ちょっと時期的に出遅れたけど、やっぱり書いておく。出遅れた原因は、くだんのお笑いタレントが全く知らない人だったので、どうにもとっかかりがなかったんだわ。ただね、腹立つニュースばかりでね。いちいち反応していたら、こちらの精神状態にも悪影響だよね。
誰かを悪者にして、人々の喝采を浴びる政治家。いつか自分にもそれが跳ね返ってくるかもしれないのに、自分も一緒になって快哉を叫びながら、悪者にされた人間を叩く国民。
ナチスの時代のドイツじゃないよ。おぞましいことに、今の日本の話だよ。
よく考えてみようよ。母親が生活保護を受けていたからといって、息子と別の生活を送っていたんだろう??別の世帯の話じゃん。なんでみんなでよってたかって叩くかなぁ??しかもこれを一番喜んでいるのは、不正だ不正が横行しているって言って、申請を厳しくすることにより給付金を削減できるって思っている国だよ。で、削減した金は何に使われるの?よーく考えてみようよね。それが国民に返ってくることは絶対にないよ。ほんと、おめでたい、って思うね。どうかしてるよ。
不正受給者の問題よりも、不正申請拒否のほうがずっと問題だよ。ずるしている奴がいるからというけど、よーく考えてご覧よ。そもそも申請主義だから、申請がなければ役所から申請して下さいということはまずほとんどない。あったとしたら、それはその役人が立派な人だったってコトで、制度的にそういう風になっているんだよ。知らなければ申請できないところへ持ってきて、これだけ不正受給なんていう言葉が出回れば、申請できなくなってしまう気弱な人だってたくさんいる。ただでさえ、この国では生活保護申請って国民の権利なのに、恥ずかしいことのように言う人が多い。そして役所の窓口も、上からそういう申請を軽々しく受け取るなと言われている。だから、本来受給資格があったのに餓死した人が何人も出ているんだよ。毎年3万人以上の自殺者がもう十何年も続いているけど、その中にだって生活保護申請をすれば死なずに済んだ人がたくさんいるはず。こっちのほうがずるよりずっと問題じゃない??
ほんと、みんな馬鹿じゃないの??
このニュースと関連づけながら、右にもリンクが張ってある「マガジン9:
http://www.magazine9.jp/」の雨宮処凛さんの話を読んで下さい。
札幌姉妹「孤立死」事件へ雨宮さんの話題はもうほんとうに涙が出る話だ。特に知的障害があったという凍死した妹さんの笑顔の写真を見ると、もう頭がどうかなりそうなぐらい辛い。しかし、担当した窓口の役人だって、上から言われて、給付を何とか少なくしろと命令されていたんだろう。個人の問題ではない。もうこの国のシステムがおかしいのだ。
もう一度確認しておきたい。こういう生活保護を受けられるはずだったのに、不当に申請を拒否された人と、上記のお笑い芸人の(あえて100歩ゆずって言うけど)「不正な」受給を並べるような考え方は切り口がおかしいし、そういう風に見せたいのは責任逃れをしたい連中の言いぐさだ。今回のお笑い芸人の騒動と雨宮さんが書いている事件とどちらが大切なんだろうって考えてもらいたい。
テロリストが隠れているから一般人もろとも空爆してしまえ(=不正な受給者がいるから、本当に困っている人も含めて給付しないように努力しよう)という権力を持つ人たちの言葉に、明日にも空爆されるかもしれない国民が一緒になって爆撃しろ!っていうグロテスクさ! もういい加減にしません??
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