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ミルラム クリスチャン・ヘンのインタビュー

2010.07.30.11:32

いつもの radsport-news.com にミルラムの監督クリスティアン・ヘンのインタビューが載っています。ちょっと長いです。

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  ツールが終わって4日経った。いくらか時間をおいてみて、あなたの評価は?
ヘン:レースとしての成果をいうならうまく走れた、そう言うべきだろうね。ツィオレクの2位とロバーツの5位がった。全部で3回、逃げのグループに加われた。でも残念ながらそれだけだ。

  チームとして、成果があがらなかった原因がどこにあったかの分析はしましたか?
H:いや、まだしていない。今後行うつもりだ。

  チームが弱かった理由について、あなたなりの意見は?
H:チームはシーズンの最初から期待を背負っていた。1月のオーストラリアのツール・ダウン・アンダーから、選手たちはハイレベルの走り方をしてきた。その後もクラシックがありジロがあった。スポンサーを得るためにも良い結果を出さなければならなかったから、そこで力を使ってしまった。ツールまでは今年の成績に満足できた。でもフランスでは選手たちはつぶれてしまったね。その前にかなり長い期間、ハイレベルで走らなければならなかったからね。チームとしての頂点は短いんだ。選手たちのポテンシャルもたしかに最高水準とは言えなかった。むろんそこに不運もつけ加わったね。ウチのチームにはクネースやヴェークマン、クルーゲやテルプストラにフレーリンガーも、病人や落車がたくさん出たから。

  ツールの戦略的な方向性はどう見ました?
H:ウチは攻撃的に走りたかった。総合順位は目標ではなかった。できるだけ逃げたかった。でもうまくいかなかった。選手にその足がなかったのに、あるいは逃げに乗ろうとして入れ込みすぎて空回りしたのに、どうしようもないだろう?いずれにせよ、うまくいかなかったんだ。しばしばアタックが10回もかかるような激しい逃げの争いに加わって、11回目に決まったりした。だけどウチの選手たちはその時にはもう疲れちゃってたんだ。

  ゲラルト・ツィオレクは山をうまく越えられましたね。でもスプリントでは良くなかった。この原因は?
H:最初に行っておきたいのは、彼はスプリントで一度2位になっているんだよ。彼は成績を残したんだ。ぼくはツィオレクは将来クラシックレーサーになるんじゃないかと予想している。今年、ぜひともフランドルでの彼を見たかったね。でも怪我して出られなかったからね。ラスト1000メートルについて言えば、ロジャー・クルーゲのリタイアが痛かったね。ウチにはゲラルトを最終段階で良い位置まで運べる選手がもういなかった。それにゲラルト自身も命知らずの無茶なスプリントを仕掛けるタイプではないからね。

  ツールへの準備の段階で失敗があったのでは?
H:だから言ったように、ウチのチームには春の段階ですでに好成績を期待できるエースが足りなかったんだ。ゲルデマンはスポンサーを見つけられるようにってジロを完走しなければならなかった。ヴェークマンとツィオレクは怪我で長く欠場していた。

  若い選手たちには、良い成績を挙げなければというプレッシャーが大きすぎたのでは?
H:もちろんプレッシャーはあった。でも大きすぎることはなかった。それに選手たちはそうしたプレッシャーに耐えられなくちゃならない。

  さえなかったのはツールの結果だけではありませんでしたね。チームマネージャーのヘリ・ファン・ヘルヴェンが、新しいスポンサーは見つからないと発表しなければなりませんでした。チームの雰囲気はどんなでしたか?
H:うーん、雰囲気はまあまあだったかな。ツールが始まってすぐに良い結果が出ていれば
もっと良くなったんだろうけどね。残念だけどそうならなかったからね。

  あなたは今年チームで新しい役につきました。ツールではそれはどうでしたか?
H:ラルフ・グラープシュとヘリ・ファン・ヘルヴェンがレースそのものの責任を負う体制だった。僕自身はアドヴァイザー的で、前面に出なかった。ラルフ・グラープシュが選手の割り振りを考え、僕自身はレースの分析をしてきた。ツールでは、僕の担当は専門的なこと、たとえば一日の進行などだった。【ちょっと意味不明、具体的にはレース中以外の生活面のこと、という意味でしょうか?】

  2年前、あなたはゲロルシュタイナーで、スポンサーの問題で今回と同様の状態を経験しました。比較は可能でしょうか?
H:ゲロルシュタイナーが撤退した後でも、まだミルラムというドイツの大きなチームがあるじゃないかと思っていた。ミルラムがドイツ人選手とスタッフを雇ってくれた。でもいまは事情が違う。ミルラムというチームをまとめて受け継いでくれるドイツのチームはないだろう。最高水準のチームがなくなってしまうのは、ドイツ自転車界にとっては大変残念なことだ。

  ファン・ヘルヴェンはまだスポンサー獲得に奔走してます。UCIにも20万ユーロの保証金を預けてます。希望はあると思いますか?
H:むろんチャンスはまだあるけど、9月までにスポンサーが見つかればね。ただし、その時点ではもう【未契約の】残っている選手は少ないだろうけど。選手を自由に選んで契約ってわけにはいかないね。ほとんどの契約は8月半ばには終わってるからね。

  ハンス・ミヒャエル・ホルツァー【かつてのゲロルシュタイナーのマネージャー】もヘリ・ファン・ヘルヴェンも、ドイツのチームを作るためにスポンサーを探し、失敗しました。それに対してビヤルネ・リースは短期間で二度も成功しています。これについてご意見は?
H:率直に言うけど、意見はないね。僕自身はスポンサー探しをしたことがないしね。だからこれにコメントはできない。でもドイツに再びトップ選手が在籍するドイツのチームができれば、きっとプロ自転車競技に対する人々の関心も一気に高まるんじゃないの?目下のところは打開策が見えないけどね。

  ドイツにプロツール・チームがなくなり、レースもどんどん少なくなっています。。。
H:そうだね、悪循環だよ。ドイツに大きなチームがなくなり、新しいレースもできない。ドイツで大きなレースがなくなり、ドイツのスポンサーも参入しない。もっと小さなチームにとってもドイツでの先行きがなくなってしまう。でも、ひょっとして近い将来にNetApp【現在コンチネンタルチーム】が出てくるかもね。ここなら財政的なポテンシャルは充分そうだからね。

  あなたの2011年はどうなります?
H:国内トップリーグのチームといくつかコンタクトを取っている。でもいまはなにも言えないな。来週になればなにか言えるかも。自転車レース関係以外では選択肢はないからね。言いチームと契約できればと思っている。

  ミルラムの選手たちはどうでしょう?
H:半数は新チームを見つけるだろうと思う。やめるのを決めたという話は聞いていない。僕自身も、選手たちの新チーム探しに、僕にできる限りで協力したいと思っている。
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クリスチャン・ヘンって、ソウル・オリンピックのときの銅メダルですね。10人弱の集団から2メートル近い大男のベルント・グレーネがアタックし、それにオラフ・ルートヴィヒが反応して二人で逃げ、後ろではヘンがアシスト。このグループにはアブドゥヤパロフもいたんだけど、ヘンがスプリントで3着になったのでした。当時はまだロードレースなんてきちんと放送してくれなかったから、あちこちのチャンネルでオリンピックニュースを探し、片っ端から録画して、ようやく一局だけ、この逃げる瞬間の映像を流しているのを見つけたのでした。

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プロフィール

アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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