3Dプリンターで拳銃を製造した男が逮捕された。この男が27歳にもなるのに、こんな小学生みたいな幼稚な世界観を持っていることに呆れた。と同時に、いまの世の中って、この男と同じように考えている人が結構いるのかもしれないと空恐ろしくなった。そういう人たちって、以前拙ブログに書いた差別意識に凝り固まった連中と同じで、説得するとか、議論するというレベルにも達していないんだろうと思う。
くだんの男はこう言っているそうだ。「銃を持つことは基本的人権」「銃のない世界は、正しい人ではなく、体力の勝る悪人が幅を利かせる」
これ、いちいち反論すべき? もう、大の大人が「正しい人」と「悪人」とか言ってるんだよ。とうぜんご自分は「正しい人」なんだろうな。で、「悪人」っていうのはどの人のことなんだろう? 職場で気に入らない上司のこと? それともいわゆる暴力団? ひょっとして生活保護費不正受給者か?
呆れるしかないよ。銃が解禁になったら貧乏な「正しい人」は安物の銃で、金持ちの「悪人」はマシンガンを持つよ。しかも、この男、なんだか知らないけど、「警察に捜査されるリスクがあるが、意味のある行為」だとヒロイズムに酔っているらしい。これって小学生レベルのヒロイズムだよ、それも低学年の。
拙ブログでは何度も書いてきたように、この世の中には普通の人しかいないんだよ。小学生を8人も殺して死刑になった男がいた。でもあの男にはそうならざるを得なかった事情があったんだ。こういう風に書くと、自分勝手な事情で殺された子どものことを考えないのか!と、揚げ足取りしてくる人もいるだろうね。
ただね、生まれついての悪党なんているわけないじゃないの。そう思わない? 普通の人が、ひょんな拍子に悪いことをしたりするわけだよ。ひょんな拍子に。すでに明治の時代に漱石が「こころ」のなかで、先生をして「普通の人が悪いことをするから、人間は恐ろしいのです」と言わせている。
水戸黄門じゃないんだよ、ガッチャマンとギャラクター、仮面ライダーとショッカーじゃないんだよ。一昔前のハリウッドの戦争映画のナチスじゃないんだよ。みんな普通の人なんだよ。うーん、よくよく考えて見ると、こんな当たり前のこと、書くのも恥ずかしいね。でも、最近の社会の風潮を見ていると、これが当たり前じゃなくなっているような気がしてしょうがないんだな。

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