連れ合いと三女を連れて「少年H」を見てきました。水谷豊が良い味出してます。空襲で焼け野原になった風景をバックに、アップで映った顔は、なんというか美しく哀しいシーンでした。
原作がすでにそうなんだけど、あちこちで、あの当時こんなこと言う奴いなかっただろうとか、父親の造形が、言うことなすこと、かなり理想化されずぎとか、軍事訓練の教官に佐々木蔵之介がやったような善い人はいなかっただろうとか、ケチはいろいろつけられるんでしょうけどね。ただ、個人的には私の母の実家も代々クリスチャンだったので(代々といっても隠れキリシタンの末裔ではありません 笑)、Hと同じ年の母とその兄弟たちも、この頃はこんな感じだったんだろうな、って見てました。
軍事訓練の教官といえば、Hを殴打しまくる原田泰造がやった教官が、戦後、共産党の演説に手を叩いているシーン、まさに当時の大人たちの豹変ぶりを表しているシーンでしょう。
ただ、
前にも書きましたが、逆に考えると、あんなごく普通の男が、役割を与えられると子供を殴り続けるような野蛮な人間になるということです。
そう考えると、普通の人がそんなふうに野蛮にならなくてすむ社会でなければならないってことが一番大切なことでしょう。そのためにはどんな社会がいいのか、改めて拙ブログの副題に書いたエピグラムを読み直してみて下さい


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