民進党の党首が誰になるかで、久しぶりに、ちょっとだけ、野党がマスコミの話題になっている。僕は鳩山政権になった時には、大いに期待した。その後どんどん失望していったが、それでも自民よりはマシだと思いたかった。鳩山の「友愛」の後、どうなるのか、ものすごく不安に思った。
以下の文章は、2010年3月に書いたものの一部だけど、その時感じた不安はある程度まで当たるとともに、今まだ現在進行形である。
……
1999年の有事立法から去年の裁判員制度まで、その間、共謀罪やら少年犯罪に対する厳罰化に向けた少年法改正、さらには後期高齢者医療制度や障害者自立支援法など(まだまだいろいろあると思うが、思い出せない)実にさまざまなトンデモ法が成立している。すべて新自由主義とやらに乗っかった経済最優先のために、自己責任と競争原理を導入するために都合の良い法律。そして、その行き着く果ては憲法改正で海外での日本企業の用心棒化をめざす自衛隊の軍隊化、さらには「ルポ 貧困大国アメリカ」で堤未果が述べるように、格差社会誕生で生じる貧困層の徴兵化へつながっていく。
民主党政権が誕生したとき、こうした流れを断ち切ることを期待した。実際に障害者自立支援法に関しては、廃止と謝罪が行われ、障害児の父親として、これは期待大だと喜んだ。また死刑廃止を唱える千葉法務大臣の実現にも、やるなぁ!と思ったものである。だが、ここへ来て、司法により違憲判決が出ているイラク派兵は合憲と言い出すし、原発問題も、確かに公約は玉虫色だったけど、こんなにあからさまに推進するとは言ってなかったはずだし、そしてまだ噂のレベルとはいえ、沖縄の基地問題もどうやら裏で国民不在のままこそこそとアメリカと話を合わせている様子。なんなんだよ、これは。鳩山さん、しっかりしてくれよ、と言いたい。
こうして国民があきれている間に、保守系のマッチョで勇ましい人たちが既成政党を越えて大同団結して、一大右翼政党ができて、外国人排斥とか美しいニッポン(ケッ!)とか言い出して、憲法改正、武器の開発製造、戦争準備の公共事業により経済回復、国会議事堂に放火して無実の朝鮮人を犯人に仕立て上げ、都合の悪い本は焚書、都合の悪いブログやWebは閉鎖、安楽死法案が通って障がい者や同性愛者、共産党支持者や人権派の人間も逮捕・拘束、強制収容所経由ガス室行き。政府が煽って在日外国人の店を襲い水晶の夜。こっそりブログやツィッターで不満を漏らそうものなら人民裁判所で死刑判決。どっかで聞いたことがあるなぁ、この暗澹たる風景。
……
この悪夢は言うまでもない、ナチスドイツのことだ。当時は完全に冗談で書いたんだけど、しかし、ヘイトスピーチを繰り返し、様々な勧告も無視する男が、都知事選で5位に入るという異常さ。大臣が自らの裁量で放送局に電波停止できると主張しちゃうような異常さ。「子どもたちを戦場に送るな」と主張する教師を密告しろという異常さ。ゲシュタポ、じゃない大分県警が野党支持者たちを監視カメラで見張る異常さ。
先ほど、コメントを下さった方への返事を書こうとして過去記事をいくつか見ていたら、目に止まった記事だけど、冗談がここまで現実になっていることに恐怖すら感じる。

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