長崎家族旅行、むろん定番コースは色々回ったんですが、最後の最後にトートツに遠藤周作文学館なんていう真新しい記念館へも寄ってみました。とてもロケーションの良いところでした。
以前書いたように、遠藤周作は学生時代好きな作家でした。母親がクリスチャンだったこともあり、キリスト教作家に興味があったのでしょう。最初はもちろん転びバテレンの「沈黙」でした。長崎ゆかりのコルベ神父の逸話に基づいて現代とアウシュヴィッツをつなぐ「死海のほとり」や、キリシタン大名の小西行長の面従腹背ぶりを書いた「鉄の十字架」、サドの研究に行きながら、西欧のキリスト教に挫折する?「留学」とか、秀吉の朝鮮出兵により朝鮮半島から拉致された女性を描いた「ユリアという女」とか、細かい内容はほとんど忘れてしまったけど、読んでいる頃は結構影響されたかもしれません。さらには読まずもがなの 笑)「イエスの生涯」や「キリストの誕生」なんかまで手を出し、そこから田川健三の「イエスという男」まで手を伸ばし。。。20代前半は一番キリスト教に接近していた時代ですね。ちなみにこの田川健三という人はものすごい人で、この「イエスという男」は初出からすでに30年ぐらい経っていると思うけど、まだ手に入ります。それぐらい衝撃的なイエス論です。聖書の内容を知っている人なら、ものすごくおもしろく読めると思いますが、正統的な信仰心の篤い人は腹を立てるかもしれません。
さて、遠藤周作文学館は、まあ、正直に言って期待はずれ。去年できたばかりだそうで、まだ展示物が少ないし、長崎だけあってキリシタンものに偏っているのはしかたがないのでしょう。平日の昼頃でしたが、館内にはぼく以外に地元のおじいさんとおぼしき男性が一人だけでした。でも、また読みたくなりましたね。
読んでみたいといえば、数日前にNHKでやっていた向田邦子の話で、これまた昔「あうん」とか「阿修羅のごとく」のTVドラマに夢中になった記憶を呼び起こされて、無性に読んでみたくなりました。いのち短し、読書せよ、だね。

にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト