
斎藤貴男の本はいつだって読んでいて楽しい本ではない。ひたすら腹が立つし、不安になってくる。だけど、彼がもう15年~20年近く前に、例えば「機会不平等」とか「ルポ改憲潮流」などで警鐘を鳴らしていたことが、今となってはすでに実現してしまっていることを考えれば、この人の語る言葉に耳を傾け、僕らはどうすればいいのかを考えるべきだろう。いや、エラソーに書いてしまったが、実際に何か行動するとかいうことではなく、少なくともここに書かれている事態についてちょっとでも考えてみるだけでも大切だろうと、そう思う。
さて、この6年に渡る安倍政権の「あまりにも幼稚であまりにも愚劣」(本書p.23の小沢一郎の言葉)な政治姿勢を再確認させられ、うんざりしてくる。もっとも
斎藤貴男の本はいつでもそうだ 笑)だけど、書いている斎藤貴男の憤怒を共有し、僕らもしっかりと怒らなければならないと思う。
安倍批判もそうだが、現在の社会全体に対しる「否」を叫び続けてきた著者の一番大きな批判対象は「新自由主義」である。
「家庭環境や経済力次第で人それぞれスタートラインが異なる現実を無視し、あたかも正当な競争のように見せかけ、にも関わらず自己責任原則を絶対のルールだと演出する新自由主義のシナリオは、イコール社会ダーウィニズムと同義といって過言ではない。」(p.197)
この新自由主義にのっとって、経済成長が絶対的な目的になってしまった現在の社会。確かに経済が成長してみんなが豊かになれば、幸福になる可能性は高まる。だが、誰のための経済成長なのだろう? 無論一部の富裕層のための経済成長だ。そして安倍の論理では、富裕層が豊かになれば下の層にもそのおこぼれが落ちてくるというトリクルダウン理論とやらでみんな豊かになれると言うのだが、富裕層ではないあなた、そこのあなた、豊かになりましたか? 実感としてどうですか?
経済成長が絶対的な目的になってしまった現在の日本、政府主導で金儲けのためなら何をしてもいいということになってしまった日本。あれだけの世界的な大惨事を引き起こした原発を輸出してまで金を儲けようとするのは、どう考えたって普通じゃないだろう。憲法9条がある中で他国に潜水艦を売ろうと言うのはどう考えたっておかしいだろう。大学に武器開発の研究をしろとけしかけるような政府って僕には全く理解できない。
この本で指摘される
経済成長はあくまでも手段であるという指摘は重要だと思う。
この幼稚で愚劣な政権のやったことを整理するためにも、安倍嫌いの人だけでなく、政治など関心がなくとも常識のある人にお勧めします 笑)
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