昨夜は某所で鈴木雅明のバッハコレギウムジャパンによるレクチャーコンサートでした。すごく面白かったです。来年の宗教改革500周年に合わせて、ルターからバッハへというシリーズの演奏会をしているそうですが、鈴木雅明がバッハのカンタータ78番の細かい説明をして、バスのパートだけとか、合唱のソプラノだけとか、弦楽の高音部分だけとかを、個別に演奏させながら、コメントをつけていき、いかにバッハのカンタータの中にコラール(賛美歌)が埋め込まれ、歌詞の中の死とか悪魔とか地獄とか魂の苦悩という負のイメージの言葉から力強くとか心地よいとか、我が逃れ場という肯定的な歌詞の言葉に合わせて音型が変わるかを解説していきます。
何しろ、この78番のカンタータは、僕にとってもものすごく思い出の曲で、1985年、バッハ生誕300年の時にFMでバッハのカンタータなるものを初めて聞いたのがこの曲でした。FMをつけたら、この曲の第二曲のソプラノとアルトの二重アリアが聞こえ、あっという間に参ってしまって、曲名を確認してからレコードを買いに走ったのでありました。
で、聞いてみたら第一曲からものすごい名曲だし、一緒に買ってきた106番のカンタータにも参ってしまって、そんなこんなで、今に至っています。
指揮者の鈴木雅明も最初に指揮したバッハのカンタータがこの曲だったそうです。カンタータって教会カンタータだけでも200曲近くあって、この78番は、その中でも5本の指に入るぐらいの代表的な名曲なんですが、なんとなくキリスト教の音楽というイメージが先行して、日本ではあまり聞かれることがないような気がします。
そういえば、友川カズキのライブの後の飲み会で、
すでに書いたように、僕の iPod にはバッハと友川カズキしか入ってません、と言ったら、友川さんは、私もバッハは好きです、と言って、カザルスの無伴奏チェロソナタをよく聞いているとのことでしたが、でも宗教関係はダメだなぁ、とも付け加えていました。今なら、それにすぐに反応して、いやいや、抹香臭いかもしれないけど、信仰心を度外視して聞けばカンタータなんか名曲揃いですよ、と言ってあげられるのになぁ。次にお会いする機会があれば、ぜひ、そう言ってみたいです。

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