あちこちのブログで、その愛想の良い露天商ぶりが話題になっているドミニク・レールス、ちょっと前ですが、
西部ドイツラジオ局(WDR)の記事になっています。長いので、ちょっとかいつまんで紹介します。
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24歳でプロキャリアを終わりにする自転車選手
プロ自転車競技の代わりに世界旅行
ドミニク・レールスは数年前にはドイツ自転車競技界で最も有望な選手の一人と見なされていた。しかし、彼はジロ・ディ・ロンバルディアで大舞台に立つのは最後になるかもしれない。24歳の彼は無職になりそうだ。
レールスは新しいチームに契約できるなら海外だって厭わないつもりだった。しかし、止むことのないドーピング問題で選手たちに対する評判も悪くなり、世界中でプロ選手のマーケットは小さくなってしまった。ワールドクラスはともかく、「歩兵」たちの就職口が減ってしまったのだ。レールスはまさにそうしたタイプの選手で、レース中はゲルデマンやヴェークマン、ツィオレクといったエース格の選手たちのためにボトルや食料を調達し、彼らの風よけになる役割だった。ちなみにこのエース各三人はとっくに次のチームとの契約を完了している。しかし、レールスにはそれがなかった。「マネージャーがいろいろ努力してくれたし、ぼく自身も見込みのありそうなところにE-Mailしてみた。でも駄目だったんだ。来年はプロのレースで走れないだろう。それをまずは認めなくてはならない。」
24歳で引退。これは自転車選手は通常20代後半にピークになるので、非常につらいことだ。特にレールスは数年前まではたいへんな有望株だったのだから。彼は18歳のときにドイツのジュニアチャンピオンになり、ジュニアの世界戦TTでも5位になった。21歳でミルラムと契約し、何人かの専門家は、彼の才能はヤン・ウルリッヒに匹敵するとすら語った。しかしこの2年、彼はその期待にこたえられなかった。「どうもうまく行かなかったね。期待されたもう一つ上のランクへの飛躍ができなかったってことさ」と自己を省みながら言っている。もしかしたら、彼はレースに出場しすぎだったということもあったかもしれない。他の選手が体調不良になると、すぐに彼に声がかかった。「そんなこと言っても無意味だね」と彼は言うが。。。
レールスは逃したチャンスをいつまでもくよくよと考えているタイプではない。まもなく東京のそばで行われるジャパンカップに向けて出発する。「楽しみだね。これまでもエキゾチックな国々でレースに出てきて、どれも楽しかったからね。」彼は東京から「新たな生活」への旅にでるつもりなのである。
「新たな生活」は自転車競技とはほとんど関係がない。レールスは、事故で引退した元自転車選手の友人と一緒に世界旅行をするつもりなのだ。「少なくとも3月まではアジア、ニュージーランド、オーストラリアを旅行するつもりだ。」三年間のプロ生活で彼には多少の蓄えができた。
日本から出発する世界旅行は、むろん彼の失意を多少なりとも慰めてくれるだろう。そして、数年間に渡るプロ自転車選手としてのストレスをリセットしてくれるかもしれない。最終的にレールスが考えているのは大学での勉強である。彼はすでに選手時代に通信制のハーゲン大学で心理学と法学の勉強をはじめていた。「今のところ、この先なにをはじめるかははっきり分からない。この旅行が新しい職業の見通しを決めるきっかけになると良いね。」
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こんな感じの記事なんですが、それに対する読者の署名入りコメントが、一般的なドイツ人の自転車競技に対する印象を表しています。たとえば「プロ選手はみんなドーピングしている」とか、「トップクラスは例外なくドーピングしている(このあと選手名まで出て、まことしやかな手口まで延々と)」とか。。。こんな世論じゃあ、選手たちはなかなか辛いよなぁ。スポンサーも逃げちゃうよね。むろんなかには「彼の今後に幸多かれと願う」なんて言う人もいるけどね。
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