最終ステージはやっぱり集団スプリントでしたが、ボーラのパスカル・アッカーマンが優勝でした。でも、ビデオで見る限り、カタパルト役のリュディガー・ゼーリヒのアシストが完璧でしたね。最後の右コーナーを内側からスピード上げて入ったことで、ゴール前でうまく先頭に出られました。あれだと、この面子なら先に仕掛けたスプリンターが勝ちますね。
今シーズンはスヘルデプレイスとパンヌ3日間で2位。惜しいところで勝ちを逃してきたので嬉しいことでしょう。バウハウスとかヴァルシャイトといったドイツの若手スプリンターを差し置いて、今シーズンは一番目立っていますかねぇ。
お手本のような発射台となり、自身もトップテン入りしたゼーリヒのコメントが rsn に載っていました。
「ジロの予行演習になったよ。昨日のクイーンステージはホントに苦しかったけど、今日はアッケス(=アッカーマン)にチャンスがあると思っていたんだ。彼にとっては最初のワールドツアー勝利だね。最後は計画通りだった。最後の二日ほど苦しんだのが無駄にならなくてよかった。いい気分でジロへ向かえるよ。」
というわけで、ジロではサム・ベネットの発射台ですね。ジロといえば、去年の第1ステージで、昔のイェレ・ネイダムやティエリー・マリーのような、ゴール前1キロからのアタック+逃げ切り優勝を果たしたルーカス・ペストルベルガー、今年は病気で欠場です。
一見ゴール前のアシストかと思われる動きから一転してアタックして逃げ切り、後ろでスプリンターたちを悔しがらせたあの姿をまた見たいものだと思っていたんですがねぇ。。。

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ネットのLiveStream、私の環境ではどうも止まりがちで今ひとつですが、ボーラのブーフマン、そこそこやってます。山岳TTで9位になったと思ったら、昨日のクイーンステージでも9位、総合も9位ですね。今日のジュネーヴへ向かうコースはハードさが足りないから、このままトップテン入りを果たして終わるんでしょうねぇ。。。
うーん、トップテンは素晴らしいけど、なにかもう一つ何か足りません。特に10キロほどで800メートル弱登る一昨日の山岳TTがひょっとしてもう少しやるのでは、と思っていたんだけどなぁ。本人も、「もう少し上位を狙っていた。まあ、トップ10の結果は悪くはない。総合でも順位を上げられたからね。でも。。。最初の何キロかは調子がいいと思ったんだけど、最後はスピードが落ちちゃったね。」
昨日のクイーンステージも、チームとしては最後の上りまで待たずに早めのアタックを狙っていたそうで、後方の追走集団の中では強かったようですがねぇ 苦笑)
マイカの調子が今ひとつ上がってこないし、ジロはフォルモロがエースになり、コンラートもジロに回ったようなので、このままツールが近づいてきて、ひょっとしてボーラの総合のエースにブーフマンの可能性もあるかもしれないけど、そうだとしても、何かパンチ力のようなものが一つ足りないよなぁ。

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前回ゲシュケでした。今回のレンナルト・ケムナとの間にニキアス・アルント編も出てたんですが、これはちょっと省略 笑)
ケムナと言われても知らん、という人の方が多いでしょうけど、拙ブログでは一押しのドイツ若手選手です。去年のU23は順位こそ2位でしたが、あのアタックには震えました。しかし、このインタビューはサービス精神が今ひとつ欠けてます 笑)
……
最初のレースは?
2008年の北部車連の選手権で、オッターであったレース。
最初の落車は?
最初のギアチェンジの時、つまり、僕のキャリアが始まって1秒後。
最初の賞金は?
もう思い出せない。
最初の勝利は?
ハノーヴァー近郊であったフリッツ・ヴィリッヒ・カップというレース。
最初のスポンサーは?
両親。
最初のチームは?
チーム・シュテルティング。
最初のプロレースは?
バイエルン一周。
最初の罰金は?
GPリュブリラントで。理由は今になってもわからない。
……
最後のGPリュブリラントはスイスのステージレースみたいですね。14年にはケムナが総合優勝してます。しかし罰金を取られながら、その理由が不明というもねぇ 笑)

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この人の名前は覚えておきたいです。ジロの最初のステージで、てっきりスプリンターのアシストで先頭に出てきたのかと思ったら、後ろが切れたところで猛然とアタック、そのまま約2キロを逃げ切って優勝しました。下のYouTubeだと2分10秒ぐらいからですね。
1989年、NHKのBSで初めて毎日ツール・ド・フランスのダイジェストが放映された時、多くの人はレモン対フィニョンの秒差を争う戦いに夢中になったことだと思います。僕ももちろんこの二人の優勝争いをハラハラしながら見ていたのですが、それ以外に記憶に残ったのがイェレ・ネイダムという選手でした。ゴール前数キロあたりでアタックして逃げ切るというタイプで、ピュアスプリンターたちを悔しがらせた選手でした。
その後、各チームの何人ものアシストがゴール前3キロぐらいからトレインを組むようになって、ゴール前の逃げを許さなくなって、なかなか勝利に恵まれなくなったのでした。だけど、今年のペストルベルガーのジロでの勝利は、ゴール前でトレインが逃げを許さなくなって、ここ何年も見なかったような勝ち方でした。
「あれは本当にびっくりの結果だったよ。特にその後の第二ステージはピンクのマイヨを着て走れたんだからね、一生忘れないよ。今シーズンは「満足」以上だよ。他にも幾つか上位に入れたし、世界戦では22位で、ジロの優勝が偶然ではなかったことを証明できたと思う。来シーズンは、前半はペテル【サガン】とクラシックに参戦して彼のアシストをする。でもチャンスがあれば、それをうまく生かしたいね。」
結局優勝したのはジロの第1ステージだけでしたけど、その後もゴール前で目立っていたし、ジロの第6ステージでも3位になったし、E3ハレルベケでは5位になってるし、去年までの無名ぶりから比べれば大進歩でしょう。ただ、ジロの勝利があまりに鮮烈だったからなぁ。ああいう勝ち方をまた期待しちゃいますね。

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うーん、プロ入り前は一番期待していたんだけど、プロ2年目の今年も名前がほとんど出ないまま、ケムナやポリットの方が先を行っている感が強いですねぇ。去年は病気や怪我が多くてまともにレースにも出られないような感じだったみたいだから、それに比べれば、まあ、良かったとは言えるのでしょうけど。
ただ、ワールドツアーレースで、もう少し目立って欲しかったところです。来シーズンは2年所属したボーラから、スペインの2部チームブルゴス・BHへ移籍です。ただ、このチームならステージレースでのエースを任される可能性があるし、まだ23歳、もう一度ステージレーサーとしてレベルアップにつなげることができるといいのですが。
「今年の総括は悪くないよ。良い水準でコンスタントに走れた。個人的な成績は全然ダメだったけどね。しょうがないよ。ワールドツアーレースの幾つかに出られたのは嬉しかったけど、やっぱりトップクラスと比べると、まだ何かが足りなかった。新チームではチャンスをできるだけうまく利用して、みんなをちょっと驚かしてやりたいね。チームを変えたことは、僕にとって、ステージレースでもう一度結果を求めて走れるようになるためのステップだよ。チームは僕を信頼してくれているし、僕としてもプレッシャーが強すぎずに走れるからね。」
プロ入り前は
LBLのU23でレースを作り、コースを間違えても2位になったり、U23の世界戦でも2年連続トップテン入りと、かなり強いと思われたのですが、ボーラでは全くパッとしなかったですからね。来年2部チーム、それもスペインという異国のチームで、果たして頭角を表すのか、それとも埋もれてしまうのか、ちょっと気にしておきたい選手です。

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いやはや、ちょっと忙しくて気がついたらもう12月もすでに5日じゃないの。というわけで、出場チームの選手数削減もいろいろ反応があるようですが、今日のところはシュテファン・キュングの話題。カンチェラーラの後を継ぐと言われるスイス人です。
ただ、2年目の今シーズンは
拙ブログでも紹介したように、トレーニングに入った途端に、自転車選手たちの間で蔓延しているファイファー病(キス病 苦笑)にかかって、大きく出遅れてしまいました。
3月末にレースに復帰し、パンヌ三日間で7位、ジロのTTでも7位、ステル・ZLMツールのプロローグでは3位だったんですが、その後、スイス選手権で落車して腕と骨盤と鎖骨を折ってしまいました。これからさらに調子を上げていこうというときですから、痛かったですね。
「呪われた一年だった。確かにクラシックは出場したけど、本調子とはほど遠かった。ジロでは良くなったけど、そのあともっと調子が上がるはずだったのに、落車で怪我して、3ヶ月のリハビリのあと、エネコ・ツアーと世界戦に出場した。これはあとから振り返れば、準備が完全ではなかっただけに、内容にはかなり満足できる。あの落車のあとだと思えば、よくここまで戻せたと思うよ。」
BMCで三年目のシーズンになり、2017年の目標を問われて、キュングは健康第一と言いながら、クラシックとツール・ド・スイス、それにツール・ド・フランスをあげています。
190センチ以上の体格だけに、グランツールの総合を狙うような選手にはなれないでしょうけど、ステージとTTで活躍すると思われます。去年、今年と落車で長期離脱して、まだ実力を完全にシーズン通して発揮することができてないんですが、個人的には現時点では今後一番期待できるドイツ語圏の若手選手ではないかと思っているところです。

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まあ、噂ではずっと出ていたし、マルティンが移籍するのも、そのせいだと言われていましたが、ついに、カチューシャがロシアのライセンスを放棄してスイスのライセンスで走るとともに、カチューシャ・アルペツィンになることが正式に発表されました。
というわけで話変わって、U23の個人TTはドイツが1位、2位、4位とTT王国の本領発揮。拙ブログでおなじみ、ヨーロッパチャンピオンになったレンナルト・ケムナは残念ながら4位でしたが、1位はマルコ・マティスという個抜きのドイツチャンピオンで、2位は去年も2位だったシャハマン。なお、去年の優勝者のデンマークのメッツ・ヴュルツ・シュミットは崩れて上位に食い込めませんでした。
優勝したマティスは二番目スタート、最初にゴールインした選手で、そのあと4時間、35度の蒸し暑い中を、暫定3位までの選手が座る椅子に座り続けていたそうですが、もともと個人TTに出場する予定ではなかったのに、ケムナがヨーロッパチャンピオンになったおかげで各国2名の枠とは別に出場資格ができたので、そのせいで出られたそうです。
来年はケムナはジャイアント、シャハマンはエティックスへ決まっているようですが、マティスはまだ未定だそうで、これでどこかのプロチームと契約するんでしょうか? 契約といえば、ネルツはどうなってるのかなぁ。このところ、何の情報も出てきません。

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フランス、ブルターニュ地方のプリュムレクで、ロードのヨーロッパ選手権というのが開かれています。ヨーロッパ選手権とは聞きなれないレースですが、去年までは男女共23歳以下とジュニアだけのレースだったようですが、今年からエリートの部も開催されるようです。
過去の優勝者を見たりしていると、2007年には17歳のミヒャウ・クヴィアトコフスキがジュニアで優勝したり、U23では2000年代初めにミヒャエル・アルバジーニやジョバンニ・ヴィスコンティが、最近だと、一昨年だとシュテファン・キュングが優勝してます。去年の優勝者は、サガンと一緒に来年はボーラで走るエリック・バシュカです。TTの方を見ると、なんと、キッテルがU23で優勝してますね。
そして昨日終わった今年のU23の部のTTは、来年からジャイアントへ行くレンナルト・ケムナが優勝。すでに3年前17歳でジュニアでこのタイトルを取っていて、U23でも取ったというのは、過去にいるのかなぁ。女子では連覇した選手なんかもいるようだけど、出場できるチャンスはそう何回もないからねぇ。
最終日が18日で、エリートのロードですが、サガンやギャロパンやジルベールなんかが優勝候補のようです。他にもコンタドールやアルが出るそうです。ドイツからも、拙ブログおなじみのゲシュケやフレーリンガー、それにブフマンやリック・ツァーベルなんかが出てくるようで、優勝すればヨーロッパチャンピオンジャージがもらえるようですが、ただ、このマイヨ、青地に黄色い星が斜めにいくつもあしらわれているんですが、あまり格好良くない 笑)

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うーん、ブエルタのボーラ・アルゴン18はなんとも困ったものであります 笑) もう少しやるだろうと思っていたヘアクロッツは、毎回大きく遅れて、現在総合では134位。まあね、トップテンに入るとは思ってなかったけど、30位以内、うまくすれば20位ぐらいにならないかな、と思っていたのにねぇ。
一方のラヴニール、レンナルト・ケムナは一瞬、ひょっとして上位もあるか、と思ったんですがねぇ。いや、こちらはちょくちょく上位に入っていて、最終ステージも16位になってますが、結局最終順位は30位。何よりも第6ステージで30分以上遅れたのがすべてでした。これがなければ、優勝争いもできたんだろうけどなぁ。TTで5位になって総合上位に上がった時は、ちょっと期待したんだけどねぇ。また、一時総合トップに出たAg2rのニコ・デンツも最終的には1時間以上遅れて54位。懐かしい名前だと思ったファン・ホーイドンクに至っては完走できませんでした。
ところでこのレースに出場していた日本人選手たちも全滅でした。うーん、何しろこのレース、U23と言いながら、コースはそのままツールのコースみたいなもので、最終ステージなんか、伝説のクロワ・ド・フェール峠の頂上ゴールですからねぇ。なかなか難しいですねぇ。。。
追記 2016,8,29,
大変ダァ、日本人選手全滅、って大嘘でした。リザルト見逃したみたいです。小野寺選手が完走してます。ごめんなさい。
http://blitzen.way-nifty.com/onodera/2016/08/tour-de-laven-7.html
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昨日紹介したU23の国別対抗ステージレース。ニコ・デンツが総合トップに立ったと言ったら、あっさりズタボロ。かなりハードな山岳ステージだったようですが、昨日までトップテンに三人いたドイツチーム、壊滅状態ですね 苦笑) デンツもケムナも30分以上遅れて、総合争いは終わりました 涙)

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ブエルタはすでにして総合争いに関しては期待が潰えました 笑) あとはどこかでボーラの選手が逃げてワンステージぐらい取らないかなぁ。密かに期待していたヘアクロッツも、まあ、ネオプロだし、当然といえば当然なんだけど、こんなもんかなぁ。。。
個人的には、いつの間にか終わっていたオリンピック 笑)、やっぱり今回もほとんど見ませんでした。リアルタイムで観たのは、自転車ロードレースと卓球の幾つかの試合と錦織の3位決定戦ぐらい。
あまりに露骨な自国選手のみの応援、他国の選手は日本選手の金メダルへの障害物にすぎないかのようなことまで言う放送には、正直に言ってうんざり。メダルを取った選手たちは、それぞれその国で英雄なのでしょうし、そうした選手たちのことや、その国のことがまるで報じられず、ただ日本の選手のことだけを持ち上げたり、残念がるだけの放送って、スポーツを愛国心高揚のための手段にしているだけ(無論放送している方としてはそういう意図はないんでしょうけど)、としか感じられない。
無論昔から、ある程度は自国中心的な放送になるのは当たり前のことなんでしょうけど、有名なベルリンオリンピックの「前畑がんばれ、前畑がんばれ、勝った、勝った、勝った」の連呼で有名になってしまった河西アナウンサーは、生涯この時の放送を恥じていた、と聞いたことがありますし、昔のスポーツ中継はもっと冷静だったように思うんですがね。ま、記憶違いかもしれないけど 笑)
とかなんとか偉そうに言いながらも、400メートルリレーなんかは、録画で見たんだけど、十分感動したんですけどね 苦笑)
というわけで、本題よりも前置きの方が長くなってしまいましたが、今日はブエルタの陰でコソコソと 笑)行われているツール・ド・ラヴニール、U23のステージレースとしては最高のレースですね。
日本からも選手が派遣されているようですが、今時珍しい国別対抗ステージレースです。
ここに拙ブログおなじみのシュテルティングのレンナルト・ケムナ(来年はジャイアントへ行くようです)が参戦中。現在8ステージ中の第5ステージが終わった時点で、拙ブログ初登場の22歳のAg2rのニコ・デンツが総合トップです。ケムナは第3ステージの個人TTで5位になったんですが、総合では現在2分22秒遅れの8位。
ドイツチームは調子が良く、これまた拙ブログ初登場のヤン・チェルノスターが2分10秒遅れで5位。ただ、個人的に気になるのは1分40秒遅れで2位につけているオランダのナータン・ファン・ホーイドンクという選手。ひょっとして80年前後に天才と呼ばれ、ツール・ド・フランドルでも2回勝っているし、89年の昭和記念公園であったスーパークリテリウムで優勝したエドヴィック・ファン・ホーイドンクの息子でしょうか?

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ドイツの公共放送ARDのHPでオラフ・ヤンゼンという人が書いている記事です。途中かなり冗長なので、適当にはしょってご紹介。
……
スプリンター、TTスペシャリスト、クラシックハンター。。。ドイツの自転車競技界では何人かの優れたタレントが生まれている。しかし、無論ステージレースの総合狙いの選手が欠けている。
ボーラ・アルゴン18がツールのメンバーを発表した時、ドミニク・ネルツの不在はまあ仕方がないかと思われた。現時点でのドイツでもっとも才能あるステージレーサーは今回チームから重視されなかったのである。かつてドイツでもっとも大きな期待を担っていた26歳のステージレーサーにとっては大きなショックであろう。
2015年にはボーラのネルツは総合順位で上位を狙って走った。しかし結局悲劇によって中断した。つまり彼は胃のトラブルで11ステージでリタイアしたのである。山岳ステージで特別な才能を持つオールラウンダーだった彼は、今年のドゥフィネでも途中リタイアせざるをえなかった。これはすでに彼はツールには選ばれないだろうということを予感させるものだった。
こうなってみると、2016年のツールで、ドイツの自転車ファンは、すでにして総合という面では自国の選手に期待することはほとんどできなくなった。確かに世界クラスのスプリンター、マルセル・キッテルやアンドレ・グライペル、クラシックハンターのジョン・デーゲンコルプやジーモン・ゲシュケ、あるいはクライマーのエマヌエル・ブフマンにステージ勝利の夢を託すことはできる。
ドイツの自転車競技界を眺めると、こうした傾向は来年以降も続くものだと思われる。スプリンターのドイツ人は今後も多数出てくると思われる。22歳のヴィリ・ヴィルヴォール、今年のU23のドイツチャンピオンのパスカル・アッカーマン、グライペルのトレーニング仲間で去年のU23ドイツチャッピオンのニールス・ポリット、春先にデーゲンコルプと一緒に大怪我を負った2014年のU23ドイツチャピオンのマックス・ヴァルシャイト、すでに幾つかの実績を残しているリック・ツァーベル。しかし、彼らはステージレーサーではない。
一方で全く違うタイプの選手としてエマヌエル・ブフマンに山岳での期待が集まる。ただ、彼もステージレーサーとして大成するかというのは、まだ現時点では疑問がある。むしろレンナルト・ケムナの方が期待は大きいかもしれない。19歳でU23世界戦のTTで3位になった資質は高い。またジルヴィオ・ヘアクロッツも将来性は高い。ひょっとしたら、彼は今年のブエルタに、ツールの痛手を克服しようとするドミニク・ネルツと一緒に出場するかもしれない。ネルツはブエルタでは過去総合14位と18位になっていて、相性はいいので楽しみではある。
……
と、まあ、拙ブログでは何度か名前を出したポリットやケムナやヘアクロッツの名前が出ています。ただ、ステージレーサーとしては、まだネルツがドイツで一番期待できる選手だということなんでしょうね。ケムナとヘアクロッツがこの後、どのぐらい伸びるか。。。

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チームシュテルティングのネオプロ、レンナルト・ケムナのインタビューがrsnに載っていました。TTで2014年のジュニアの世界チャンピオン、去年はU23で銅メダルでしたが、なにしろまだ19歳。日曜のGPルガーノにゲルデマンやヴェークマンらと一緒に出ることになり、いよいよプロデビューとなります。
……
プロになって最初のシーズンを前にした気持ちは?
ケムナ: プロとしてここにいるのは何かちょっと違う気持ちです。もちろん去年よりもワクワクしています。でも良いシーズンを過ごせると信じています。
どんなことをしたい?
ケ: 特別たくさんのことを期待しているわけではありません。集団の中でうまく走れて、良い一年を過ごしたいと思っています。
すでにこれまで君はとても良い成績を上げてきた。今後はどのレースを走るのか、わかっているの?
ケ: 去年バイエルン一周を走りました。でもプロのレースカレンダー全体の中でどうなるのかはわかりません。ほとんどは未定のままです。
リーヌス・ゲルデマン、ゲラルト・ツィオレク、ファビアン・ヴェークマンというベテラン選手がチームメイトにいるよね。この三人からすでにアドバイスはもらってるの?
ケ: レースのために情報を得られるでしょうね。でも、戦術的なことはレースの中で教わることになるでしょう。
特にどのレースを特別に準備すればいいのかはわかってるの?
ケ: 本当ならバイエルン一周をハイライトにしたいけど。でもこのレースが中止になれば、ほとんどは未定です。ツール・ド・ラブニールかオーストリア一周には調子を合わせたいと思っていますが。
シュテルティングは去年の12月にいったんチームの存続が危ぶまれたけど、多くの専門家が、君は早く新しいチームを探したほうがいい、できればワールド・ツアー・チームがいいと言っていたよね。当時そう思っていたの?
ケ: 難しい質問です。できればコンチネンタルチームか、せいぜいプロコンチームで走りたいと思っていましたから、ワールドツアーチームという選択肢はありませんでした。プロコンチームに所属できて満足しています。
チームがどうなるかわからなかった時、移籍を進める声は大きかったんじゃない?
ケ: いろんな意見を聞きましたが、最終的には自分で決断しなければなりません。こうなって満足しています。
君はまだマネージャーがいないよね。お父さんが君にアドバイスを与えてるけど、このままいくの?
ケ: 私はまだマネージャーは必要ないと思っています。父がアドバイスしてくれますし、最終的に決めるのは自分です。
大きなチームからの申し出はなかった?
ケ: はい、ありました。でも話はしませんでした。
2015年はとても良い成績を上げ、期待の新星になった。そういう期待をプレッシャーとは感じない?
ケ: 今年も良い成績を上げなければならないとは考えていません。プロ自転車競技のことを知っている人なら、プロ入り最初の年は水遊びして水に慣れるような時期だってことはわかっていますからね。特に私の場合まだやっとU23クラスですから。まだ一二回U23のレースを走らせてもらえるならラッキーですね。そのクラスなら上位を狙って走るでしょうけど。
プロとしては何を目指したい?
ケ: 表現するのは難しいですね。でもプロならみんな、いつかツールを走るという目標を持っているでしょう。
さらにツールでのステージ優勝も?
ケ: まあ、夢としてなら。しかしそこまではまだとても遠い。まずはツールに参加したいです。
……
U23の規定が変わったんですよね? エリートの世界戦に出てなければどのチームに所属していても23歳以下ならU23の世界戦に出られるようになったんじゃなかったっけ?

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http://www.bora-argon18.comというわけで、昨日のヴェークマンの末尾からのつながりです。
rsnにマジョルカでトレーニングキャンプ中のヘアクロッツのインタビューが載っていました。
ウルリッヒ以後、ドイツ人のステージレーサーはどうもぱっとしませんが、この21歳のジルヴィオ・ヘアクロッツ、それにシュテルティングの19歳のレンナルト・ケムナの二人が期待の星です。ヘアクロッツのスケジュールは、去年からワンデーレースになってしまったムルシア一周とアルガルベ一周ではじまりです。最初はアシストではじまりですね。
「【ステージレーサーが待ち望まれているのは】もちろん分かっている。これらのポルトガルのレースはコース的にも僕向きだけど、ヤン・バルタとホセ・メンデスという強豪と一緒だから、彼らのアシストをすることになるだろうね。総合を念頭に走る可能性はほとんど無いと思っている。でもチームの成績のために最善を尽くしたい。このレースにはコンタドールやファビオ・アルーが出るから、一緒のレースに出るのは初めてだ。」
「【今シーズンの目標は】まずは自分の能力を発揮して怪我や病気をしないで過ごすことだね。それが順調にいけば、もしかしたらグランツールのどれかに出られるかもしれない。それが夢だからね。【オリンピックも】まだ本気で考えてないけど、コース的には僕向きだから出られるといいな。しかしなにより良いシーズンを送ることだよ。残りは後から付いてくる。」
周りからはステージレーサーとしての期待が大きいようですが、
去年はU23のLBLでハプニングから2位でしたが、優勝してもおかしくなかったようで、ワンデーレーサーとしての資質もあるようです。
「コースは高い山があってハードなコースが今の僕には向いている。でも、自分がどういう方向へ成長していくかは、やってみないとね。どうなるかは楽しみにしているよ。大きなステージレースとハードなワンデーレースをうまくコンビネーション出来るといいね。」
ただ、TTが今ひとつなんですよね。この点はレンナルト・ケムナのほうが期待されているようです。
「ステージレースでコンスタントに良い成績を残すにはTTのパフォーマンスをもっと上げなければならない。たとえば今日はパルマのヴェロドロームで空気抵抗のテストをしてフォームの改善に励んだ。山岳とTTで能力を上げるためにいろいろなことに注意しなくちゃね。でもそれは今日明日にできるコトじゃないよ。長期にわたって作り上げていくものさ。」
ヘアクロッツって身長が190あるんです。ドイツ人の印象って東独の投擲競技選手のイメージがあって、骨がぶっとくって、体格よりもずっと体重があるっていう感じなんですが(私の勝手な思い込み?)、このヘアクロッツ君、手足が長いやせっぽち。でもいくら体重は68キロとはいえ、身長190はステージレーサーとしてはデメリットなんじゃないかなぁ。
さて、全く音沙汰のないネルツ君はどうなってるかとボーラのHPのレースプログラムを見たら、1月末のマジョルカのトロフェオ・XXシリーズに出場ですね。去年はキャンプ中に風邪をこじらせてドイツへ戻っちゃって、すっかり予定が狂ってしまいましたからね。今年は順調にいってほしいものです。

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新年早々来年のことを言ってもいいのかどうか 苦笑) ボーラは2017年はワールド・ツアーチームを目指すそうです。5年間プロコンチームでやってきて、三大ツールにすべて出場して成果を収めたということで、そろそろ上を目指したいとのこと。
なにより2017年のツールはドイツのデュッセルドルフがグラン・デパールですから、ドイツのチームとしてそこに立ちたいというわけでしょう。
そしてネオプロでありながらドイツチャンピオンになったエマヌエル・ブフマンも2018年まで契約延長が決定しました。
「プロとしてのチームの有り様やレース計画とならんで、なによりチームとしての結束を考えて契約延長に同意しました。このチームではすべてが小さな家族のようにい感じられるのです。みんなが信頼し合い、うまくいかないことがあっても、それぞれが互いにサポートし合っているのです。この点がとても重要でした。このような形でしか、私の場合は地道に能力を高めることができないでしょう。」
今年はブフマンと同じタイプのヘアクロッツも入ったし、ネルツもウカウカしてられません。今年もワイルド・カードでツールに出場出来れば良いんですけどね。

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拙ブログではなんどかカンチェラーラの再来と言われていると紹介したBMCネオプロのシュテファン・キュング、血液検査の結果表題の病気に感染していることが判明したそうで、これにより数週間練習中断、春先のレース活動にモロに影響しそうです。
通常とは違う疲労感を感じていたそうですが、いつごろ回復かは未定だそうです。ところでこのファイファー症という病気、ヴィキで調べると伝染性単核球症という項目で登録されていて、「思春期以降は唾液を介するディープキスによって伝染することがほとんどんため『キス病』とも言われる」とありますが、「まれに輸血などにより血液を介して観戦する場合もある」とあって、後者だとちょっと選手としてはやばい。まあ、「キス病」のほうが絶対に良いですね 苦笑)
しかしプロ一年目は落車の事故で半年近くレースに出られず、二年目は開始が遅れる、ちょっと運がないですねぇ。

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ドイツ語圏の選手の総括シリーズ、今回はスイスのネオプロ、キュングです。カンチェラーラの再来と言われている、やっと22歳になったばかりの若手ですね。顔はカンチェラーラというより同じBMCのブルクハルトみたいな品の良い顔立ち。
ネオプロにして、ツール・ド・ロマンディーでステージ1勝、リンブルフ・クラシックでも優勝。デ・パンヌ3日間では総合4位に食い込みました。それだけでなく、世界戦のチームTTのメンバーに入り、世界チャンピオンになっちゃいました。
「全体的に見れば完全に良かった。プロで2勝するなんて、シーズン前ならそれだけで大喜びだっただろうね。」
単純にこの成績が凄いだけでなく、この選手、ジロで落車して胸椎を骨折、3カ月もレースに出られなかったんですね。復帰は8月末ですから、それから世界戦チームTTのメンバーに選ばれたのも凄いです。ただし、個人TTはちょっとさえませんでした。
「長いリハビリのおかげで力はかなりそがれてしまった。だから世界戦では本当の力が足りなかったんだ。」
そもそもがこの選手は3月のトラックの世界戦で個抜きで世界チャンピオンになっているんです。個人追い抜きのチャンピオンでロードでも活躍した選手は結構いるんじゃないでしょうか? と思ってヴィキで世界戦の個抜きチャンピオンの一覧を見たら、コッピもいるしモゼールもモローやボードマンやウィギンズもいる。
キュングが尊敬する選手というのがまたユニークです。グレアム・オブリーだそうです。全く無名でミシンだか洗濯機だかを使った自作の自転車で当時のアワーレコードをあっさり破っちゃった選手ですね。
来年2年目に向けて、こんなことを言ってます。
「もっと力を付けてチャンスをモノにしたいね。決定的な瞬間にもう少し自信がつけば、もっと上昇できるだろう。」
この選手は絶対強くなりますよ。

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さすがにこの選手を知っている方はあまりいないことでしょう。一昨年のU23の世界戦ロードで10位だった選手で、現在24歳、ボーラ・アルゴン18のネオプロのオーストリア人です。ステージレーサーと言うべきか、山岳スペシャリストと言ったほうが良いかもしれません。 rsn のドイツ語圏選手の順位では26位。ツール・ド・オマーンとアブ・ダビ・ツールで総合10位、クリテリウム・アンテルナショナルで13位、ツール・ド・ランで9位、ツール・ド・デンマークで総合5位に入りました。
「シーズンの結果には満足している。ネオプロのシーズンで、チームで存在感を見せたかったんだ。なによりシーズンを通じてコンスタントに悪くない成績を上げられたことが自慢だね。それと(LBLやジロ・デ・ロンバルディアのような)トップ選手たちが出場するレースを走れたことも嬉しかった。もちろんグランツールに出場するのが夢だ」
ここで言われているLBLとロンバルディア、ともに完走はしました。来年もステージレースで総合上位を狙っていくのでしょうけど、グランツールにも出場すると思われるので、ちょっとチェックしておきましょう。

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これまでも毎年シーズンオフになると rsn ではドイツ語圏の選手たちの結果から順位付けして、それぞれの選手たちの総括を行っています。ただ、毎年繰り返してますが、この順位付けは単純に順位に基づいてポイントを与えて決めているので、フレーリンガーみたいな完全なアシスト選手がポイントを取ることはまずなく、個人的にはこのシリーズがどうも気に入らないんですがね。
まあ、そうは言っても、このシリーズは拙ブログ得意のドイツ語圏若手選手青田刈りのチャンスではあります。
というわけで、まずは拙ブログではすでに何度も紹介してきた2013年U23のドイツチャンピオンのヘアクロッツ君です。
「今シーズンは、シーズン前に想像していたようには行かなかった。シーズンが終わって良かったよ。でもスポーツってこういうものだよね。病気も怪我もあった。でも、それを乗り越えて以前よりも一層強くなるために、そういう目に遇わなければならないのかもしれない。」
シーズンのスタートはそこそこ良かったんですがね。なにより4月のアンダー23のリエージュ・バストーニュ・リエージュでは2位、しかもこれは審判者がコースを間違えて、コースに戻る間に遅れていた選手が追い抜いていって優勝をさらわれてしまったというものでした。
これについては拙ブログでも紹介した通りです。その他にもU23のいくつかのレースで3位以内に入ったんですが、その後が良くなかったですね。
「5月のバイエルン一週は落車で傷めた膝のせいでやめなければならなかった。膝が良くなって、再び調子も上がって夏以降が楽しみだと思っていたら、ウィルス性の病気のせいでドイツ選手権も含めて2カ月もレースに出られなかった。」
とりあえず来シーズンはボーラ・アルゴン18でプロデビューとなります。
「ボーラで準備してくれているレースプログラムが一番僕にふさわしいと思った。他のワールド・ツアーチームからの誘いもあったけど、チームの上層部と話し合ったら、僕の成長をしっかりと注意深く考えてくれているのがわかったんだ。でも、水準的にはもはやコンチネンタルチーム(3部)やU23のレベルではないのはわかっている。しかし対応できると信じているよ。」
この選手、身長が190以上あるんじゃないかな、比較的ガッシリ型が多いドイツ人には珍しくひょろひょろなんですよね。登りがかなり強いようだし、TTが今ひとつみたいだけど、将来はステージレースで上位を狙うタイプになるのではないかと、ちょっと期待しています。でもまず来シーズンはネルツのアシストだね。

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カンチェラーラ、スイスのTVで来シーズン終了後に引退すると言ったようです。現在34歳。イノーやメルクスは32歳でやめてるし、チャンピオンでもこの年齢だとやめても普通なんでしょうけど、ちょっともったいない気もしますね。今シーズンは怪我で春のクラシックに出場しなかったし、ツールもブエルタも途中リタイアでしたからねぇ。「自転車が僕の全人生なのではないよ。人生の一部に過ぎない」んだそうです。
というニュースを見ていたら、すぐその後に、スイスの年間最優秀自転車選手に、拙ブログでも
カンチェラーラの再来として2,3回名前をだしたことのあるシュテファン・キュングが選ばれました。まだ21歳のネオプロですよ。確かにリンブルフとツール・ド・ロマンディのステージで優勝して、さらにトラックで個人追い抜きの世界チャンピオンになりましたから、選ばれても全くおかしくないんですけどね。ただ今シーズンの中盤は胸椎骨骨折で3カ月以上フイにしてましたからねぇ。
世界戦ロードのチームTTでもBMC優勝メンバーの一人です。イノーもそうでしたが、個人追い抜きが強いのは独走力があるし、TTも速いはずですから、カンチェラーラと入れ替わりでスイスの星になりそうです。

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