惨憺たるミラノ〜サンレモ、最後の報告は拙ブログでたまに登場するジーモン・ゲシュケです。
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ぼくが3月のレースについてチームと話し合ったとき、イタリアの太陽のもと、春めいた気温のなかで行われる美しいレースを思い描いていた。いずれにしても、レースプログラムはすばらしかったけど、天気は期待したようには行かなかった。ティレノ〜アドリアティコで、ぼくらはすでに4回も雨に祟られ、この前の日曜のミラノ〜サンレモはスタート時点で2℃の雨、その後は0℃の雪になった。
でも嘆いてもしょうがない。それにティレノでの自分の成績は嘆くようなものではなかった。2回ステージで10位になれたし、これは十分自信になった。このステージレースの後、僕は絶好調に近づいたと良い気分だった。日曜のミラノ〜サンレモでは、だから良いレースができると思っていたし、ひょっとしたら去年の13位を上回れるかもしれないと期待していた。でもレースが始まって、スタート直後にびしょ濡れになり、しかもその後は雪になった。もう計画変更だ。自分の体温が下がっているのが分かったし、これで298キロの今シーズン最長のレースを完走できたら、こりゃあ奇跡だって考えたね。僕の手と足はまだむろん僕の体の一部だったけど、そうはとても思えなかったよ。そのうち、チームカーの監督がレースは117キロ地点で雪のために中断だと教えてくれた。そこでぼくらはチームバスで180キロ地点まで移動し、再びそこからスタートしなければならなかった。さすがにそこは海岸沿いだけあって、気温は4度で雪じゃなく雨が降っていた。SRMで、バスでどのぐらい距離を稼いだか調べてみた。ちょうど65キロ。僕のヘルメットからは水が滴り、いつの間にか目の前にツララが下がっていた。本当に震えながら走り続け、ただ前の選手の後輪だけに集中しようとした。そしてこんなひどい思いをしているのは僕だけじゃないのか、って考えていた。そのうち集団が分裂し、震えながら選手たちが後続集団でまとまった。気がつくと右も左もみんな真っ白だった。やめる選手も出た。だけど僕は最後まで走った。走りきるためにベストを尽くした。優勝者から5分以上遅れて、79位でゴール。全部で240キロ、ほぼ6時間の走行時間。そしてその間に暖かいと感じたことを一度としてなかった。でも正直に言うと、もうそんなことどうでも良かった。ただただ、終わったことがうれしかった。この日ほど自分の職業について考えたことはなかった。こんな条件下で普通にレースをした選手たちには拍手を送るよ。ぼくはレースにならなかったね。何人もの選手がこの土砂降りの寒さの中で勝負したんだからね。残念だけどぼくはそこに加われなかった。こんなサバイバルレースのあと、体調が悪くならなければいいけど。週末にはクリテリウム・アンテルナショナルがあるんだ。できればもっと良い天気でレースがしたいよ。
ジーモン
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しかし、なんだかんだ言って、ゲシュケは5分遅れ程度でゴールしたんですね。調子は良いんでしょう。ちなみに昨日紹介したフレーリンガーは9分以上遅れて84位でした。そうそう、一昨日紹介したヴェークマンは87位。ほぼフレーリンガーと一緒のゴールです。こんな日は一緒に走る選手がいないとやめたくなるだろうなぁ。リタイアは65人ですね。
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