シュミットはチューリンゲン州スポーツ連盟で働いていて、たくさんのスポーツをする子供たちのチェックをしたり、病気を治療したりしていたということだ。子供たちに悪意がなくたって悪いイメージを持たれてしまうだろう。
俺も巻き込まれた2012年のオリンピックサポートセンター・エアフルトのフランケ医師によるUV血液治療をめぐるいざこざ【下記リンク参照】の経験から、学ばなかったのだろうか? このケースと直接比べることはできないだろうが、責任者がきちんと見ていなかったために若い選手たちがまたしても苦しむことになってしまった。これは本当に腹が立つし失望している。
UV血液治療ってドーピング??キッテルのUV血液治療(続報)俺は自転車プロとして常にドーピング問題を考え続けている。自転車競技や他の持久力スポーツの歴史を見たとしても、俺は誰かを責めるつもりはない。だけど、俺はいつでも良い見本になろうとしてきたし、透明性を確保しようとしてきた。今回のマーク・シュミットを中心にした事件が、アンチ・ドーピング法によって解明されたこと、その法律を俺もそれを支持し求めてきたこと、これを俺は誇りに思う。この法律の厳格さとこうした警察の操作方法は、この種の黒幕や選手たちの犯罪を犯すエネルギーに対抗し、同時に誠実な人間を保護するのに必要なことなのだ。
ドーピング犯罪には2番目のチャンスがあると言われる。また、人々は彼らの過ちから学ぶことができる。これは、あのスキャンダラスな時代の多くの人々が監督、チーム関係者、マネージャーとして働いている自転車競技でも大きな問題だ。それぞれがこのチャンスを使い、利用している【出場停止処分後に復帰できることを暗示しているのでしょう(アンコウ)】。しかしマーク・シュミットはこうした要求を失ったのだと思う。おそらく彼は10年前にすでにこうした細工をしていただろう。うまく逃れて、その後再び血液ドーピングのシステムを構築し、さらに最近有罪となったドーピング医師のシュテファン・マッチナーからノウハウを引き継いだんだろう。とんでもない恥知らずな大胆さだ。
さらにもっと重要な問題がある。ゲオルク・プライトナーのような、正しい道を踏み外しながら、良心に耐えられなかったような選手をどうやって助ければいいのか? アスリートの中には私を取り巻く環境のように良い状態にいない人もいる。スポーツでの成功は肉体的な強さだけでなくメンタルな強さも必要だ。だから、まさに若い選手には、将来誘惑に負けないためにも、コーチングとこうした問題をよく知っておく必要がある。選手はこうした問題を自分一人だけで考えるようにすべきではない。スポーツは社会貢献することが大切だし、人の健康を保ちフィットさせなければならないし、楽しめなくてはならないし、模範にならなくてはならない。しかしこうしたこと全ては一個人には多すぎる。一人ではそれに破れ、手っ取り早くドーピングに頼ろうとしてしまう。
スポーツというのはここらで一旦自分のことを省みる必要がある。何人かのスポーツの役員のやったことや大きなスポーツ連盟への賄賂、本来良い見本となるべきオリンピックの価値の低下のことを思うとき、選手の方にもズルをする奴がいるというのは驚きではない。もちろん、選手もそうだが、全ての役員や連盟を一律に扱うわけにはいかないだろう。大多数はクリーンなスポーツのために頑張っているものと信じている。だけど、魚はいつでも頭から腐るものだ。今回のことは俺も含め、クリーンなスポーツマンにとって、またファンや、エアフルトで一生懸命頑張っているトレーナーや関係者たちの顔面への強烈なパンチだ。
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