このところ映画がメインになってるような拙ブログです 苦笑)
話題になっていたので題名の映画を見てきました。売りがファン・ゴッホの絵でアニメーションになっているということで、どんなもんかなと思っていたんだけど。。。
僕はあまり面白く感じませんでした(あ、言ってしまった 笑) 確かに見たことのある絵が動いて角度が変わったりするのは面白いけど。。。 むしろファン・ゴッホの死の謎(自殺なのか)の話の方が興味深かったです。
アルマン・ルーランの肖像というのがあるけど、僕はこの映画を見るまで知りませんでした。

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http://vangogh.exblog.jp/6829193/父親の郵便配達人ジョゼフ・ルーランの肖像の方はいくつもあるし、何しろヒゲがすごいので有名ですが、この映画の主人公は息子のアルマンが主人公で、ファン・ゴッホの死後、弟テオに宛てた手紙が出てきたので、それをテオに手渡しに行くという話です。しかし、テオはファン・ゴッホの死後半年ほど後で梅毒で死んでしまっていました。アルマンが、モデルになった人々に話を聞きながら、ファン・ゴッホの死は自殺ではないのではないか、という説にたどり着くというのがお話ですが、ちょっとテンポがゆるくて、時々眠くなりました。また、関係者(ファン・ゴッホの肖像画のモデルになった人たち)の回想シーンでは油絵風ではなく、中世の祭壇画などにあるグリザイユという技法のような、セピア調の白黒のリアルな絵になっています。

(これが父親のジョゼフの肖像の一つ)
まあ、よく知られているように、何しろ人類愛に燃えながら、激しい気性が災いして、自分を気にかけてくれている人ともぶつかり、傷つき、傷つけ、なんともお気の毒な人です。ただ、最近もどこかで読みましたが、ファン・ゴッホの耳切り事件は、切り取った耳を
、言われているように馴染みの娼婦に手渡したのではなく、顔に障害があった娼館の娘に対する連帯感から、その娘に渡したのではないかという説があるそうだし、この映画の説のように、本当は自殺ではないが、自殺だと言い張ることで銃を撃った者をかばったのではないかと言われたりして、優しいなどという言葉では言い表せないぐらい無私の愛情に満ち溢れた人だったんでしょうね。
と、そんなことを思いながら帰りの電車の中で、こんな映画を以前にも見たことがあるぞ、と思い出しました。
拙ブログでも大昔に書いた「ブリューゲルの動く絵」という映画でした。あれもブリューゲルの十字架を運ぶイエスの絵を活人画のように動かすということをやっていたんですが、どうも動かすことに一生懸命になってしまって映画としての面白さは今一つという映画でした。そういう意味では今回のこの映画も、ゴッホの油絵でアニメーションにするということに力を使い果たしてしまったんじゃないか、と、そんな気もします。そういえば、ブリューゲルもこのゴッホもポーランド映画ですねぇ。。。
ポーランド映画というのは偶然にしても、どちらも奇をてらっているところがあって、こういう話題性で勝負するよりも正攻法の映画、例えば古くはヨス・ステリングの「レンブラント」(これは無名だけど傑作だと思います)とか、
拙ブログでも紹介した二本の「エゴン・シーレ」の方が、僕としてはずっと面白く見ることができたと思っています。
ところで、この映画、TVでもいろんなところで紹介していて、そのおかげか、月曜の夕方なのに満員でした。字幕だと絵にかぶるので、わざわざ吹き替え版をやっているところへ行ったんですが、字幕版だとどうなんでしょうかね?

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