今日までという
「ベアテの贈り物」と
「映画 日本国憲法」(こちらは24日まで)という映画を見てきました。前者は憲法14条の平等権と24条の男女同権の条文の作成者ベアテ・シロタさんのドキュメンタリー。後者はアメリカ人監督ユンカーマンによる、各国の著名人にインタビューしたもので、9条をめぐるもの。
いずれにしても、自民党をはじめ、いくつかの政党は96条を変えて、憲法を変えやすくしようと言っている。議員が改憲を発議して、国民投票に掛けやすくするっていう論法らしいけどね。そして国民投票で過半数の賛成があれば憲法改正がなるというんだけど、投票の過半数って具体的に投票者の過半数なのかね?それとも国民の過半数にあたる数なのかね? たとえば投票率が50%に満たない場合、有権者の25%以下の賛成で憲法が変えられるってことなのか? 投票率が地方選挙並みにもっと低ければ、投票権のない人も含めれば、日本人の10人に一人の賛成で変更可?? そうなれば日本は、それこそ前世紀の中南米の軍事独裁政権みたいなおぞましい国になるだろうね。
憲法はアメリカに押しつけられたのだという人がたくさんいる。でも、じつは上の「映画 日本国憲法」にもあったが、幣原内閣の時に日本側から憲法草案をいちどGHQに出しているんだそうだ。そしてあまりに明治憲法がそのまま残っていて、このままではアメリカもその他の国々も到底承服できないと拒否される。一方で民間の憲法研究会が憲法草案要綱というものを発表し、こちらはGHQ草案に大きく影響したことはすでによく知られた話だ。
ただ、押しつけかそうではないか、なんてどうでもいい話だ。もう70年近くもそれのおかげで日本人はアメリカの戦争に参加せずに済んだのだ。もし今の憲法がなければ朝鮮戦争やベトナム戦争に日本軍が参戦しなかったわけはない。以前から書いてるように、イラクだって戦闘地域へ行っただろう。武力によって国民を守るとか言っているけど、15年戦争末期になぜ沖縄が戦場になったかと言えば、そこに日本軍がいたからだ。そして日本軍が沖縄の国民を守るどころか自決を強要し、豪を追い出し、スパイ扱いして斬り殺した話はいくらでも伝わっている。そして、今も沖縄にあれだけ基地が集中している以上、戦争がもし万が一おきれば、まず狙われるだろう。
「映画 日本国憲法」を見ればわかるけど、世界中の心ある人々は日本の憲法9条は世界の理想なのだと語っている。世界に広めるべきだと。これをなくすことは東アジアの緊張を高めるだけだといっていた人もいた。
結局映画の中でも言われているけど、戦争体験者はまもなくこの世の中からいなくなるだろう。そうした体験者からリアルな話を聞き震えた世代(ぼくもこの世代だ)も、もうあとしばらくすればいなくなる。今の若い人達を見ていると、ほんとうに戦争のことを知らない人が多い。その気になればいくらでも経験者の話が本になっているのに、そういうのは読まず、威勢のいい話だけを聞きたがる人も多い。ホントに戦争を起こすんじゃないかと不安だよ。
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