
NHKホールに行ったのは実に久しぶりです。多分15年ぶりぐらい。一時期コンサートには随分行ったんですが、色々忙しくなってすっかり行かなくなりました。
1曲めの組曲4番と最後のマニフィカトはCDもあるし、比較的よく聞く曲です。もっとも今日のマニフィカトはクリスマスバージョンで、これは初めて聞きましたが。
一方、2曲目のオーケストラバージョンの元になったオルガン曲、一応オルガン全集のCDも持ってはいるんだけど、まず滅多に聞かないし、そもそもバッハのオルガン曲ってそれほど好きじゃないんですよねぇ。。。
タルコフスキーの映画音楽として使われたオルゲルビュッヒラインぐらいかなぁ、比較的よく聞くのは。だからこの前奏曲とフーガ「聖アン」って言われても全然わかりません。しかもそれをシェーンベルクが編曲した大オーケストラバージョン。まあ、これはバッハの曲ではありませんね 笑) YouTubeを見ると結構あるので、昨日のうちにちょっと予習しておけば少しは違ったかもしれませんでしたが、後の祭 笑)
しかし、最後のマニフィカトはN響20年ぶりのバッハの声楽曲だったそうです。確かにいつの間にかバッハの、特に声楽曲は古楽オーケストラが演奏するものとなってしまって、N響のようなモダンオーケストラが演奏するものではなくなったようなところがあります。
でも、一方で鍵盤楽器用の曲はピアニストたちがこぞって弾いていて、例えばゴルトベルクなんて、きっとチェンバロ版よりピアノ版の方が多いんじゃないかと思えるほどですがね。
昔、私がバッハ好きになった1980年代には、雑誌などでも、マタイ受難曲の最高のレコードは戦前のメンゲルベルク版なんていう音楽評論家もいましたからね。少なくとも、当時の評論家が上げていたトップはリヒターのマタイだったはずです。
私もそのリヒターのカンタータ選集全5巻を、当時は大人買いなんかできず、秋葉原の石丸で一つづつ買って、カンタータオタクになったのでした。その頃にアーノンクールとレオンハルトのカンタータ全集を聞いた時には、なんだか下手くそだなと思ったものでした。特にアルトをボーイソプラノが担当していて、ノンビブラートで今にも音程を外しそうな危なっかしさがあったし、弦楽器なんかもビブラートをかけない演奏で、どこか間が抜けているような感じがしたものでした。ラッパなんかもバルブなしで、これ音外れてんじゃないの?と思ったものでした。
まあ、あれは本当に音が外れていたみたいですけどね。解説だったかには、そこのパッセージはバッハがわざと当時のトランペットでは吹けないように書いた、とありました。理由は、そこについた歌詞が「異邦人」という単語で、その部分でわざと音を外すように仕組んだからなのだそうです。
でも、もうカウンターテノールが増えて上手になって、演奏そのものも当時よりも格段にレベルアップしてますから、いつの間にやら古楽での演奏がなんの違和感もなくなりましたね。こうして、バッハの時代の楽器で上手に演奏してしまって、だけど、バッハの時代はもっと下手くそだったはずだから、もっと素人っぽく演奏するべきだとは誰も言わないですね。バッハ自身はトーマス教会での合唱団を半分は使い物にならないと言ってたりするんですけどね 笑)
冗談はともかく、久しぶりのコンサート、とても心地よい時間を過ごしました。

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