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フィリップ・カー 「ベルリン三部作」

2017.11.18.18:15

作者はイギリス人、しかもヴィキで調べたら生まれた日が僕と全く同じで、それだけで親近感が湧きました 笑)

ナチスの時代前後を舞台に、ドイツのフィリップ・マーロウみたいな、思いっきりハードボイルドな探偵(途中刑事にもなります)ベルニー・グンターが活躍するミステリー小説です。まとめて一月ほどかけて、読み終わりました。




時代設定が僕にとって非常に関心のある時代で、この時代についてはそこそこ読んできているつもりなので、いろいろと面白く読めました。実際の事件や実在の人物が次々に出てくるし、当時の雰囲気もよく出ているんだろうと思います。ただ、主人公のベルニー・グンターの饒舌なユーモア感覚が、あんまりドイツ人らしくないかなぁ 笑)それから、翻訳はとても読みやすくていいんですが、ただ一つ、主人公の私立探偵グンターが、実在したナチの高官のハイドリヒやネーベとタメ口なのがどうも気になります。

3つのお話はどれも、1936年のベルリンオリンピックや1938年のズデーテン侵攻からミュンヘン会議を経て、有名な水晶の夜と呼ばれるユダヤ人迫害暴動、そして戦後の48年の元ナチのグループ(これは映画「愛の嵐」とか「将軍たちの夜」とか「オデッサ・ファイル」なんかを思わせる)と米英とソ連の権力争いからベルリン封鎖へ至る事件をうまく配して、ミステリーとしても面白いと思います。

ただ、僕の印象では、昔読んだチェコのパヴェル・コホウトの「プラハの深い夜」というのが、ナチス占領下のプラハでチェコ人の刑事とゲシュタポの検事が協力しあってサイコパスを追うという話で、圧倒的な面白さと感動があって、どうしてもこれと比べると、読後の感動の割合がかなり負けてるかなぁ。 笑)


ところで、この3部作には続編があって思わずまとめて買ってしまいました。こちらは今の所3冊ですが、本国ではさらに続きが出ているようです。少なくとも今年の残りの読書はこの残りの3冊ですかね。




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プロフィール

アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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