大きな逃げ集団にネルツが混じってるというので楽しみにしてたんだけど、途中で下がってニバリのアシストしてましたね。ちぎれたわけではないのは、ステージ順位がほとんど遅れていないことからもわかります。しかしフレーリンガーの方はだいぶ遅れてしまいました。
というわけで、唐突に好きな曲の話。バッハの平均律クラヴィア第一部の10番のプレリュード。かなりマニアックですね。
この平均律クラヴィアってのは全部聞くと3時間以上かかるんじゃないかと思うんだけど、実はよく聞くと名曲の宝庫です。むかし孤島の音楽っていって、もし無人島へ一曲だけレコードを持って行けたらなににする?っていう話題が雑誌などでテーマになってました。レコードだけ持っていってもプレーヤーが必要だし、プレーヤーがあっても電源がないだろうっていう突っ込みはおいといて、ぼく個人はコロコロ変わったけど、今はこの平均律全曲かなぁ。。。チェンバロで演奏したものもあるけど、ぼくはピアノが好みです。
ピアニストもいろんな人が弾いてますが、たぶん一番人気はカナダの変人グレン・グールドでしょう。このグールドという人はもう30年も前に亡くなってるんですが、グールド以前とグールド以後という言い方をされるほど、バッハの演奏を徹底的に変えてしまった人で、まあ、ここでぼくが説明する必要もない人です。ネットで検索すれば、それこそ無数のグールド礼賛や変人ぶりを紹介する言葉が見つかることでしょう。いまだに
「彼のやり方」で彼を越えるピアニストは出てこないので、この後も出てこないと思われます。
でも、この
10番のプレリュードに限ると、すべての音が一つ一つ粒だつようなグールドとは正反対の印象のスビャトスラフ・リヒテルのが一番好きです。いや、CDになっているような演奏はどれだってすごいのは言うまでもないんですけどね。
テンポが揺れるバレンボイムのロマンチックなのもいいしね。ロマンチックがいいならホルショフスキーなんていうのも。古ければロマンチックかというと、これが1930年代のエドウィン・フィッシャーなんてのはそれほどテンポも動かず、スピーディーです。YouTubeにもいろんな演奏家でたくさんこの曲がアップされてます。グールドに負けない変人グルダなんかになると、勝手に装飾音をいれるなぁっつう感じはありますが。。。
左手と右手のバランスを見ると、おおむね左右のバランスが取れているのに対して、アシュケナージは左手の音が少しこもったみたいな感じです。最近のシュタットフェルトもいいです。たぶんこのシュタットフェルトが現在一番バランスが取れてるのかなぁ。まあ、いちいち上げるまでもなく、金とって聞かせるほどの演奏ですから、どれだってすばらしいのは当たり前です。
さて、そんななかで、この曲、なぜリヒテルが好きかというと、ちょうど中間あたりでプレストになるところの感じがいいんです。みんな比較的さらりとスピードアップする感じで、なかにはホルショフスキーみたいにタメをつくったりするのもあるけど、そんななかでこのリヒテルは最初からきらきらした感じて始まり、このプレストに変わるところでは、なんかガラスがパアンて砕け散ったみたいな印象があります。よく聞くと、ちょっとけっつまずいたみたいな、頭の中のプレストの速さに対して指がついて行ってないみたいな一瞬があるような気もしますが、それでもこの感じがどうにも好きなんですね。YouTubeにグールドとリヒテル、両方ありますね。関心のある方は聞き比べてみてください。
まずグールド。いつものように歌声入りです。
つづいてリヒテル。こちらはプレリュードだけでなく続くフーガも入ってます。
テンポもまったく違いますね。こうしてテンポや音の粒だち具合、左右のバランスなんてところと、このプレストに変化するところなんかを聞き比べると、けっこう演奏家の個性が見えてきます。
今回はちょっとマニアックな、素人がちょっと背伸びしただけかもしれないお話でした。
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