80ページ足らずのブックレットだけど、政治なんて関心がない、選挙なんか行かない、という人にこそ、是非読んで欲しい。
ここに書かれている「消費者民主主義」という現状の分析はその通りだと思う。つまり、政治家は政治サービスの提供者で、われわれ主権者はその消費者。だから気に入らなければ「買わない」=「選挙に行かない」というわけだ。そして「選挙に行かない」ということが賢い消費者だという勘違い。
あとはどうやって、無関心な人々にこの本を読んでもらうかだろう。そして、それが一番難しい。想田和弘も、町中の無数のゴミを拾うという比喩で、自分がこのような文章を書くことを「たったひとつのゴミでも、それを拾えば、その分はきれいになる」し、自分の「行為に触発されて、多くの人がゴミを拾い始めれば、町はかなりきれいになると思う」と書くんだけど、悲観的な言い方をすれば、こういう本はすでにゴミを拾っている人たちしか読まないのではないか。
それから、もう一つ、読んでいて感じたのは、昔の自民党と現在の自民党とは全く違うものだということだ。昔は自民党の中にもハト派がたくさんいたし、前にも書いたかもしれないけど、宮沢喜一首相なんか、TVの前で私は護憲派ですと、堂々と言っていた。ほかにも歴代の首相にはそういう人が結構いたと思う。そして、そういう自民党の議員もたくさんいた。だけど、今の自民党は、その改憲案を見ればわかる通り、民主主義の世界基準から見れば、全体主義を指向する明らかなファシズム政党である。

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