先日の「1985年のブエルタ」のエントリーにコメントを下さった かばきち さんから、ロバート・ミラーの性転換は事実であるというCyclingnews.の記事を教えていただきました。
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1984年の秋だったと思うのですが、池袋のデパートのスポーツ用品売り場で、初めてヨーロッパのロードレースの存在を知りました。そこに設置されていた小さなブラウン管に、5分か10分ぐらいのビデオがエンドレスで繰り返し放映されていて、これは前にも書いたことがありますが、ただただ呆然とその前に30分ほど突っ立って動けなくなったのでした。
今でも覚えているシーンは、真っ青な晴天の山岳で一列棒状に走る選手たちの中から一人がアタックすると、後ろから次々にそれを追う選手がスピードを上げ、その美しい風景とスピード感、選手の一人になったかのようなカメラ位置、そして何よりカラフルなマイヨをまとった選手たちの姿に完全に魅了されてしまったのでした。
自転車選手と言われたら、競輪選手のゴツイ体でぶっとい太ももという印象しかなかったから、そこで見た選手たちの華奢な体と細い足にびっくりしました。そんな中に一人の選手が両手を上げてゴールするシーンがあって、その後思い出すと、それがロバート・ミラーだったんじゃないかと思うんです。
ゴール前に横顔がアップになり、長髪をなびかせてて、なんて美しい!と思ったのでした。あの時みたビデオがいつのものだったかは、もう調べようもありませんが、おそらくその直前の84年ツールか、あるいはその前の年のツールの可能性もあったのかもしれません。そして、今調べてみると、83年の10ステージ、ポーからバニエール・ド・ルションでミラーが逃げていたコロンビアの選手(このときはアマチュアで出てたはずです)を千切り、追ってくるデルガドを振り切って優勝してますね。
84年にも、11ステージ、ポーからグゼ・ネージュでミラーがルイス・エレラとデルガドを振り切って優勝しています。僕が見たエンドレスのビデオはそのどちらかのワンシーンだったのでしょう。そうやって考えると、この2年で優勝したローラン・フィニョンが絶対映っていたはずなんですが、それはもう思い出せません。
その後、30年以上ヨーロッパのロードレースに魅了され続けてきたわけですが、ひょっとしたら、きっかけは、ロバート・ミラーの姿だったかも。
というわけで、自転車って普通はメカから入ったり、サイクリングから始まる人が圧倒的多数なのでしょうけど、僕の場合はかなり倒錯していて、ヨーロッパの自転車レースのビデオを見て、それに魅了されて、あんな自転車に乗りたいと、何も知らないまま、このビデオから一月ぐらいで、当時一番安かったビアンキを購入、それから半年も経たないうちに、サンツアーカラーのヴォーグに乗り換え、さらにホビーレースチームに強引に入れてもらい、ホビーレースに参戦し。。。。という具合に、もう後戻りできない状態になったのでした 笑)
というわけで、当時のロバート・ミラーの写真をミロワールなどから拝借。



そして現在のロバート・ミラーの姿をCyclingnews.comから拝借しましょう。

10代ぐらいから性的に違和感を感じていたそうで、それをきちんと自覚していれば自転車選手になどならなかったと言ってますね。今は幸せだと。これは実感することは不可能だけど、自分自身の性に対する違和感を抱えながら、男ばかりの社会で勝負にこだわり、それから解放されて、やっと自分自身に対する違和感からも解放されたということでよろしゅうございました。
というわけで、情報コメントを下さった かばきち さんに改めて感謝いたします。どうもありがとうございました。

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