この人のブログはときどき見ている。
前にも拙ブログですばらしいと思った記事を紹介したことがあった。
ただ、ボクは経済についてはまったく分からない人間なので、ケイジョウシュシとかいうものについて詳しく説明されても、馬の耳に念仏なんだけどね。それと、この本は今年の3月に出版されたもので、その後、小沢一郎は7月に民主党を離党し、「国民の生活が第一」の代表になっている。でも、この本で民主党が政権を取ってから、いかにして、何が理由で、何を目指して、政策が変化していったかがよくわかる。この数年の民主党の変節ぶりがよーく分かる。
特に選挙前にはNO田が「シロアリ(天下りのこと)退治なくして消費税の引き上げは許さない」と言ったのに対し、消費増税を決めるに当たり、シロアリ(役人の天下り)の話などまったくなくなってしまった。
消費税を上げる前にやるべき事があるはずなのだ。NO田も選挙前には「(自民党は)シロアリを退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか。消費税の税収が二十兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません」と実に適確なことを言っている。
結局、NO田は財務省に取り込まれたわけである。この財務省のやり方も、年金も10年ほど前には加入すると有利だという試算を公表して、年金保険料の支払いを促したのに、今度は今のままでは年金に加入すると大損になると言う試算を公表して、だから消費税が必要だと言い出す二枚舌。そこに属す官僚達(=シロアリ)の天下りとその天下り法人に対する国費(つまりぼくらの税金だ)の支出額が、なんと、12兆円以上。たしかにシロアリ駆除をしなければ、消費増税は許せるものではない。
この著者が述べる「日本を共生社会にすることを目指すのであれば、結果における格差是正を実行」すべきという主張には完全に賛成だ。現在の格差は、実際の人間の生産性の差を正しく反映しているものではないし、そもそも個人の能力と言ったところで、その土台になっているものも含めて、すべてをゼロからその「優れた」個人が生み出したわけではない。人間は一人で生きているわけではない、それぞれの関係のなかでしか生きていけない。
また、ここに詳述される小沢一郎を巡る裁判の異常さを見ると、この著者の巻き込まれた事件も、かなりの確率でえん罪なのではないかと思える。いずれにせよ、この著者の言うことは信用できる。
「われわれは、北欧のような福祉社会の実現を目指すべきだ。北欧のように、すべての国民が一定の豊かさを実感できる社会を構築することが、日本が豊かになったという証左になる。(。。。)いま野田内閣が勧めようとしている『シロアリ退治なき消費増税』を強行実施してゆくなら、日本が疲弊しきってしまうことは火を見るよりも明らかだ。負担は北欧並み、給付はアメリカ並みの悲惨な光景が広がることを避けなければならない。」(302ページ)
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