昨日書いたように、夕方、西東京市であった脱原発デモに参加してきました。100人ぐらいでしたかね。まあこんなモンなんでしょうね。ただ、なにかしないことには何も変わらないでしょうからね。

途中、「原発は必要なんだよ!」と聞こえよがしに言う老人なんかともすれ違いましたが、道を隔てた向こう側でこちらをじっと見ていたタンクトップにサンダル履きのショートカットの青年が、信号の変わり目に、ごく自然にこちら側にスッと入ってきて一緒に歩いていくのを見たときは、ちょっと感動しましたね。あの年代のころのぼくにできたかなぁ。。。
あ、さて、少し前の話ですが、radsportnews.com にウルリッヒのインタビューが掲載されていました。少し前に鬱気味だと言われていましたが、だいぶ回復したようです。結構面白いので紹介します。
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rsn:
少し前からツールが始まってます。レースを見てますか?ひょっとしてホームトレーナーにまたがっていたりして。ウルリッヒ:(笑い)うん、またツールを見ているよ。特に最後の30分は見てる。レースがまた楽しくなってきたよ。でもさすがにホームトレーナーに乗りながら見たりはしてないよ。ソファに座って息子と一緒にのんびり見てる。
rsn:
自転車競技はあなたの生活の中で何番目ぐらいの位置を占めていますか?ウルリッヒ:ここ何年かよりもずっと大きなウエイトを占めているね。ぼくはまた少し走り始めてる。ひとつには減量のために、そして単純に気持ちが良いから。自転車って身体にも精神にも良いし、他のことに集中するためにも役立っている。自転車はぼくの人生だった。ぼくの友人たちも、自転車の世界の人たちばかりだし、そのうちの幾人かはまだレースをしている。このスポーツはこれからもずっとぼくの人生の中で大きなウエイトを占めていくことだろう。
rsn:
でも、きっと天気の良い日だけトレーニングしているんでしょう?ウルリッヒ:ぼくは以前と同じように規則正しくやろうと思っているんだ。トレーニングの量は200キロは走らないよ。でも100キロぐらいは走ってる。だいたい週に5回やろうと思っている。むろん雨が降っていないことは大切だ(笑い)。でも一週間ずっと雨ならむろん走るよ。
rsn:
あなたにとって自転車に乗るのは以前よりも楽しいのですね?プレッシャーもないし、たのしいわけですね。ウルリッヒ:それは間違いないね。ぼくは楽しいと思っている自分に気づくもの。得にはスポーツはバランスを取るために必要なんだ。いまはちょっとカフェによって食べたり、コーヒーを飲んだりできるしね。湖畔の景色が気に入れば、自転車を止めて自然を楽しむこともできる。こういうことは昔に比べて本当に楽しいよ。
rsn:
かつての同僚アンドレアス・クレーデンとロードを走ることは?ウルリッヒ:うん。僕たちはこの冬しばしば一緒に走ったよ。でもシーズン中は時間的に無理だね。それに彼と一緒の課題をこなすことはできないよ。大抵最初の100キロだけ一緒に走るんだ。アンディはいつでもぼくにとても優しいからね(笑い)。ぼくに走れるのは最初の2時間だけさ。忘れないで欲しいのは、ぼくはもう5年前にこの職業から足を洗ったんだってことさ。4年間、ぼくは何もしなかったんだ。でも、この9ヶ月ほどトレーニングしたおかげで、ぼくの状態は再びとても良くなった。クレーディーのほうは、まだプロレーサーだしね。。。
rsn:
。。。それにまだ上位を走ってます。ツールを見ていて、そしてあなたの友人がよい走りを見せていて、すこし嫉妬することはないですか?ウルリッヒ:いや、友人がよい走りをしているのをいるのは楽しいよ。彼もいろいろ不愉快なことがあっただろうしね。いま、彼には邪念がないと思うよ。へんな色気からも解放されていると思う。ぼくの家のそばに住んでいるトニー・マルティンもそうだ。若い人ががんばっているのを見るのはうれしいよ。ドイツの自転車界が盛況になることはぼくにとって、とってもうれしいことだよ。
rsn:
トニー・マルティンの才能をどう見てますか?彼はあなたの後継者になれると思いますか?ウルリッヒ:「後継者」とは思わない。でもトニーの成績には注目している。彼はほんとうに感じの良い若者だ。彼はよい成績を上げているし、能力を発揮している。彼の能力の発展はとてもすばらしい。でももちろんツールに勝てるようになるかは、そりゃあわからないよ。
rsn:
今年のツールは誰が勝つでしょう?ウルリッヒ、今年はとても緊張感あるものになるだろうね。コンタドール以外にもたくさん良い選手がいる。シュレック兄弟やエヴァンス、バッソも優勝候補だと思う。実際たくさん良い選手がいるよ。アンドレアス・クレーデンも優勝候補に入れられるだろうね。予想は難しいね。
rsn:
でもコンタドールはすでにちょっと遅れていますが?ウルリッヒ:ツールではなんだってありえる。誰かがこければ総合順位もごちゃごちゃになるだろう。今は本当に激しいレースが続いているから、まだまだいろんな事が起こるだろうね。まだなにも決まってないよ。
rsn:
目下国際スポーツ法廷 CASで審議されているけど、コンタドールを巡る訴訟のいざこざにどのような関心を?ウルリッヒ:あまり興味はない。彼の場合まだ11ヶ月前からじゃないか。
rsn:
あなたの場合の最終的な判断も5年間も待たされているということを言いたいと。。。ウルリッヒ:。。。そう、悲しいことだけどね。言えるのはこれだけだね。すこしでも速く終わればと思うよ。コンタドールの場合はたぶんすぐに結論が出るだろう、少なくともぼくはそう思っている。こんなに【ぼくのように】長く待たなければならないのは珍しいことだよ。いつか結論が出ればいいけどね。ぼくとしてはアルベルトが無実だと思っているよ。無罪判決が出れば、彼は現在最高の選手だろうし、どのレースだって走れるわけだからね。むろん有罪となれば、彼はもちろん出場停止を甘んじて受けなくてはならない。公正という点で、判決前はいつだって推定無罪じゃなければならない。いずれにしても判決が延び延びになるのは誰にとってもよくない。ぼくのケースがまさにそれだ。ぼくは、もう自転車レースに出るつもりはない。訴訟手続きで速く結論が出るのは当事者すべてにとって一番良いことだ。
rsn:
現在、ドイツにはたくさんの若い有能な選手がいます。たとえば、ジョーン・デーゲンコルプやマルセル・キッテル、それにドミニク・ネルツと。彼らが自転車競技に興味を持ったのはあなたの活躍のせいです。それについて誇りに思いますか?ウルリッヒ:それはむろんとっても誇らしい気持ちだけど、【ぼくだけでなく、】ぼくらの世代が活躍して、それが若い人たちに自転車競技をやろうという気持ちにさせたんだよ。今はその果実がなったということさ。一面において、それは誇らしいけど、他面において、こうした若い才能にはチームが必要だ。ドイツにはそれがあまりに少ない。イエンス・ヘップナーのような人が何かしてくれるといいけど。彼は信頼できるし、チーム・ネット・アップで若い選手たちにチャンスを与えている。若い才能には、その才能を伸ばしてくれるチームが必要なんだ。
rsn:
ドイツの自転車界の状況を見ると、若い選手たちにプロになるよう勧める気になれないのでは?ウルリッヒ:今はドイツ自転車界にとって変革の時だと思う。たしかに状況はほんとうにひどい。メディアのせいで自転車競技はおちぶれてしまった。でもまたゆっくりと良くなっていくと信じている。若い才能も出てきているしね。小さなチームががんばっているよ。ショックは相変わらず深く根付いたままだし、スポンサーも金を出したがらないけど、でもいずれまた良くなっていくと思う。どんな傷も時間が癒してくれるんだからね。
rsn:
もしかして、ヤン・ウルリッヒの後継者チームができることがあるのでしょうか?ウルリッヒ:かもね。ぼくはいま再び職業として関わってみたい、たぶん行うことができると思う。若い選手たちにチャンスを与えられると想像するとうれしいね。でも実際の計画はまだなにもないよ。でもいまはまず【この宙ぶらりんの】現状をなんとかしなくちゃね。ここしばらくは自転車競技に対する大いなる愛情は愛憎相半ばしたものになっていたからね。でも少しずつだけど、この偉大なスポーツに対する愛情が大きくなっているんだ。
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ウルリッヒは5年間も係争中だし、他にもアンチ・ドーピングのフランケ博士(だっけ?)にも訴えられたりして、いくつか裁判沙汰になっているので、他の国の同様の疑いをもたれている選手たちに比べても、なかなか気の毒な状態です。
ただ、インタビューの端々から、アームストロングが言った「ウルリッヒはジェントルマンだ」という言葉を裏付けるような面が見られると思います。有能な若手の出現を自分一人のせいではなく他の選手たちも含めた活躍のせいだと言ったりしてるところなんか、なかなかに奥ゆかしいところであります。
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