世界自転車競技連盟 UCI はケトンを禁止薬物とはしてませんが、選手に服用しないようにと勧告しています。
ケトンってなに? ウィキで見ても化学式だらけで、スポーツ時の役割についてはさっぱりなので、rsn に書かれていることを引用します。
「ケトンは運動時に燃焼するための炭水化物がなくなって、体脂肪が必要になった時に肝臓で作られる」「激しい運動のためのエネルギーリザーブのようなもの」
だからケトンを選手に外部から供給すれば「激しい運動がより長く可能であり、選手のパフォーマンスを明らかに上昇させる」のだそうです。
液体状の栄養補助食品として存在していて、最初に書いたようにまだ禁止はされてないけど、ユンボ・ヴィスマチームは積極的にこのサプリを選手たちに提供している、というのが話題になっています。
一方で自転車競技の信頼回復を求め、アンチドーピング意識が高いMPCC(Movement for Credible Cycling)に所属するチームはこのサプリを選手がとることに反対してます。ユンボが籍を置いているオランダのアンチドーピング期間も「合法的な栄養補給にあたるが、健康への影響についてはわからないことが多い。グレーゾーンと言えるので禁止薬物リストには載ってないが、選手からの問い合わせには、ケトンのサプリを服用しないようにと助言している」と言ってます。
うーん。MPCCってワールドツアーチームはみんな所属しているのかと思ってましたが、HPを見ると、目立ったところだけでも、ユンボ以外にも、デケーニンクとかイネオスとかUAEなんかが入ってないんですね。
ユンボの言い分としては、世界的権威のラフバラー大学の研究者と協力していて、その研究者によれば、体に害を及ぼすことはないし、栄養戦略の一環として使うことを推奨されているそうです。ユンボとしては UCI が禁止するならすぐに使用をやめるが、現状の「勧告」であれば続けると言ってます。
まあね、化学的トレーニングっていうのはこういうことに繋がるんですよねぇ。。。当事者たちが自覚的にならないと、いつまでたってもイタチごっこが続くんでしょう。
ドーピングの難しさについてはもうだいぶ昔に長々と書いたけど、あの時の僕の見解は何も変わってませんので下にリンク貼っておきます。お暇でしたらどうぞ。お暇でなければ、長いのでお勧めしません 笑)
ドーピングはなぜ駄目なのか? (長文注意) よければ、下の各ボタンをポチッとお願いします(まあ、大した意味ないですので、ポチッとしなくても構いません。おまじないみたいなもんです 笑)
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アメリカのESPNのドキュメンタリー番組で色々告白したようですね。拙ブログではアームストロングがらみでドーピングについてずいぶん書きました。
アームストロング事件雑感 ドーピング事件雑感 アームストロングの時代雑感 ドーピング雑感、ごく個人的な意見 サルコジ元大統領まで関与か?? ドーピングのドキュメンタリー番組 アームストロングとUCIの暗闇 映画「疑惑のチャンピオン」 しかし、今の若い人たちはアームストロングと言っても誰?という人もいることでしょう。もともと16ぐらいからトライアスロンで活躍していて、93年、21歳だったかな?でプロロードの世界チャンピオンになり、将来を嘱望されながら睾丸ガンから脳腫瘍になって生死の境をさまよった挙句復帰してきたら、ツールに7連覇の偉業を達成し、一旦引退した後、2年後に再びツールに復帰して3位になっちゃうという、不屈の、というか不死身の男とでもいうべき漫画みたいな経歴の持ち主。
まあ、実際にマンガだったわけですが 笑)でも、現在の軽いギヤで足の回転数でスピードを上げるという走り方を始めたのは彼ですから、その意味で自転車競技の歴史において非常に革命的なことをした選手だったわけです。
上に書いたドキュメンタリーではすでに92年にモトローラーチームでプロになった時からドーピングをしていたと言っているそうです。ただし、EPOをシステマチックに使用するようになる前は、それほど大量の薬を使っていたわけ(わずかなオクタン価という表現を使っているみたい)ではないと言ってます。
「EPOは全く違うレベルのものだった。パフォーマンス向上の面では、それ以前のドーピングと比べればロケットが飛ばせるぐらいのオクタン価だった。」
僕は何度も書いてきたけど、アームストロングは現役時代からその人間性について嫌な噂を聞いていたし、ライバルのウルリッヒのファンだったから(彼もまたドーピングをしてたわけですが)、アームストロングは嫌いでしたが、さすがに48歳になり、こういうことを素直に話せるようになったんですかね。
いや、ドーピングはそれ以前からあったでしょうけど、ここでもなんども書きましたが、やっぱりEPO以前とEPO以後ではドーピングというもののあり方が変わってしまいました。それまでの主に疲労回復のためとか、スプリントの恐怖感克服の薬と比べると、能力そのものを格段に上げてしまうわけですから。
同時に、ドーピングを告発しようとすると政治的な干渉(恫喝脅迫などの嫌がらせや、告発しようとする組織に対する予算削減など)があったとも言われています。一方で、主にオランダやベルギーではEPOの乱用でプロ選手だけでも25人の死者が出ているそうです。イタリアには優れたドーピング専門医がいたから死者が出なかったと言われてます。
何れにしても、EPOの蔓延により、運動能力を競い合うというスポーツ競技本来の面が、EPOの効果がどれぐらい現れるかという薬と選手の親和性の競い合いに変わってしまったわけでしょう。ただ、これも昔書いてますが、科学的トレーニングの行き着く果てはドーピングだったわけで、下手すれば、この先遺伝子操作だってされかねない。スポーツというものが大変な金額の経済効果をもたらす以上、いずれ、昔のような素朴な見方はできなくなるのでしょう。
昔書いたドーピングについての話ですが、ちょっと長いです。おヒマでしたら。
ドーピングはなぜ駄目なのか? (長文注意) ドーピングはなぜ駄目なのか? (その2) ドーピングはなぜ駄目なのか? (その3) よければ、下の各ボタンをポチッとお願いします(まあ、大した意味ないですので、ポチッとしなくても構いません。おまじないみたいなもんです 笑)
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うーん、今夜はニルス・ポリットのインタビューを紹介しようと思っていたのに、それどころじゃなくなってしまいましたね。二日前に嫌な予感と言っていたオペレーション・アーダーラスの血液ドーピング騒動。とうとうグルプマFDJのオーストリア人で、かつてデーゲやゲシュケとチームメイトだったゲオルク・プライトラーも自ら認めました。オーバーオーストリアニュースで自己申告したとあります。
「本当に馬鹿なことをしてしまった。だが正直でありたい。私の人生で最大の過ちだ。言えるのは、人を騙したということを心の片隅に留めながら生きていくなんて地獄だということだ。僕にはそれが耐えられなかった。だから発表した。」
エアフルト(キッテルやデーゲもこのあたりの出身)の医師マーク・シュミットを中心としたドーピングネットワークが、先月末のオーストリアのスキー・ノルディックの世界戦で摘発されました。プライトラーはシュミット医師のもとで血液採取だけ行なったが、再輸血はまだしてないと主張してます。でもこの時点でアンチドーピング法ではアウト。
「その通りだ。彼とコンタクトを取るだけだって、僕は不正だと思ってる。わかったことなのに。」
今後グルプマFDJから解雇されるのは間違いなかったんですが、すでに日曜日に自分からやめる(=引退?)を申し出ているそうです。現時点では捜査されたり疑われたわけではないようで、いわば自首というわけですが、魔がさしたということなんでしょうかね。まだ28歳、せっかく山岳で頭角とまでは言わないまでも名前がではじめたところなのにねぇ。
オーストリア人というと拙ブログとしてはボーラのパトリック・コンラートもいるけど、大丈夫だろうなぁ。。。
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シュテファン・デニフルと言ったらこの写真しか思い出せませんが、2017年にはブエルタのクイーンステージで優勝してたんでした。去年は怪我でほとんどパッとしなかったようですが、10月にCCCと契約し、それなのに12月になってからその契約を「個人的な理由」によりキャンセルしてたんですね。だから、ニュースでは「元」プロ自転車選手となっています。
ことの発端は数日前日本でも少しだけ 笑)ニュースになったオーストリアで開かれていたノルディックスキー世界選手権でのドーピングによる逮捕劇。
このニュースは検索すればすぐ見つかりますが、このブログがわかりやすいと思います。
「スキー・ノルディック世界選手権で血液ドーピングが発覚、対応が進んでいない現状が浮き彫りとなる」 医師も含めて9人が血液ドーピングで逮捕されて「オペレーション・アンダーラス」と命名されたんですが、これに関連してデニフルも逮捕され、違法な血液ドーピングを行ったことを行なったことを白状したと、オーストリアの日刊紙「クローネ」が報じているそうです。細かい情報はまだ出てないので、逮捕の発端はわからないです。内部通報者がいたのでしょうか? そもそもデニフルがドーピングしていたのはいつ頃のことなんでしょう? 血液ドーピングも自転車競技の世界ではバイオパスの導入により結構な精度でバレるとか言われていたけど、そのあたりもどうなんでしょうね?
ところで逮捕された医者はかつてゲロルシュタイナーチームで働いていたこともあるそうで、血液の入ったパックが40押収されたとのこと。なんだか嫌な予感 苦笑)
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たまには自転車のことも書かなくちゃ、自転車ブログになりませぬ。
というわけで、今年の夏にフレーリンガーのブエルタツィッター日記でちょっとだけ触れられていた選手たちの組合CPAの話題が rsn に載っていました。
この選手たちの労働組合CPAの議長はブーニョがやってるんですね。このCPAが、選手たちの人権を無視するようなドーピングコントロールのやり方に抗議の声を上げています。
ことの発端はクイックステップのピーテル・セリイが、フランドルの自転車競技のお祭りに出席していたところ、ドーピングコントロールのために職員が現れ、やむなくその場を離れなければならなかったことをツィートしたんですね。
1時間ぐらい待ってくれたっていいじゃないか、二週間で2回目だぜ。金の無駄遣いだろ!という塩梅で、これに反応してブーニョは「すでに結婚式の日や葬式の日、あるいは子どもが学校に上がる最初の日にドーピングコントロールの職員がやってきて検査をした例が報告されている。人権も何もあったもんじゃない。もう十分だろ!」と労働組合として抗議の声を上げたわけです。
選手たちはシーズンオフにもドーピング検査を無視すると「検査できず」とされ、これが3回あると出場停止処分となります。どこにいるかも常に報告しなければならず、大変なストレスではあることでしょう。しかも選手たちは(これは世界中のアスリートに共通)アンチ・ドーピング・システムのために賞金の2%を自動的に取られることになっていることからも、アンチドーピングの重要性はわかるが、選手の人権も守ってくれということみたいです。
まあ、ほとんどの選手はドーピングなんかしてないんだと信じますが、そうは言っても今年だけでもドーピングチェックで引っかかって出場停止処分になっている選手はいるわけで、なかなか難しいし、悪意を持ってドーピングしてるようなのは論外にしても、ビミョーなグレーゾーンというのは存在しているようだし、なかなか悩ましいところではあります。
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フルームのサルブタモル事件、去年発覚した時にはマルティンが猛烈に批判し、反ドーピング団体も出場停止を求めていましたが、その後の情報があまり入ってこないし、どうなってるんだろうと思っていたところ、UCI会長のラパルティアンがチームスカイに、きちんとした説明ができるまでフルームを出場停止にすべきだと言っています。
「自分はこの事件に干渉する立場にないが、もしチームがこの処置を講じれば、みんなが納得するのではないだろうか。」
目下フルームは南アフリカでツールとジロのダブルツールを目指して準備中だそうで、2月のアンダルシア一周かアルガルベ一周でシーズンをスタートする予定だと言われています。
何しろ許容基準値の倍のあたいですからねぇ。やっぱり僕はラパルティアンの言うことが正論だと思います。僕はフルームは好きな選手だから、本人が意図的でなかったと信じたいけど。
ただ、問題は意図的かそうではないかは、この場合関係なく、やっぱり結果が出てしまった以上は、ひとまず出場停止にしないとおかしいでしょう。少なくとも納得いく説明が行われるまでは。
しかし、納得いく説明って、どうやるんだろう?何を言っても後付けの理屈とみられてしまうんじゃないかなぁ。
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カンチェラーラ、引退したというのに、再び大きな話題になってますね。
日本でも普通のニュースとして報じられています 。
当時拙ブログでも取り上げた けど、あれからもう7年も経ったんですね。しかし、このYouTubeの画像を見ちゃうと、なかなか信じられないと言いながらも、考え込まざるをえません。
VIDEO この2010年、カンチェラーラはE3ハレルベケでもフレチャとボーネンを平地でちぎって優勝するんですね。この時はアタックの瞬間は腰をあげるんだけど、その後はずっとシッティングで、後ろで腰を上げてるボーネンをちぎっちゃう。
さらに上のYouTubeにあるようにパリ〜ルーベでもみんなの横を座ったまま一気に加速してちぎっちゃう。
そしてフランドルではボーネンが腰をあげて必死なのに、座ったまま平然とワープしたかのように一気に差をつけてしまう。
うーん、久しぶりに見ました。変なことは言いたくないけどねぇ。。。苦笑)
しかし、評判の悪い前任者たち(マッケイドとフェルブリュッヘン)に比べてはるかにマシになったと言われたクックソンに変わり、UCI会長になったダヴィド・ラパルティアンが調べると言って大騒ぎになっているようです。前任者クックソンはイギリス人なので、噂があるスカイに対して強硬なことができないという点で批判があったのかもしれません。それに対して、今度のフランス人のラパルティアンは、ある意味スタンドプレイなのかもしれないと勘ぐったりもします。そういえば、別のニュースではUCIのモータードーピング対策部署に、去年引退したジャン・クリストフ・ペローがつくそうです。この後、スカイのことも調べるとか言い出すんですかね?
ただ、発端となった元プロ選手フィリップ・ゲイモンの本には、特に2008年のミラノ〜サンレモが疑いの対象として書かれているらしいです。この時は残り2キロぐらいのところでアタックして逃げ切ったんですね。ゲイモンは、後ろで追っていた集団の中にはその後ドーピングで出場停止になった選手も何人かいるのに、それが追いつけなかったと言っているんだけど、それなら翌年の春のクラシックが不調だったことと整合性がないような気がします。
カンチェラーラの反応は「フィル・ゲイモンの名前も顔も思い出せない」と一言。だけどマネージャーのアルミン・マイアーは法的処置を検討すると言っているようです。何れにしても、ラパルティアン会長が調べると言ったところで、すでに7年も経っていて、証拠などないだろうし、どうやるつもりなんでしょうね?
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すでにベルギーとイタリアでは先例がありましたが、フランスでは初だそうです。でもアマチュアの話。ダウンチューブに250ワットのモーターを入れてあったそうで、少し前からアンチドーピング局にマークされていたみたいです。43歳のアマチュア選手で、日曜にボルドー近郊であったレース後、調べられて自白したとのこと。
夏にはイタリアの、やはりアマチュア選手がモータードーピングで摘発されてるそうで、それ以前にも
ベルギーの美人選手がシクロクロスの世界戦 でやらかして引退してますね。
今の所プロでモータードーピングの例はないけど、モーターやバッテリーの小型軽量化がさらに進めば厄介です。実際に専門家は、「あらゆるものが可能だ。30分間40ワットというやつから450ワットだってある。バッテリーの強さもいろいろ。あとは金の問題だけだ」なんて言ってます。
まあ、プロの場合個人じゃやらない(やれない)だろうから、チームのメカニックも含めてみんなでやらないと無理でしょうけど、そんなことやって見つかったらチーム解体だろうし、まあ、やらないだろうと信じてますけど。。。
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いやあ、バルデ、勝つんじゃないかとハラハラしたんですがねぇ。ちぎれた時は、あちゃあ、でした。しかしロンバルディアの雰囲気がずいぶん違いました。まあ、予想でも言われていたけど、登りの選手が勝つだろうというのは当たりでしたね。
で、そのロマン・バルデ、ロンバルディアではなく、例のTUE(治療目的使用にかかる除外措置)について発言して、レキップに乗ったそうです(この記事の出典は radsportnews.com に載っていたものです)。
彼はブラッドリイ・ウィギンズのTUEについて知って、びっくりするとともに、彼がずっとそのことを黙っていたことに失望したと言っています。同時にこのTUEのシステムを変えることを求めています。
「僕らはこのシステムを止める必要がある。良心のない医者が架空の病気のためにコルチゾンを処方するかもしれないのだ。なぜ世界反ドーピング機構(WADA)に独立した医療チームがないんだろう?現在の委員会はチームドクターがいう通りのままに結論を下している。この規則はダダ漏れだし、乱用の可能性があると思う。ルーズすぎるよ。規則にスキがあるなら、誰だってそのスキを利用していいんだと思うよね。
グランツールの前に注射を打つなんて、驚きだよ。僕はウィギンズをアスリートとしても人間としても尊敬している。彼の生き方やてらいのなさも評価する。彼が自伝に書いていたことと、この現実のギャップが辛いし腹がたつ。そして、この情報がどうやってわかったか(ハッキングによって)ってことも僕を混乱させている。」
実はバルデも、ウィギンズが打っていたコルティコステロイドの注射を打ったことがあるそうです。ネオプロの時にカリフォルニア一周の後、足が腫れ上がって、治療のためだったそうですが、その後、彼は一月レースには出なかったとのこと。このコルティコステロイドという薬はこれまでトレーニングでは禁止されておらず、レースの時にのみ禁じられていたとのことで、バルデは全面禁止にすべきだと言ってますね。
「問題はそれが許可されているということだ。レース中でもレース外でも完全に禁止すべきだね。僕らはたくさんの薬物の検査をする。それなのに、炎症を抑えるとともに、パフォーマンスを高める効果があることがわかっているコルティコステロイドは許可されることがあるんだ。TUEを申請しているのが誰かは知っておきたいけど、それだけじゃあこの問題の解決にはならないと思う。一番いい解決方法は、病気ならレースに出るな、っていうことだ。」
以上は独訳からの孫訳ですので、正確なところはわからないし、どうも曖昧な、意味不明のところもあったので、ちょっと端折ってありますので、あしからず。
病気ならレースに出るな、は至極正論ですが、ウィギンズが言うように慢性の喘息みたいな場合、競技選手になることはできなくなりますかね?
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このところ、自転車界では話題になっているTUEというダイゴか?みたいな三文字イニシャル。治療使用特例とか、治療目的使用にかかる除外措置とか言うようです。あまり日本では大きな話題になっていないのは、例によって自転車界のイメージを壊すという忖度ですかねぇ?
要するに、禁止薬物であっても、それが治療のため(多くは喘息治療)であることを証明すれば、使用可能になるというシステムがTUEってやつです。
誰がこのTUEを申請して認められているかは公表されてなかったんですが、ハッキングされて公表されちゃったら、なんと、ウィギンズやフルームやキンタナがそうだったというわけです。で、ウィギンズの元医師なんかも、これは治療の名の下に、堂々と禁止薬物が使える制度だと批判。ウィギンズは俺はずっと喘息に苦しんできたんだと反論。ジャイアントのトム・デュムランが横から殴り込みをかけて、「臭いぜ」と発言。さらに中心人物のフルームが乱入。このTUEってのは乱用を招くと批判。おいおい自分だってTUEを申請したことがあるのに、自分の首絞めちゃうんじゃないの?と思ったけど、フルームは今年はTUE申請をしてないらしいです。
まあ、TUEが認められるためには医者の処方箋が必要なんでしょうけどね。その医者が信用できるならいいんですけどね。正直、なんか胡散臭いなという、釈然としない気持ちは抱かせますねぇ。。。
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すでにもうあちらこちらに載っていることでしょうが、例のモータードーピングの美少女、フェムケ・ファン・デン・ドリースへ、UCIから、正式に処罰が決まりました。しかも15年の10月11日までさかのぼっての処罰ということで、シクロクロス、U23のヨーロッパチャンピオンとベルギーチャンピオンの二つのタイトルも返上になります。
本人は問題の自転車は自分のではないと言い張っているようですがね。6年間の出場停止なら、現在19歳、処分が開けるのは25歳ということになりますが、どこかで引退を決意というような記事を見たような気がしますし、まあ、復帰はないでしょうね。
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というわけでEバイク問題、ドリースヘの友だちが、モーターの組み込まれた自転車は自分のもので、クロスの世界戦を見るときに持ってきたものだと認めたそうですが。。。
ヘト・ニウスブラット紙に証言した内容はドリースヘが言ったことと全く同じで、彼女の兄弟と一緒に見に来て、トラックに積んでおいたところ、メカニック(複数)が彼女の自転車と取り違えて洗浄して(チームの?)トラックへ積み込んでしまったということのようです。
なんだか信じて良いのかどうなのか。。。ウラはいくらでも取れると思うんですがね。例えばそのモーターをどこで組み込んだのか、自分で組み込んだのならどこで購入したのか、それなりに高価なものだろうし、取り付けだって素人にはできるものなのかどうなのか。関係した人間にも聞けるだろうと思うんですけどねぇ。
それから、こういうコトが起きるとよくあることですが、ドリースヘの兄弟と父親に対して、ペットショップから高価なオウムを盗んだという訴えが出されたそうです。これが本当で有罪となれば1〜5年の禁固と3000ユーロ以下の罰金だそうですが、この訴えは今回の騒動が起きた後に起こされたようで、なんだかわけわからん、怪しげなことになってますねぇ。
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ガゼッタだけにガセ? 笑)いや、rsnからの孫引きです。イタリアの由緒正しいスポーツ新聞ガゼッタ・デッロ・スポルトの月曜の記事にクラウディオ・ギザルベルティという記者が書いているものです。
電磁気で20から60ワットを生み出せるように細工された自転車、いわゆるEバイク(EバイクとかEドーピングという言葉はここ何年かでヨーロッパでは市民権を得た言葉のようです)はすでに新しい段階に来ているというタレコミがあったとのこと。後ろホイールに隠されたこのテクノロジーの値段は20万ユーロ(2600万円ぐらいでしょうか?)とかなりの高額。シートチューブに隠されたモーターなんて古いシステムで、こんなものは「貧者のドーピング」だそうです。
記者はこれらの情報を匿名の関係者から教えられたそうで、しかも選手たちは自分がそれを使っていることを知らされていないという話。だから選手たちは今日は調子が良かった、と思ってるだけだと。。。20ワットとかでも、ぎりぎりのところで走っている選手たちですから、とんでもない数値でしょう。
以上の記事、まあ、私は全く信じてませんが 笑)
しかし、ふざけた言い方をすれば、自転車に手を入れる「ドーピング」は少なくともエポを注射したり、冷蔵庫で保管した血液を再注入するような伝統的なドーピングよりはずっと「健康的」であります。
以前3回にわたって書いた記事でも言ったけど、ドーピングは何故駄目なのかといったら次の二点に集約されると思います。
1)選手の健康
2)競技の公平性(倫理性)
これについては上記の記事で3回に渡って書いて、いろんな方がコメントを付けてくれたけど、やっぱり僕は納得してません キッパリ 笑)
興味があれば読んでみて下さい。同時に当時コメントを下さった方にもあらためて感謝いたします。また、新たなコメントをいただければ嬉しいです。
ドーピングはなぜ駄目なのか? (長文注意) ドーピングななぜ駄目なのか? (その2) ドーピングはなぜ駄目なのか? (その3) 今回のEドーピングは競技の公平性に反するということなんだろうけど、モーターは論外としても、機材の不公平というのは絶対にあると思う。自転車の重量も変速機の性能もあるし(個人的には電動の変速機なんていうものがすでに信じられない話だ)今年からはディスクブレーキが解禁になるそうだし。といいながら、僕はメカには全く詳しくないので、何とも言えないんだけど。
戦前のツールでは変速機が使えなかったし、最初の頃はフリーは不可で固定ギアだけしかオッケーではなかったそうだ。つまりツールの創始者(といわれている)デグランジュは機材による不公平をなくそうと必死だったんだろう。そもそも国別対抗の時代(1930年代から1960年まで)には自転車ですら同じもので、選手はサドルとハンドルだけもってパリに集まった(当時はスタートとゴールがパリ)そうだ。逆に薬によるドーピングについてはあまり気にしていなかったようだ。当時の薬では不公平性はそれほど感じられなかったのかもしれない。
それはともかく、今回の騒動、こんな単純な不正がバレないと思ったんだろうか?サドルを抜いたら見えちゃうんだよ?? それともフェムケ・ファン・デン・ドリースヘのいう通り、友人が買い取ったあとからモーターを組み込んで乗り回していたんだろうか?
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うーん、ホント? 往生際が悪いだけ? なんともコメントしづらいですねぇ。。。なにしろ19歳の女の子だからねぇ。しかも美人だし 笑)
モータードーピングの話、昨日のスカパーのシクロクロス世界戦実況放送でもちょっとだけ「まだわからないけど」というニュアンスで話題になってましたが、本人がベルギーのテレビのインタビューで否認したようです。
論旨は、問題の自転車はある友人(男)のもので、昨シーズンの終わりに自分から買い取ったものである。その友人は自分の兄弟と一緒にレースを観戦していて、レース後にそれをトラックに乗せた。ところがメカニックの一人がその自転車を自分の自転車と思ったのだ、と、そんなことみたいです。涙ながらに、自分はフレームにモーターが入ってるなんて知らなかったし、欺すようなことは決してしていないし、そのモーターの組み込まれた自転車は使っていないと答えたそうです。
まだ19歳、普通の犯罪なら名前は出ないし、まだ処分が下ったわけではない(推定無罪状態)だし、もう少しキチンと調べてから名前を出すべきだろうに、と思うけど、人権意識の高い(と思われる)ヨーロッパでも、スポーツ界のスキャンダルは例外なんでしょうか、と皮肉を言ってみたくなりました。いやいや、美人だから擁護してるわけじゃないですよ 苦笑)
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数年前にカンチェラーラの余りの強さに疑われだしたエンジンドーピング。冗談だと思っていたら、ついに出ちゃいましたね。シクロクロスのU23の女子、ベルギーの選手の自転車が差し押さえられ、検査の結果「技術的な詐欺行為」とUCIが認定したそうです。
ヨーロッパチャンピオンで優勝候補の一人だったけど、途中リタイアしたフェムケ・ファン・デン・ドリースヘという選手の自転車のフレームからエレクトリックモーターが発見されたそうです。
サドルピラーを抜いたらシートチューブ内に電気ケーブルが見つかり、BBシャフトが取り外せないようになっていて、そこに恐らくモーターがあると思われるそうです。しかし噂はずいぶんあったにせよ、とうとう出てしまいましたね。
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アスタナのライセンス取り消し「なし」は、まだまだ波紋を広げているようです。rsnの記事ではUCI会長のクックソンはライセンス取り消しを願っていたようですが、結局仮に取り消しになっても、アスタナは即座にCAS(国際スポーツ裁判所)に処分取り消しを訴えて提訴するのは明らかで、これまでドーピング疑惑など全く出たことのないヤーコプ・フールサンもすでに法的な対応処置を準備していたということです。
クックソンとしてはパドゥアの検察による報告書で、アスタナの(元)選手たちのうち17人がドーピング医師として永久追放の悪名高いミケーレ・フェラーリと接点があったと書かれていたことを重視していたようですが、ライセンス承認委員会はそれを重視しなかったようです。
で、そんななか、ツィッターで、グライペルのアシストとして拙ブログでも名前を何度か挙げているグレッグ・ヘンダ—スンが、アスタナの若手ファビオ・アルがジロ・デル・トレンティーノを直前にウィルス性の病気で出場取り消しにしたのをドーピングのせいじゃないか、と臭わせたことで、アルが激高。ヘンダースンはすぐにコメントを削除して謝ったみたいですが、アルのほうは怒りが収まらず、法的手段に訴えると息巻いているようです。
個人的には、同じチーム(及びその下部チーム)から1年で5人もドーピング検査陽性がでちゃったら、チームとしてはそれなりの処罰を受けるべきだろうと思うんですよね。イタリアはパドゥアの検察の報告だって、嘘ではないとしたらやっぱりかなり問題がありすぎだよねぇ。
ニバリは去年のさいたまクリテで駅でカメラを向けたらきちんとこちらに目を向けてくれて、好感を持っているけど 、個人的にはこのチームを離れた方が良いと思うんだけどねぇ。それは同様に好きな選手の一人であるダミ声の
鳥の歌ことフールサン にも言えることなんだけどね。あ、いや、他の選手はどうでもいいっていうわけじゃないですよ 笑)
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個人的には予想外でしたが、ニバリもこれでツール出場可能になりました。ただし、定期的に報告義務があるようです。
まあ、見る方としては良かった良かったということですが、UCIが人気に妥協しない、というのも問われていたような気もするので、個人的にはちょっと意外感。
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例のオランダの有力紙デ・テレフラーフの記事 は現時点ではどうやら間違っていたようです。木曜に決定発表はありませんでした。ただ、テレフラーフ紙の一番のポイントは、アスタナのライセンス剥奪すでに決定されている、という点でしょうから、まだどうなるかわかりませんが。
というわけで木曜日には大々的にアスタナの聴聞会が開かれて、ガゼッタ・デル・スポルト紙によると9時間かかったとのこと。ローザンヌ大学のスポーツ科学の専門家からチームの管理職、弁護士、アスタナの選手と多くの人が呼ばれて質疑応答が行われたそうです。
今後何週間か後に決定発表とUCIは言っているそうですが、ガゼッタ紙は4月24日に発表と書いているようで、これが正しければ、アスタナはパリ〜ルーベやアムステル、フレッシュ・ヴァロンヌなど24日までのレースには問題なく出場できることになります。さらに、もしかりに24日にアスタナのライセンスが剥奪されても、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に申し立てれば、決定はさらに先送りにされて、その間アスタナのライセンス剥奪も先送りになります。さて、ニバリはツールに出られるのか?
しかし、14年に5人のドーパー発生チームだからねぇ。仮にチームが関与していなかったとしても、チームとしての管理能力を問われるし、そもそも大将がヴィノクロフだというのも、イタイよね。
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一年前、草食動物になったら花粉症が治ったなんて書いちゃったんですが 、今年は駄目ですね。以前ほどひどくはない、これは確かなんですが、でも今年はやっぱり花粉症の症状はしっかり出ています。うーん、草食動物であることは去年と変わってないんですが、今年は飲み会が結構あって、それのおかげで、家でもまた酒をよく飲んでいます。そのせいなのかなぁ。。。というわけでカラス天狗みたいなマスクをして自転車乗ってます。
さて本題です。オランダの有力新聞「テレフラーフ」紙が、「UCIがアスタナからワールドツァーライセンスを取り上げ」と書いているようです。UCIの専門委員会の匿名の資料に基づいているとのこと。木曜日(4/2)に公式に発表されると言ってます。結果としてアスタナは当該国車連からコンチネンタルライセンスを得ることになり、このライセンスだとワールドツァーレースに出場できなくなります。ということは。。。ニバリよ、どうする??
と、このニュースをrsnでお昼過ぎに見て、上の文をメモっておいたんですが、今見直したら、アスタナが即座にこのテレフラーフ紙の報道を否定していますね。テレフラーフが公式発表の日としている木曜日は専門委員会の聴聞会が開かれる日で、チームの上層部及び何人かの選手代表がそこに参加する日だ、とのこと。その後、10日ほどしてから公式発表されるはずだと。今のところUCIはこれについて何も言ってないそうです。オランダで一番の新聞とは言え、やっぱりテレフラーフの勇み足なのか、それとも。。。
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rsn のフェリックス・マティスという記者が、自転車競技独立改革委員会(CIRC)の報告をまとめています。なに?それ? という人はこの記事の一番下に関連記事がリンクしてあるので、そちらからどうぞ。
まず、過去のアームストロングとUCIトップの関係ばかり注目したくなるんですが、それ以上に現状に対する悲観的な見方に驚きます。報告書は227ページにわたるものだそうで、選手、チーム監督、医師、スポンサー、ジャーナリストなどに聞き取りを行った結果、過去15年で自転車競技はかなりクリーンになったという一般的な見解に冷や水を浴びせるような内容です。「ある尊敬されているプロ選手は、今日でもプロトンの90%はドーピングをしているのではないかと言い、また他の選手は20%はしていると言っている。しかし多くの選手は一様に、誰がクリーンで誰がやっているかは知らないと言っている」とのこと。
90%はにわかには信じられないけど、20%というのでも、僕としてはかなりショッキングです。今検索すると、
敬愛する栗村さんもこの話について書いています ね。
むろん、あくまでも一選手の発言であって、CIRCが90%とか20%と断定しているわけではありません。
ただこれらの曖昧な証言の理由として、CIRCが言っているのは、今日ではドーピングをする選手は、チームぐるみでやっているケースはほとんどなく、選手が個人で、仲介者を介して、チーム外の著名なドーピング医を利用しているからだと言っています。
報告でも「もっとも重要な変化は、UCIワールドツアーレベルではドーピングがチームぐるみでシステマチックに行われることはもはやない、ということだ」とあります。これは明らかに進歩ですね。
そして、インターネットで東ヨーロッパやアジアから簡単にドーピング薬物を手に入れることができるけど、やはりキーになるのは医者で、バイオロジカルパスポートのおかげで、ポジティブになるのを防ぐために、より複雑な医者による処方・管理が必要になっているというわけです。
また以前クックソンの話として、将来は夜中にドーピングチェックをしたいといっていた理由も、これまでの(競技外)抜き打ち検査は朝に行われ(これはマルティンやデーゲンコルプの過去のブログでも書かれていたことがありました)、ドーパーたちは翌朝に残らないように夕方に微量の薬を使うのが通例だったそうなので、夜中にチェックするという話になったのでしょう。
それ以外にもバイオロジカルパスポートや選手が滞在場所を申告しなければならないシステムの問題点も提示されていますが、ちょっと具体的すぎてプロ選手ならざる素人には煩雑すぎるのでパス。
ただ、かつて、おおっぴらにやられていたEPOによるドーピングでは、能力は人によっては10%から15%も向上させることができたが、これは現在では不可能で、微量の使用ではせいぜい3%から5%程度だとも言われているようです。これだってグランツールのような過酷なレースだと、とんでもなく大きな差になるでしょうけどね。
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