昨日のJスポーツの解説でも栗村さんが繰り返していましたが、やはり一番印象的だったのはレース中ではなく、ゴール直後のヘイマンの表情ではないでしょうか? 途方にくれたような顔、嬉しいというより、むしろ悲しげな、理不尽な目にあって今まさに泣き出さんばかりの子供、というような表情で、栗村さんの表現を借りれば、「人間ってこんな風になっちゃうんですね」という、なんとも不思議な表情と反応でした。
さて、マルティンは途中まで一人で3人分ぐらい引きまくってましたが、ちぎれてからは一気に遅れたようで、14分半近い遅れの76位ゴールでした。しかし、やるべきことはやったようで、満足げです。
……
最後にハンマーを持った男が私を待っていたとはいえ、この初のルーベに本当に満足している。本当にすごいレースだった。そこで私は意図したわけではなかったのだが、決定的な動きをもたらしてしまった。ゴール前約100キロほどのところのセクターで、私の感覚では、それほど本気で引いたわけではなかったのだが、前を引いていた。すると集団が割れて、ペテル・サガンとファビアン・カンチェラーラは第二集団に残ってしまった。そこで私たちの監督はスピードを上げるよう指示してきた。私はさらに数キロほど前を引き、こうして私たちはサガンと、気の毒なことにさらに落車までしたカンチェラーラを引き離した。これでトムに最後を託したのだ。
私の方はいつの間にか、実際の予告無しに、ハンマーを持った男にノックアウトされた。何人かの選手から聞いてはいた。もし力が尽きたら、石から石へジャンプするような気持ちになるということを。そしてまさしくそういう気持ちだった。無論レースを完走することにこだわった。雰囲気は素晴らしく、それ以外にも私の家族や彼女もスタジアムに来ていた。
私のチームメイトも監督と同様に私の働きに満足してくれた。トムは素晴らしいレースをして2位になった。私も落車せずに走りきった。とにもかくにも、素晴らしい日だった。いずれにせよ、私がパリ〜ルーベを走るのは、これで最後ではないということは言っていいだろう。
……
ハンマーを持った男。石畳の形容としてはちょっと奇異に聞こえますが、石畳では、スピードが落ちると振動が激しくなり、スピードを保って走れば、石の頂点を滑るように走れる、とよく言われます。実は、私も昔ドイツのとある町の下り石畳を走ったことがあります。まあ、偉そうに言うほどのものではなく、無論ツーリングですが。その時は下りなので、そこそこのスピードで走ったけど、すごい振動で、ボトルが吹っ飛んでどこかへ行ってしまいました。

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