いやぁ、忙しくて、その忙しさに輪をかけたのがスマホ購入。ずっとガラ携だったんですが、先週末1日潰して変えたんですよね。そしたらその日の夜から忙しくなって、何も手につかず、メールも送れないまま、というかアップルIDも取得できないまま。。。やれやれ、どうなるんだ??
というわけで、そういう忙しい時にはあえて、表題のようなことを書いてみようというわけで、私の一番好きな映画は何?と言われたら即座に、タルコフスキー監督の「鏡」です、と答えます。最初に見たのは1980年の6月。岩波ホールでした。最初に見たときはなんだかよく分からないけど、やたら綺麗だった、という感じでした。風と土と水、そして何より火がこれほど意味ありげに出てくる映画はないでしょうね。

タルコフスキーは、その前に「惑星ソラリス」を見ていて、これもまた不思議な雰囲気の映画なんですが、これは原作を先に読んでいて、映画ではラストが全く違い衝撃を受けました。その監督が作った映画ということで、かなり気合が入っていたと思います。
一度見て、なんかよく分からないと思いながら気になって気になって、一週間経たないうちに、当時よく一緒に映画を見ていた友人が見に行くというので、じゃあ、俺ももう一度見る、とついて行ったのでした。
二度目に見たとき、台詞の中に「リヴャートキン大尉の姉でスタヴローギンの奥さん」という言葉に、たまたまその少し前に読んだばかりのドストエフスキーの「悪霊」の登場人物だ、ということがピンときて、この映画には、ただぼんやりと映像美といって済ましてはいけない、かなりたくさんの不思議な謎かけがある、と思ったのでした。
冒頭の、映画の中身とは何の関係もないTVを見るシーン、吃音の青年が「私はしゃべれます」という言葉で始まり、最後の「どうにかなるさ」と言って死んだ(?)スズメを投げ上げると生き返って幼年時代の故郷へ飛んでいくシーンまで、冒頭のバッハのオルガンコラールの「古き年は過ぎ去りぬ」から最後の「ヨハネ受難曲」の冒頭の合唱まで、もう今思い出していても、気持ちが高ぶります。
この映画の大きな枠は、「私」という現実には病気で臥せっている男の夢と思い出と想像からできていて、「私」の気分によって夢の中の出来事もいろいろと改ざんされていきますし、思い出もそうなのだと思います。何しろ不思議な映像がたくさん出てきて、いろんな謎解きに誘います。
この映画はビデオなどなかった時期、ぴあという情報誌をいつもチェックしていて、都心でやると必ず見に行きました。多分映画館で20回ぐらい見ていると思います。法政大学の学園祭にまで見に行きました 笑) 今パンフレットを見たら、半券が9枚貼り付けてありましたが、他にもまだ京王笹塚や池袋文芸座などのビラが挟まってました。

その後21世紀になってDVDを買ったんですが、これを見たのは結局の所1回か2回か。。。やっぱり映画館で見たいですね。というわけで、地球が滅びるときにはこの映画を見ていたいんですが、地球が滅びるときに映画館が果たしてやっているかどうか。。。
1984年、タルコフスキーが亡くなり、それとほぼ同じ頃、池袋のデパートの地下にあったスポーツ用品コーナーのエンドレスビデオでツール・ド・フランスの映像が流れていたのでした。5分ぐらいの映像でしたが、その前におそらく2、30分立ち止まったまま、呆然と繰り返し見ていました。今から思えば、あれはアルプスで、ロバート・ミラーだったんじゃないかと思うんですね。華奢な金髪をなびかせたその姿にウットリしましたね。こうして、僕の映画の時代が終わり、自転車に夢中の時代が始まったのでした 笑)
というわけで、タルコフスキーの映画については、「鏡」に限らず、いずれまたもっと詳しくご紹介してみたいと思っています。
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