生活保護問題対策全国会議のブログに書かれていたことに基づいて、前回、前々回の補足をしたい。
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例の芸人騒動、最初に感じ、それを書いたけど、親子だろうが兄弟だろうが、やっぱり世帯が別なら(つまり同居していなければ)、道義的な批判はあっても、現在の法律では不正受給の問題なんかではないわけだ。そもそも今回の問題、ヨーロッパの各国(イギリス、北欧、フランスなど)では全く問題にならないものだそうだ。たとえば「イギリス人に説明しても何が問題なのかさえ理解できないであろう」ということだ。
馬鹿な厚生大臣は生活保護を申請するなら「親族が助けることが困難な理由を証明する義務」を課すなんて言ったらしいが、ほんとうになにを言っているんだろう??想像力ってもんを持ち合わせいるんだろうか?
現在の法律(生活保護法)では、親族が助ける義務が、生活保護を申請する前にやるべきことだなんてどこにも書いてない。むろん、親族が「真に富裕である」場合には、生活保護費用を徴収できるという特別な規定はあるが。
2005年から北九州で3年連続で生活保護をめぐって餓死事件が起きた。有名なのは「おにぎり食べたい」と書き残して餓死した52歳の男性だ。その時問題になったのは、役所の窓口で親族による扶養(=援助)の可能性がないことを証明しろと言って、生活保護を求めた人を追い返したとうことだった。これはむろん違法行為だ。それ以前にも、札幌では離婚した前夫の扶養意志の有無を文書で提出せよと言って3人の子供の母親を餓死させた事件もあった。
これらの事件についてはこの本に詳しかったと記憶している。
それはともかく、そうした餓死事件続発の結果なんだろうけど、2008年には窓口に対して、親族による援助が不可能であることが生活保護の前提条件だという説明は違法だからするな、という厚生省課長通知が出されている。
ちょっとリアルに思い浮かべれば誰だって分かるだろうけど、老いてから、子供に援助を求めることなんてできるかい?ましてや、上記のような離婚した前夫に援助を求めろなんて、人間としての想像力が完璧に欠けているとしか言えないだろう。
ただでさえ、窓口は上からできるだけ生活保護を申請させるなと言われているんだろう。だから、上記のような悲惨な餓死事件(餓死だよ?日本で餓死だよ?北朝鮮を笑うことなんか全くできないよ)が何度も起きているわけだ。そこへ、馬鹿な厚生大臣が言うような「親族が助けることが困難な理由を証明する義務」を課すなんてやってごらん??親族関係は確実に悪化するし、それを恐れて生活保護申請をあきらめる人が倍増するのは間違いない。
ただでさえ、生活保護利用率は日本では1.6%なんだそうだ。ドイツやイギリスはほとんど10%、これをさらに申請させないような制度改革をすれば、餓死、孤立死、自殺は間違いなく増える。
2006年に国際シンポジウムでドイツの元連邦副議長フォルマー氏は「その社会の質は、最も弱き人がどう扱われるかによって決定される」と述べたそうだ。よーくこの言葉かみしめてほしい。
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