うーん、これはちょっと個人的にもショックです。私が生まれた1956年のツールの総合優勝者です。年末にツール優勝者として最高齢のフェルディ・キューブラーが亡くなり、最高齢ツール優勝者となっていたのですが。89歳だったそうです。
オークションで手に入れた当時の自転車雑誌にワルコウィアクが優勝した時のものがありました。いうまでもなく右側の人ですよ 笑)

名前からも分かる通りポーランド系ですね。戦前にフランスへ来たポーランドからの移民というのはけっこう多いようで、名の知れた自転車選手では世界チャンピオンにもなったジャン・スタブランスキなんていう選手もポーランド移民の子です。
ワルコウィアクのツール優勝は、
以前ここでも書きましたが、ツール史上最大の番狂わせと言われています。何しろ、5回出場したツール・ド・フランスの成績は、57位、47位、リタイア、優勝、75位。ツール以外のレースの成績もブエルタのステージ2勝を除けば、現在はもう行われていない地方の無名レースばかり。
しかも56年のツールの総合優勝も、ステージ優勝はおろかステージ3位以内も一度もなし。きっと強豪選手がいなかったんだ、と思いがちですが、ツールで総合優勝したシャーリー・ガォルやガストーネ・ネンチーニ、フェデリコ・バーモンテスも出ていたし、総合2位に二回なっているスタン・オケルスも出ています。

これは手前が「山岳の天使」こと、美形選手として有名だったシャーリー・ガォルです。
この選手についても、ずいぶん前に書きましたっけ。
このワルコウィアクの人生、これも今日では想像もつかないものだったようです。もともと鉄鋼関係の職人だったのが、工場が閉鎖で無職になったのでプロ自転車選手になったと。まあ、この手の話はこの時代の選手には結構ある話ではあります。戦後の貧しい時代ですからね。ツールに優勝した2年後には一度引退しますが、それから4年後に再びカムバックし、レースで落車して頭蓋骨骨折で今度こそ引退。引退後も牧羊をやったかと思うと、カフェのオーナーになったりして、40も後半になって、再び鉄鋼関係の職人仕事に戻ったそうです。
当時、ツールに優勝した程度では老後は安泰というわけにはいかなかったのでしょう。
合掌
……追記2017、2/8、18:53
これで最高齢ツール優勝者は1歳違いのフェデリコ・バーモンテスですね。
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