護憲派というか、反「憲法改悪」派にとって、さらに違う見方も含めて(これが創造力といわれるゆえん)、強力にバックアップしてくれる本。雰囲気や気分で改憲したがっている人達は一度是非読んでみると良い。
君が代不起立訴訟も、前に拙ブログでも書いたことがあるけど、結局強制されることが嫌なんだよね。だから、この本に、これはパワハラだという表現を見たときには思わず膝を打った。
ほかにも一票の格差の問題を、あまり考えたことのない視点から教えてくれるし、裁判員制度をボランティアの強制と比べたり、生活保護の不正受給についても、不正があるからといって制度が不要であるというわけではないと一刀両断。生存権は、まさに生存のかかった権利であって、不当に死刑にされない権利に匹敵する重要な権利だと言う。
また、9条は、これまでもさまざまな解釈によって、ある意味で骨抜きにされているとも言えたのだが、もしこの9条を変えたら、これまでやられてきたさまざまな解釈という必要最小限度の説明責任すらしないということになる、というちょっと見方を変えた9条擁護。いずれにしても僕も強く共感したのはこんなところだ。
「憲法9条は、第二次大戦を直接経験した人々によって、大変な緊張感を伴い解釈され、論じられてきた。そうした解釈論や議論を、次の世代に受け継いでいくことは、我々の世代の義務だろう。公正で合理的なルールの創造を促す力、個人が尊重される平和な世界を創造する力は、失われてはならない財産である。我々は、憲法の創造力を受け継ぎ、育んでいかねばならない。」(224ページ)
正直に言って、法律は素人だから、各所に引用される判決文の読みづらさには辟易したが、説明はとてもわかりやすい。
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