拙ブログは基本的に自転車レースを中心としたブログです。読みに来てくださる方で障害者問題に関心を持っている方はあまりいないと思います。でも、いま起こっている事態は障害者の問題だけでなく、日本という国のシステムが今後どういう方向へ向かっていくのかを暗示している問題だとおもっています。ぜひ読んでください。
去る18日に衆議院本会議で、自立支援法一部「改正」法案が審議なく可決されてしまいました。この法案はこのブログでも取り上げましたが、5月に成立目前で廃案となったものでした。そして今またこの廃案になった法案とまったく同じ内容の法案がゾンビのように提出され、審議もなく可決されたのです。
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一週間ほど前の朝日新聞(2010/11/16)には「障害者の一律負担廃止法案が成立へ」という見出しとともに、それが喜ばしいことであるかのような記事が出ていましたが、この記事を書いた記者は間違いなく自分で当事者関係者に取材していません。役人の発表をそのまま書いただけです。この記事では「現行の原則1割から支払い能力に応じた割合に変えることを柱とする」と書かれていますが、
とんでもない大嘘です。記者も少しは自分で法案の文言を読めっていうの!!
自立支援法の問題点をもう一度明確にしておきます。つまり、本人の所得保障も生活保障の条件も満足にできていない状態で、あたかも障害は自己責任であるかのように(この言葉がブームだった当時、ホントにそう言った役人もいるそうです)、サービス(生きるために必要なことがサービスか??)にたいして一律1割の額を取るというシステムです。額がどうのではなく、この思想がおかしいのです。そして今回の改正案では、これまで明記されていなかった一割という言葉が入っています。どこが「支払い能力に応じた割合に変える」なのだ?しかもこの支払い能力は本人だけでなく家族の収入も対象にしています。つまり、
先日書いたように、家族が責任を負え!というシステムです。これでは「死」と書いた写真をばらまく不幸な母親が出てくるのは当たり前です。ふざけるな、と言いたい。
下の動画を是非みてください。今起こっている問題がよく分かる当事者の意見です。
なお、今後参議院本会議を通過すれば、この法案は成立します。民主党政権の誕生を喜んだのですが、冷や水を浴びせられている、と言うような生やさしい表現では、今の気持ちを言い表せません。やはり、
「革命は横領された」という言葉が一番ぴったりします。
追記(2010,11/22,7:25)-------
さっそくこのエントリーにコメントをくれた人がいたが、あまりに低俗で事情を理解しておらず、反論するにも値しない、それどころか、話して分かる相手ではないと判断して、拙ブログ初ですが、コメントを削除しました。あしからず。おそらく高校生かなんかでしょう。どうせもう拙ブログをのぞきに来ることはないでしょうし。
ただねぇ。こういうコメントをくれた人に思いを馳せると、やっぱりなんか言いようのない不満を抱え込んで、それを他人にぶつけることで発散させているんだろうなぁと思うわけで、こういうのってやっぱり個人の性格の問題ではなく、社会のありようが映し出されているんだろうなぁと思うわけ。ま、単純化しすぎかもしれないけどね。
障害者福祉の問題を自分に、あるいは自分の家族に明日にも起こる問題だと考えるだけの想像力を持たない人に、何か言っても無駄なのでしょう。コメントを書いた人も、将来、自分が、あるいは自分の子供が、あるいは親が障害を負うことはありえるでしょうに。だからこそ、福祉は国家の基礎でなければならないはずなんですよ。
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