3級程度の山ならカンチェラーラとマルティンはやっぱりパワーで登って言っちゃうんですね。たしかに頂上はポッツォヴィーヴォがトップだったようですが、下りになればやっぱりでっかいエンジンがものをいったようです。しかし、ニバリがこんなにTT速くなるとはねぇ。来年のツールの総合はニバリ対フルームになりそうですね。
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第一ラウンドはカンチェラーラの勝ちだった。残念だが今日はわたしは勝利に手が届かなかった。しかし大切なのは世界選手権である。誠実に思い直しても、わたしにミスはなかった。今日のTTはわたしとしてはうまく走れた。走っている間も体調も含めてとても良いと感じていた。たしかにもう少し力を出せたんじゃないか、とか、カーブをもっと速く走れたんじゃないかと、あとから不満に思うのはよくあることだ。だが、そういうことを今日はわたしは考えるつもりはない。わたしはペダルを常に強く踏み、自分が調子が良いと感じ、山でもスペシャリストに遜色がないタイムだったのだ。
いずれにせよ、わたしのワット数はグランツールでのTTとしては最高だった。わたしは自分にできる限りのことをしたのだから満足なのである。今日のコースは山岳スペシャリスト向きともTTスペシャリスト向きとも言えた。
最初の中間計測でカンチェラーラよりわたしが前なのを見た後、わたしはすでにドーピングコントロールへ向かった。ところが突然ファビアンの方がタイムがよいと聞かされた。とても混乱した。すると最初に表示されたタイムが間違っていたと言われた。世の中、なにがおこるか分かったものではない。
今日わたしが勝てば、勝利をチームメイトのケヴィン・デ・ヴェルトに捧げるつもりだった。彼はきょうひどい落車をしたのだ。風が強く、下っている時に前輪を取られたのである。左の頸骨を骨折し、膝蓋骨の腱も切れてしまった。他にも右の鎖骨と頸骨も骨折した。こんなことを聞けば他のことなどどうでもよいと思うだろう。わたしもそれを聞いて2位のことなど忘れてしまった。こういう瞬間には、人生で本当に大切なのは何かを思い出させられる。聞いたところでは、頸骨骨折だが神経に影響の恐れはないという。いまは彼がちゃんと回復してくれることを願うばかりだ。
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頸骨骨折、パラリンピックの車椅子競技の選手にこの怪我の選手が多いんじゃないでしょうか。画家の星野富弘氏もそうです。
以前のブログでもご紹介しましたが、マルティンは子供のホスピスにチャリティで寄付したりしていますから、「人生で本当に大切なのは何か」ということを考えることも多いのでしょう。まあ、誰だって考えるでしょうけど、死を前にした子供と会えば、おのずとリアリティがちがうでしょうから。

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