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ゲアハルト・リヒター展

2022.09.06.18:17

この人については映画「ある画家の数奇な運命」で、拙ブログでも取り上げました。ただ、少し前につれあいと上野の国立西洋美術館で自然と人のダイアローグ展を見てきたんですが(実際は上野でやってたビアフェストが目的でしたが 笑)、そこに一枚空と雲を描いたリヒターの大きな絵があって、それがつれあい共々気に入って、じゃあ今やってるから行ってみようということになったのでした。

リヒターというと、上記の映画でもリヒター開眼の契機とされるフォトペインティングの印象があります。つまり普通の家族写真や新聞に出ていた写真などをカンバスに正確に映し取って、それを擦って輪郭をぼかしてピントの外れた写真みたいに見せるという絵ですが、今回来ていたのはむしろ完全に抽象的な、カンバスに何重にも塗り重ねた絵の具をナイフなどを使って削り取ったり、伸ばしたりするというやり方の絵が多かったです。

とくにアウシュヴィッツで隠し撮られた写真(映画「サウルの息子」でも印象的に描かれていました)に触発されたビルケナウというシリーズが一部屋を占拠して大きく重く暗く圧倒するように陰鬱でした。
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ただ、これ以外は結構カラフルな絵も多かったですね。
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これなんかモザイク映像みたいで、思わず何か見えるだろうか、と目を細めたりしちゃいました 笑)
また、こんなの。長さ10メートルありました。
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フォトペインティングは数が思ったより少なかったです。
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今回の展示品の中で好きなのを一つと言われたら、上の髑髏(そもそも髑髏が好きなんですよ。ヨーロッパへ旅行した時には教会の髑髏の彫刻があると必ず写真撮ってて連れ合いに呆れられたし、いぜんここでも書きましたが、ラスコー洞窟壁画展ではお土産に髑髏のオブジェを買ってきて家族から大バッシング受けました 笑)の絵もいいですが、これが一番好きですね。
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つれあいは、やっぱりね、と言うので、なんで? と聞いたら、だって暗いもん、と一言 苦笑)しかし、最近の展覧会は写真OKになって嬉しいです。


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「ファン・エイク」の本

2022.08.04.13:40

嫌な、というより物凄く恐ろしいカルトと政権の関係の話ばかりでこちらの精神状態までおかしくなりそう。こんな時は自転車に乗るのが一番なんですが、暑くてなかなか乗る気にならず、今日こそは、と思ったら東京は雨です 苦笑) こんな時には大昔の絵を見ながら心を落ち着けましょう 笑)

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ステファノ・ズッフィという人が書いたヤン・ファン・エイクの有名な「アルノルフィーニ夫妻の肖像」についての本です。前にも書いたけど、ファン・エイクって古今東西最高に絵がうまかった人だと思うんですよね

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中学校の美術の教科書に載っていた名画の写真の中で、この絵が一番好きだったんですよ。なんでかって言われてもわかんないけど。

で、この本はこの二人の肖像画(実物は約80X60cm)を16に切り分けて、それぞれの画面のアップの映像と共に解説が入っています。ただ、この本ではこれまでイタリア出身でブリュージュで成功した商人のジョヴァンニ・アルノルフィーニと妻の肖像だと言われてきたモデルが、ヤン・ファン・エイク自身とその妻がモデルなのではないかという2010年に発表された説(著者自身ではありません)を踏まえて解説されている点が、結構スリリングで面白いです。

つまりこの絵が描かれた年号は壁に描かれている文字から明らか(1434年)で、ところが1990年に発見された古文書からジョヴァンニ・アルノルフィーニが結婚したのは 1447年だということがわかったので、昔は「ジョヴァンニ・アルノルフィーニ夫妻の肖像」として展示されていたのが、現在はジョヴァンニがなくなっているんだそうです。アルノルフィーニの名前も描かれてから80年ぐらい後の所有者の目録に「エルノール・ル・フィン」と記されていたことに基づいていると。だけど、このエルノール・ル・フィンと織物商人として成功したジョヴァンニ・アルノルフィーニという家名を結びつけたのはさらに350年近く後になってのことで、しかも、最初に記された「エルノール」はフランドルの茶番劇での「寝取られ男」のことでもあるというのですね。

このアルノルフィーニの単独の肖像画もファン・エイクは描いていて、鼻の形などから間違いなく同一人物ですが、それもこちらの肖像画がアルノルフィーニ夫妻の物だとされた後に、じゃあこっちも、となったようです。つまり、現在流通している絵の題名(モデル)は、あくまでも絵や額に明確に記されているわけではないのです。

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で、この二人の肖像画がファン・エイク夫妻だという最大の根拠が、確実にファン・エイクの奥さんだとされる女性の肖像画が残されていて、それとこの「アルノルフィーニ」夫人が似ているということなんですけど、似てますかねぇ。。。

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さらには、この本には出てこなかったけど、夫のほうの単独肖像画が手に持っているものは手紙だそうで、どうも画家の持ち物とは思いづらいんですよね。そしてこれまでよく言われていたのは赤いターバンの男の肖像画、これがファン・エイクの自画像ではないかという説。

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その理由は、ファン・エイクってこの問題の肖像でもそうですが、反射するものを絵の中によく描きこんでいるんですね。この肖像では真ん中の凸面鏡で、それをアップにするとそこに青い服と赤い服及び赤い帽子かターバンを巻いた二人の男?が描かれています。ちょっとわかりづらいですが。。。

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またファン・バーレの聖母子像という絵に描かれた騎士の鎧の反射をよく見ると、この絵を描いている画家と思われる赤いターバンとガウンの人の姿が映り込んでいます。これも写真じゃ分かりづらいけど 苦笑)

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つまり、赤はファン・エイクのトレードカラーで、特に赤いターバンは常に愛用していたのではないか。無論上の「アルノルフィーニ」単独肖像画も赤いターバンを被ってはいるので、決め手にはならないけど。

まあ、この本でもファン・エイク夫妻の肖像画説を紹介しながら、あちこちで疑問も呈しています。ただ、そんな話を読み、600年前の流行は、男たちはこんなターバンしてたのか、と考えながら、このなんとも静謐な、600年近く前にフランドルで描かれた、空気の密度すら感じさせる絵に集中して、その時代に思いを馳せる幸せを、しばし感じることができました。


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40年ぶりのフェルメールは。。。

2022.03.15.14:40



前にも書いたように、1991年の冬、ドレスデンへ行きました。ドイツ統一直後の時期でしたが、冬で寒くって、観光客などほとんどいませんでした。だから美術館もガラガラ。というより、おぼろな記憶ですが、多分建物を新しくするために(?)作品は仮展示状態で、大きな倉庫のようなところに並べられていたんだと思います。建物の入り口へ行ったら係の人が迷路のような廊下を案内してくれて、この先だと教えてくれた記憶があります。

記憶に残っているのはラファエロのシスティナのマドンナと呼ばれる巨大な絵や小さなヤン・ファン・エイクの携帯用三連祭壇画で、フェルメールのこの絵もありましたが、当時はフリードリヒとかリヒターというドイツロマン派の絵画に興味があった頃なので、そっちが強く印象に残ってるかなぁ。と思って今調べてみるとフリードリヒやリヒターはこの「アルテ・マイスター絵画館」ではなく、「ノイエ・マイスター絵画館」にあると出ています。

だけど僕は同じところで見た記憶があるんですよねぇ。。。なので最初に書いたように、東西統一直後で美術館も改修中で、作品群は全部まとめて置かれていたんじゃないかと思うんですよね。駅のキヨスクみたいな売店では普通のカタログもなく、フリードリヒはないのか?と聞いたら、「ないよ」とあっさり言われたのでした。東独時代にはドイツロマン派なんて軽視されていたのかもしれません。仕方ないので数枚のポストカードと、ひどい印刷のリヒターのカタログ(?)だけ購入したのでした。上の写真の右側のカタログは当時買ったものではなく、ずっと後になって古本屋で見つけて購入したものです。当時はフェルメールを全面にアピールしてるものなんかなかったですね。と言いながら、ポストカードはしっかりこの絵も買ってました 笑)ただ、ひどい印刷でねぇ、特にファン・エイクの方なんかあんまりじゃない?? 

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裏にはDDR(東ドイツ)とあります。さすが東独クオリティ 笑)
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リヒターの方はこれ。



リヒターという画家は無名ですが、下の絵のように、森の中で舞台のスポットライトのように黄金色の光を当てて非常にロマンチックな絵を描いた人です。ただし、この印刷も東独クオリティ、かなりひどいです 笑)



というわけで、話を戻して、最初の写真です。僕が当時見たのはむろん右側ですが、今日本に来ているのは左側。1970年台からすでに後ろの壁にはなにか塗りつぶされた跡があるとわかっていたようですが、フェルメール自身が塗り潰したのだろうと思われていたようです。2007年に出た朽木ゆり子「フェルメール全点踏破の旅」で確認すると、学芸員がフェルメール本人が塗りつぶしたと言っていますが、これも仕方ないかなと思われます。というのはカーテンの後ろに最初はテーブルとワイングラスが描かれていたのを、これはフェルメール本人がカーテンを描いて塗りつぶしたんだと。この学芸員は、フェルメールはそうやって引き算をしながらこの静謐な画面を作り出したというようなことを述べているんですが、、、

ところが、最新の科学的な調査というのは、残酷にもあらゆる先入観を吹っ飛ばしますね。顕微鏡で見ると、壁の方は、塗りつぶされたのがフェルメールの死後であることがわかってしまいます。誰が塗りつぶしたかは謎ですが、この絵は18世紀中頃にパリで購入されてドレスデンへやってきたそうで、その際もレンブラント作とされていたそうです。どうもこのパリからドレスデンに来る時に塗られたんじゃないかというのが有力みたいですが、、、

そして、2017年から塗りつぶした壁の絵の具を剥がして、4年がかりで修復されて、今回日本に来たのでした。展覧会ではこの修復の経緯をビデオなどを使って紹介していて、それも面白かったです。顕微鏡を見ながら解剖用のメスで削り落とすなんてのは、僕には絶対できないな 笑)

ただ、この修復がはなはだ評判悪い 笑)この余白がよかったのに、ここにキューピッドの絵なんてうるさすぎるし、なにより、この娘が読んでいる手紙がラブレターであることを露骨に暗示しているというわけで、フェルメールのファンからはボロカス言われているみたいです 笑) たしかに以前の方が瞑想的で、手紙を読む女性の横顔に集中して、不安な手紙を読んだ自らの経験を思い出させられたりしたんでしょうね。

ただ、私はあまり違和感なかったなぁ 苦笑) フェルメールの絵って後ろの壁になにか絵や地図が掛かっている絵の方が多いでしょう? ちなみにアムステルダムにある有名な牛乳を注ぐ女の絵もバックの壁には何かが描かれているのがわかっているそうで、そのうち剥がされるのかもしれません。

それと修復の結果として、絵がずいぶん明るくなりました。壁以外にも手前の果物なども、全体が夕日から朝日のイメージになったような感じで、これはこれでいいんじゃないかと思いましたね。どっちが好きって聞かれたら、どっちも好きと答えたい。あ、ずるい 笑)


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香月泰男展 in 練馬区立美術館

2022.03.11.00:06

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昨日に引き続き、今日も展覧会へ。310の東京大空襲の日で、ウクライナでロシアの侵略が行われている時だから、今日行くべきだろうと思って。。。

トリノの聖骸布っていうのがあって、死んだキリストを包んだ布だとされるもの。まあ、間違いなく偽物でしょうけど、そこに写ったキリストの顔がどう言ったらいいんだろう、痛々しいとか、無惨という言葉と同時に、厳かというか厳粛というか、まあキリストの像だから重みも感じさせる。

香月泰男のシベリア・シリーズの黒い顔は、西洋のロマネスクやゴシックの彫刻の影響だというけど、僕はむしろトリノの聖骸布のキリストの顔を連想した。

戦争が終わったというのにシベリアに抑留され、半年で1割の抑留者が死んだという。おそらく毎日誰かが死んでいく中でも、ある種の人は(ひょっとしたら誰でも?)美しいものを美しいと感じるんだろう。これはもう想像でしかないけど。

アウシュヴィッツを知った後で詩を書くなんて野蛮だとは、ドイツの哲学者のセリフだけど、実際は人はアウシュヴィッツの後でも詩を書かなくちゃならないのかもしれない。それともうひとつ、強く印象に残った香月泰男の言葉がある。こんな言葉。

「戦争の悲劇は無辜の被害者の受難によりも、加害者にならねばならなかった者に、よりおおきなものがある」

ウクライナ戦争に絡んで、あまりにさまざまな、陰謀論めいた、あるいは完全にフェイクだろうというようなニュースがたくさん流れていて、僕らにはその中から本当のことを選り分けることはできそうもない。ウクライナの一般の人々の受難には言葉もない。一方で人殺しを強要されるロシアの兵士たちは?

どこに視点を置くかは大切だ。9条じゃあ日本を守れないという人たちは被害者になることを心配しているのだが、上の香月泰男の言葉は、9条がなくなれば加害者になるかもしれないということを、僕らに思い出させてくれる。そして9条の意義はいうまでもなく後者の視点にこそある。


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ボストン美術館展とメトロポリタン美術館展

2022.03.10.00:31

午前中はつれあいの得意な日本の刀剣と武者絵の浮世絵、午後は私の得意な西洋美術というわけで、美術展を掛け持ち、さすがにヘロヘロ 笑)

午前中のほうはボストン美術館のHEROES展で、午後はメトロポリタン美術館展。午前も午後も基本年代順でした。午前のほうは知っている話もある一方で、日本の武者たちの活躍の話なのに、知らないことも多かったですね。正直、刀を見てもあまり心は動かないんですがね 笑)ただ武者たちのいろんなエピソードは、知っているものも知らないものも、江戸時代の武者絵を見ながら読むと、かなり面白かったです。

午後のメトロポリタンのほうは、まるで美術史の教科書のように、有名画家が次々と、ただし1枚ずつ出てきて、これもまた楽しかったです。フラ・アンジェリコからゴーギャンまで、レオナルドミケランジェロはなかったけどラファエロやティツィアーノ、クラーナハやカラバッジョも、エル・グレコやルーベンスも、レンブラントやフェルメールもベラスケスも、ゴヤやターナーもマネもゴッホもセザンヌも、なんか有名どころが勢揃いという感じでした。ただし、一人1枚というのが多かったですけどね。

個人的には北方ルネサンスの地味な画家たちの小さな絵が見られたのが嬉しかったのと、前にも書いたけど、高校時代昼休みになると図書館で見ていたジョルジュ・ド・ラトゥールが一枚きてて、時間的にはその前にいた時間が一番長かったかなぁ??

ただ、海外旅行でもない限り、1日に2ヶ所の展覧会はやらない方がよさそうです。腰が痛くて。。。 笑)


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ロバート・ブルームの画集

2021.08.31.22:01



図書館で偶然に発見。なんじゃこれ?と思って、思わず借りちゃいました。1890年ごろ日本に来たアメリカ人画家の画集です。1890年ごろって明治20年前半の日本の風景です。日清戦争より前です。この時代だとまだ丁髷の職人がたくさんいたようですね。

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これは呉服屋さんの風景ですが、小津安二郎とか溝口健二の映画がカラーになったような感じです。

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この女性は多分他にも同じモデルの絵がいくつかあり、ブルームお気に入りのモデルさんだったのでしょう。「芸者」の題名がついているものもあるので、本物の芸者さんだったのかもしれません。この時代の一般人の娘さんが西洋人の絵のモデルになるともあまり思えませんから。

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一番有名なのは飴屋の絵です。

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10歳になったかならないぐらいの娘たちが赤ん坊を背負ってベビーシッターになってますね。

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ただ、この絵はいろいろいわく因縁があるようで、この本の岡部昌幸という人の解説がとても面白いです。ワーグマンという別の画家の手になるそっくりの絵があって、しかもその絵はもっと粗いタッチで描かれていて、なおかつこの絵より以前に描かれたものだということで、ここの謎解きがなかなか面白い。

背景の漢字の間違いや読み下し方から、第三の絵の存在も想像できるというのだが、結局上で私は「謎解き」という言葉を使ったけど、謎は全く解けてません。ただ、この後いろんな人がこの二つの絵を比べながら、様々な可能性を探っていくんだろうなぁと思うと、ちょっとワクワクします。

ネットで探すと、両者が参考にした一枚の写真があったんじゃないかという説も出ていて、これも面白いですね。構図としては写真は可能性が高いような気がするけど、ただ、この時代の写真だとカラーではないでしょうから、どうなんでしょうね。


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捨てられないカレンダー(その3)

2020.01.20.22:43

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これはロシアイコンの2001年のカレンダー。ロシアイコンなんて言っても普通の人は何?それ状態でしょう。ロシア正教、いわゆる東方教会の聖像画です。ロシア正教会では祭壇と信徒席の間にイコノスタシスといって、イコン画で覆われた壁を作るんですね。しかもこのイコン画の上に顔以外の部分に豪華な金でできたカバーをかけたりするようです。

いや、無論私はロシア正教の信者ではありません 笑)ただ、これまた昨日のブリューゲルがらみで書いたタルコフスキーの長編第2作目に「アンドレイ・ルブリョフ」という映画があります。以前書いたことがあるけど、この映画のおかげでアンドレイ・ルブリョフってどんな人なのかと興味を持ったのでした。

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流石にこの本はアマゾンでも全くヒットしません。14世紀から15世紀にかけての人で経歴などはほとんどわかってないみたいですが、映画では監督のタルコフスキーが自らをルブリョフに投影して描いていて、それについては以前書いたとおりです。

というわけで、このカレンダーもルブリョフの絵をずっと20年ぶら下げていたのでした。
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これは聖三位一体という絵で、タルコフスキーの映画は最後に雷の音のする中を水辺で馬が幸せそうに立っているシーンで終わりますが、なんとなくその幸福そうな感じが、描かれているものは全く違うんだけど、この絵と共通するような気がしています。


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捨てられないカレンダー(その2)

2020.01.19.17:08



1995年のブリューゲルカレンダーです。ずっと気になっていたんだけど、この画家の正式な発音は、オランダ語の発音では g は ng を除きハ行になるはずだと思っていたんですが。で、Forvo で調べると、ピーテル・ブロェーヘルとかブリューヘルとか、そんな風に聞こえますね。ブリューゲルは中野孝次の「ブリューゲルへの旅」という本を読んでものすごく面白くて、無論それ以前から知っていたけど、この本で知った絵もたくさんあって、おかげでブリュッセルへ行った時は、この絵で初めて知った「狂女フリート」があるマイエル・ファン・デン・ベルフ美術館を探し探し見に行ったのでした。
狂女フリート

この写真じゃなんだかよくわからないですね。まあ、変な絵です。ブリューゲルの「死の勝利」とタイプ的には似てるかな。ヒエロニムス・ボス的なタイプを狙ったのでしょう。

この美術館、なんか昔の金持ちの家をそのまま美術館にしたような、狭く暗い不思議な空間でした。
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でも、それ以上にやっぱりウィーンの美術史美術館の「雪中の狩人」! 以前にも書いたけど、私のパソコン画面はこの絵です。
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この絵は以前書いたソ連の映画監督タルコフスキーの「惑星ソラリス」の中で非常に印象的に出てきます。また、同じく書いたことのあるタルコフスキーの「鏡」の中の少年時代の軍事教練の思い出のシーンの映像が、誰がどう見ても間違いなくこの「雪中の狩人」だ、とわかるシーンがあります。

というわけで、このカレンダーは20年以上「雪中の狩人」の面だけぶら下げられておりました。
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今回は四半世紀前の私めの顔もチラ見せ 笑) まだまだ続く捨てられないカレンダーシリーズです 苦笑)


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捨てられないカレンダー(その1)

2020.01.18.12:12

部屋の掃除をちまちまと行なっています。私の部屋の壁にはいろんなものが貼ってあったりぶら下がっていたりしてますが、地味目にぶら下げてあったのが、どうにも捨てられないカレンダー。まず、1986年のカレンダー、そのうち待ってれば同じ曜日と日付になる年が来る? 笑)
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プラスチックのカバーがあってそれはだいぶ色がくすみましたが、カバーをめくれば、もう35年も前なのに綺麗なままです。
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これはパウラ・モーダーゾーン=ベッカー(モーダーゾーンは旦那の名前)という20世紀初頭のドイツの女流画家のもの。ゴッホやセザンヌのような絵を描き(この絵はむしろヴォルプスヴェーデ派の雰囲気があります)、産褥熱で若くして亡くなってしまった人で、まあ、知ってる人はあまりいないでしょうけど、初めて海外旅行をしたとき、北ドイツのヴォルプスヴェーデという芸術家村へ行って、そこの美術館で見たのでした。ここには世紀転換期に数人の画家たちが集まって切磋琢磨しあっていたのでした。

その後、村のレストランで時間のズレた昼食をとっていると、オーナーがわざわざ出てきて(向こうではよくあること)、料理はどうだ? と聞いてきて、挙句に壁にある静物画をこれはパウラ・ベッカーの絵だ、パウラ・ベッカーを知ってるか? と聞かれ、おう、もちろんだ、彼女の絵を見るためにここへ来たんだ、と言ったらやたら喜んでくれたので、記念写真まで撮ったのでした。
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まあ、実際はパウラじゃなくてハインリヒ・フォーゲラーという画家の絵が目的だったんですが 苦笑)フォーゲラーはその後日本でも展覧会がありました。
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フォーゲラーはこんなみずみずしい絵を描き、日本の雑誌「白樺」で紹介されたりした人なんですが、後年は共産主義革命に感激してソ連へ移住し、独ソ戦が始まると強制的に移送されて衰弱死します。種村季弘「ヴォルプスヴェーデふたたび」という本でその経緯が書かれていますが、この本は当時結構話題になりましたし、ものすごく面白かったですが、もう古本しか手に入らないようです。
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で、このフォーゲラーが住んでいたのが、バルケンホーフというユーゲントシュティルという建築様式の典型的な建物とされる家です。同じユーゲントシュティルの建築物は小金井公園の江戸東京たてもの園にデ・ラランデ邸がありますが、これは以前書いたので。他にもまだまだ捨てられない古いカレンダーがありますが、今日は第一弾ということで、この辺で 苦笑)


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「バベルの塔」展

2017.05.30.21:55

面白い展覧会でした。そもそも、僕の大好きな15世紀から16世紀のフランドルの絵画で、ボスやブリューゲルは言うまでもないとしても、バウツとかダフィトとかパティニールは、何度も読んだ古典的名著と言われるフリートレンダーのネーデルラント絵画史に出てくる画家たちです。

しかし、やっぱり何をおいてもブリューゲルの小バベルですね。これは1993年にも展覧会があって、その時も見に行きました。初めて見たのは1990年にロッテルダムへ行った時に見たんですが、その展示の仕方があまりに無防備でさわっちゃおうかと思ったほどでした 笑)

さて、今回の展覧会では巨大な拡大図などが用意されて、CGで動かしたりして、いろんな面白い企画をやっていました。当時のクレーンの動力もハムスターみたいで笑いました。この絵って、上から下へ二箇所白と赤の線が入っていて、何だろうと思っていたんですが、漆喰とレンガのくだけた後だということで、ブリューゲルの一種偏執狂的な細かさもわかり、面白かったです。しかし、実際のサイズから行って、人間なんて豆粒、多分筆をポチっとやればそれで終わりのはずなのに、それぞれの豆粒に動きがあります。

しばし、15、6世紀のフランドルへ思いを馳せてきました 笑)

もう勢いで色々買い込んできました。
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左が今回のパンフレット、真ん中と右は1993年の展覧会のものです。

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定番のTシャツ。このところ友川カズキTシャルとかたくさん買い込んだので、この夏はTシャツには困らなそう。

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そして1000ピースのジグソーパズルです。下の箱がそれ。上のは同じブリューゲルの「バベルの塔」の2000ピースですが、ウィーンの歴史美術館にあるもので、いわゆる大バベルとよばれているもの。今回のものより色合いが明るいし、もっと大きいものです。個人的にはこちらの方が好みです。

以前にも書いたことがありますが、マンション住まいの時にはこのジグソーが飾られていました。今は私の机の横に目立たないように置かれてます 笑) これ以外にもネーデルラントの諺という3000ピース「一角獣と貴婦人」の木製のやつなんかが、まだ手付かず状態で、これを作るのはいつになることやら。



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ユーゲントシュティル

2017.03.16.23:33

やっと忙しい4日間が終わり、昼に免許の更新にうちから6キロほどの府中の運転免許試験場へ行ってきました。一応無事故無違反の安全運転ですので、講習も30分でサクサクと終了、帰りに小金井公園の前を通過するとき、あまりに陽気がいいので、前から見たかった江戸東京たてもの園に寄ってみました。以前、知り合いのFBで見てて、行きたいなと思っていたデ・ラランド邸。素敵な建物です。
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ユーゲントシュティルっていうやつで、この様式で有名なのはドイツのブレーメン近郊のヴォルプスヴェーデにある、かつてフォーゲラーという画家が住んでいた家です。

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実は大昔、この家を見るために、ブレーメンからバスに1時間近く乗って行ったことがありました。ただ、冬だったので、こんな感じで、今ひとつでしたね。

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レンガ色の屋根が特徴なのに、雪で真っ白でした 笑)


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藤田嗣治展

2016.12.10.17:50

府中でやってたので、うちから一番早いのは自転車だというわけで、自転車で行ってきました。今回のお目当ては藤田の描いた戦争画の大作3つ。いや、藤田嗣治にそれほど興味はなかったんですが、昔、もう30年近く前でしょうか、TVの深夜にやっていたドキュメンタリー番組で、藤田と坂本繁二郎が比べられていて、坂本はついに戦争画は描かなかったのに対して、藤田はパリに長年いながら軍国主義日本に戻ってきて戦争画をたくさん描き、戦後はパリへ逃げ帰ったというような話が出てきて、ずっと気になっていたのでした。

坂本繁二郎の場合は戦争画になりそうにないタイプの絵だけど、藤田だって有名なトレードマークの乳白色を捨てて、あんな暗い絵柄の戦争画をいくつも描いたんだと考えれば、坂本だってそうする可能性はあったんでしょうけど。何れにしても芸術家と戦争のテーマはナチスとフルトヴェングラーをはじめとして、いろんなことを考えさせてくれます。

というわけで、どんなものかと思った戦争画は正直に言って、あまり思うところはありませんでした。サイパンの絵の右端にボッシュやブリューゲルの地獄のような部分があり、これまで自分がやったことのない冒険・実験をしたかったのかもしれません。ともかく、この絵で戦意を高揚させようと思ったとは、ちょっと信じられません。

というわけで、今回気に入った絵の一つバラの絵のバックを買ってきました。

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……追記、12/10、18:30……
今、ネットで調べたら上記のドキュメンタリー、木村栄文という有名なディレクターが製作したものらしく、題名も「絵描きと戦争」で、1981年に放映されたみたいです。数年前に渋谷で回顧展でやったようです。僕が記憶していたのは岡本太郎の言葉だったみたいですね。藤田を擁護する人も随分いたようだけど、そちらはあまり覚えてません。もう一度見たいなぁ。こちらのブログに詳しいですので、興味があればどうぞ。 http://ryo-jin.at.webry.info/201202/article_26.html



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ゴッホとゴーギャン展

2016.11.29.23:09

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昔の映画にゴッホをカーク・ダグラスが、ゴーギャンをアンソニー・クイン(ザンパノや!)が演じた映画がありました。昔はこういう画家や音楽家を描いた映画ってたくさんあり、しかも、それをTVでよくやっていたんですよね。

このゴッホの映画ですが、なんとなくゴーギャンが無口で嫌な奴の印象が残っています。それに対して、何しろカーク・ダグラスのゴッホですからね。鬼気迫る演技しすぎのカーク・ダグラスですからね 笑) 特に包帯を巻いたカーク・ダグラスが、結構ゴッホっぽさがよく出ていた記憶があります。

というわけで、個人的にはゴッホはともかく、ゴーギャンは題名がやけに哲学的なわりに、絵そのものはあまり心を惹かれなかったんですが、今回見てなかなか色合いのバランスが魅力的だな、と思いました。そして、ゴーギャンの最後のひまわりの種を取り寄せた話と、椅子の上のひまわりの絵には、ちょっと感動しました。



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ラスコー展

2016.11.18.23:29

上野の国立科学博物館で行われているラスコー展を見てきました。2万年前の人間が描いた絵が残っているっていうのも驚きですが、それがつい75年前に発見されたというのも驚きです。そして、現在では絵の保護のために洞窟内へ入ることはできないそうです。

ただねぇ。。。人類ってまるで進歩してないんだなぁ、というのも再確認。2万年前の人間がこんなにリアルな絵を描いたってことは、逆に言えば、ちっとも進歩してないじゃないか、ってことです。これらの絵を描いたのはクロマニョン人、僕らの直接の祖先にあたるわけですが、その前のネアンデルタール人は2万数千年前に絶滅しました。

2万年後の人類はどうなっているんでしょう。いやいや、200年後だってどうなっていることやら。。。

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これはおみやげ物屋で購入した消しゴムです。何考えてるんだ!と家族みんなから激しくバッシング 苦笑) 



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ルーカス・クラーナハ展

2016.10.22.01:31

上野の西洋美術館で見てきました。僕は自己紹介にも書いてあるように15、6世紀のフランドルの、ファン・エイクからブリューゲルあたりまでの絵が特に好きなんですけど、なんでそんな古い絵が好きなのかな、と考えてみると、実は、絵じゃなくて、あの時代の雰囲気が好きなんだろうな、という気がしてきます。

ホイジンガというオランダの歴史学者がいて、その著作に「中世の秋」という本があるんですが、その時代のメランコリックな雰囲気とか、敬けんで静謐な宗教的な情感とか、そんなものに憧れていた、とともに、これらの画家たちの絵に描かれている人々の佇まいに惹かれたんでしょう。実際の画家たちは、ホイジンガの本でも指摘されていたけど、そうした静謐で敬けんで宗教的な世界とは真逆の、宮廷や貴族や金持ち階級のけばけばしい世界で活躍してたんですけどね。

まあ、それはともかく、クラーナハといえばやっぱりファム・ファタルというやつ。普通運命の女とか訳すんですかね? 男を破滅させる女のイメージ。敵将を色仕掛けで酔わせて文字通り寝首をかいてしまう美女、ユーディットの絵が一番有名でしょうか。この絵、画集なんかで見るよりずっと明るいのに驚いたんですが、どうやら最近修復されたようです。

クラーナハは工房で大量生産したんで、ものすごい数の作品があるらしく、女性の顔は魅力的なのもあれば、なんか下手くそな印象のもある。ヌードも、やたら妖艶な魅力的な(まあ、俗にいえば「いやらしい」)のもあれば、腹ぼて気味でなんかゴツゴツ腰骨が浮き出てんじゃないのって感じの、あまり魅力的じゃないのもある。今回来ていた中では、やっぱり会場に入ってすぐの聖母子像とユーディットが一番でした。それと、今回実物をたくさん見て思ったのは、なんか黒い色がものすごく黒いという印象です。それは肖像画の背景だったり、森の木々の間の影の色だったり、ルターの僧服の色だったり、いろいろなんですが、恐ろしいぐらい黒いというのが印象に残りました。

デューラーの版画なんかも一緒に展示されていて、見比べると、クラーナハはデューラーより、やっぱりワンランク下なのかな、なんて思いました。例えばクラーナハのルターの肖像とデューラーのメランヒトンの肖像の差は、モデルの違いを別にしても、同じ銅版腐食版画であるにもかかわらず、迫力がずいぶん違います。デューラーもそうですけど、なんとなく無骨な感じで、イタリアルネサンスの絵画なんかと比べると、逆に写実的なのかな、とも思えます。なんか、みんな田舎の姉ちゃんみたい 笑)

金曜の3時ぐらいから見たんですが、けっこう人は入ってましたね。



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魔女の秘密展

2016.02.20.11:27

昨日は昼過ぎから魔女の秘密展へ行ってきました。魔女除けのブツが置いてあったり、魔女の立場になって審問を受けたり、拷問道具の実物が置いてあったり、首切り人のマスクの不気味さなんてハンパじゃない。なかなか面白かったです。スペイン長靴というすねを圧迫していくのなんか、冗談じゃないよねぇ。拷問好きのハンジ(進撃の巨人)なら喜びそう。

見ているそばに全身黒と紫の魔女の格好した若い女の子たちがいて、とんがった黒い帽子までかぶって、さすが原宿、いろんな人がいるんだな、と思って展示場から出て監修者の魔女おばさん(笑)や裏方さんと談笑、入り口に誰でも自由に羽織れる魔女の装束がいくつもぶら下がっているのに気が付き、おもわず、ああ、ここでこれ貸しだしてるんだ、だから中にも魔女の格好をした子たちがいたんだ、と一人納得して言ったら、この装束はこの場だけで貸し出しはしてないとのこと。あれ?でもそういう格好した若い子たちがいたんですよ、と言っているそばを、まさにその子たちがぞろぞろと。。。みんなで顔を見合わせて必死に笑いをこらえました。裏方さんに教えてもらったところ、ゴシックロリータというんだそうです。

まあ格好良いけど、でもあの格好で地元(自宅)へ帰っていくんでしょう? それとも帰りがけに駅のトイレででも着替えるのかなぁと、連れあいに話したところ、でもそんな滑降して魔女展を見に来るなんて、意識の高い魔女たちだわよ、とのこと。

「魔女の秘密展」のお知らせ

2016.01.21.00:20

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昨年春の大坂から、新潟、名古屋、浜松、広島、そして最後に東京で、2月19日から3月13日まで、ラフォーレミュージアム原宿で開催されます。敬愛する魔女おばさま 笑)が監修したアヤシイ展覧会 爆)で、小生もカタログに微力ながら協力させていただきました。ご興味がありましたらご覧いただけると幸いです。

この記事は展覧会が終わるまで拙ブログトップに出るように、日付を3月13日にしてあります。(2016年1月21日・記)


東京での展覧会が終わり、この後は福岡で4月初めから開催されるようですが、とりあえず、この記事を書いた日付に戻します。(2016年3月14日)

ウィーン美術史美術館・風景画の誕生展

2015.09.25.23:00

久しぶりに都心に出たので渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで表題の展覧会を見てきました。

地味な展覧会なのか、それとも雨のせいなのか、あまり人が入っていませんでしたが、僕としては大好きな画家の一人ヨアヒム・パティニールが一枚あったので、絶対見たいと思っていたのでした。

この画家は残っている確実な絵は10枚ぐらいしか無く生涯も謎。だから、ほとんど知られていないと思いますが、個人的には15世紀、16世紀のネーデルラントの画家たちについて書かれたマックス・フリートレンダーの古典的な名著「ネーデルラント絵画史」で知って以来、どうにも気になってしょうがない画家の一人。


さらに最近「青のパティニール」という本も出版されました。


本屋で見て、もう完全に衝動買い。読んでから必ずブログに書こうと思っていたんですが、どうもこのところ、全く違う本をまとめ読みしていて、どうやら当分読みそうにありません 苦笑)

この人、風景画の巨匠なんですが、情けないことに 苦笑)人物画が苦手だったんですね。なので仲良しの、以前紹介したクエンティン・マサイスなんかに人物像だけを描いてもらったりしているんですね。もっともこの時代のこういう合作は常識なんですが。

なんでこういうネーデルラントの絵に魅了されるのか、よくわからないんですが、昔からなんとなくこういう褐色や緑や青の色合いの絵が好きだったんですね。それと輪郭がくっきりした、なんか空気が澄み切ったような感じや、絵の中の世界のたたずまいとでもいうのか、穏やかでゆったりと時間が流れているような感じが好きなんです。

最近むちゃくちゃブームになっているフェルメールなんかにもそういう時間の流れというか事物のたたずまいというか、そういうものが感じられるんだけど、でもフェルメールに比べれば絵のレベルとしては、たとえば構図やデッサン力なんかも含めて、かなり劣ると思われるパティニールの方が好きです。まあ、描く対象が全く違うし比べる方がおかしいのかもしれないけど。

ちなみに私のパソコン、ランダムに出てくるスクリーンセーバーの中のひとつはパティニールの「カロンの渡し守」 笑)

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©  https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1b/Crossing_the_River_Styx.jpg



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鴨居玲はすごい!

2015.06.26.22:25

今日は東京駅のステーションギャラリーへ行ってきました。ここは15年ぐらい昔でしょうか、ハインリヒ・フォーゲラーという19世紀末の北ドイツの画家の展覧会を見に行ったことがありました。ここへ来たのは、おそらくそれ以来ですね。今回、知人に勧められて、7月20日までというので出かけてみました。

凄かったです。人間が赤黒いんですよ。人物が塊(かたまり)として黒々と描かれるのはともかく、描かれている老人や老婆のおでこと鼻だけが見分けがつくだけのような絵がものすごい迫力でした。スペインにいたと言うこともあるのか、ゴヤのサチュルヌスなどのいわゆる「黒い絵」群のような黒々した感じで、老婆や傷痍軍人だけでなく、酔っぱらって踊っている老人でさえも、なんとも痛々しい絵ばかり。特に晩年の一連の自画像はなんとも痛ましい。みんな口を半開きにして惚けたような悲しい顔をしています。確かに主題的にはわかりやすすぎてつまらないとも言えるんですけど。だけど、他の絵と違ってバックを真っ赤にした「出を待つ」と題された道化師の絵などは、死の世界という舞台への出を待つ道化師の姿をした自画像なんだろうなぁ。

人物像が暗いもの以外でも、なんか肌の色が死人の色とでもいうのか、どうしようもなく暗く重たく、鴨居玲はすでに30年も前に亡くなっているにもかかわらず、現代の雰囲気にヘンにピッタリとはまっている気がしました。



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クエンティン・マサイスの絵

2015.04.17.19:18

今日は午前中時間があったので国立新美術館のルーブル展へ行ってみました。午前中、それも開館すぐだから空いてるだろうと思ったら、いやあ、想像以上の人数でした。なんといってもフェルメールですからね。他に並んでいる同時代の風俗画や静物画と比べても際だっています。人も事物も輪郭が光にまみれて柔らかいし、なにより構図のバランスが凄いですよね。

実はフェルメールは実物を結構観てます。ドレスデンやアムステルダムやベルリン、ウィーン、フランクフルトと、たまたま旅行した先に偶然あったんですよね。それから日本であった展覧会でも結構観ています。数えてみたら今回の「天文学者」で14作品目。まあ、このネットで何でも観られるご時世、本物を観たからなんだ、という気持ちもないことはないんですがね。

で、実は今回のお目当てはクエンティン・マサイスという画家の両替商の夫婦の絵。

かわいい奥さんと、魅力的とはとても言えないダンナの絵で、この時代の北方ルネサンスの絵画にはこういうの、たくさんあるんですが、一番有名なのはファン・エイクの「アルノルフィニ夫妻」

なんか陰険で意地悪そうな夫と品の良い可愛い奥さんという取り合わせ。このダンナだけの肖像画というのもファン・エイクの絵にあって、そちらはこれより少しマシだけど、やっぱり意地悪そう。これがさらに極端になると不釣り合いな夫婦っていうテーマで、ルーカス・クラーナハ父子なんかが醜い老人と若く美人の奥さんの絵をたくさん描いています。

必ずしも夫が年寄りと決まっていなくて、逆に奥さんがお婆さんで若いハンサムなダンナという組み合わせもあります。まあ、これは必ず金が絡んでいるんですね。アルノルフィニも豪商でしたし、このマサイスの両替商もそうでしょう。可愛い奥さんは聖書をめくる手を止めて、ダンナが天秤で量っている金を思わず見つめています。

ブリューゲルの農民の踊りでも右側にいる手をつないでいるカップルは老人と若い娘で、このテーマがさりげなく隠されているという説をどこかで読んだことがあります。

テーマはまあそんな感じなんですが、マサイスはイタリアでダ・ヴィンチの影響を受けたと言われていて、かつて私も観て感動したんですが、ベルリンにあるマグダラのマリアの絵はとてもいい絵だと思います。輪郭のおぼろな感じはダ・ヴィンチのスフマートという手法を取り入れたと言われています。

この両替商の夫婦はそうしたダ・ヴィンチ風の輪郭ではなくくっきりしていて、むしろ素朴な感じで、遠近法もずれているし、細部の思いっきり力(りき)の入ったリアリティに対して、大きな意味でのバランスがちょっとおかしいような気がするんですが、なんとも言えない静かなたたずまいに魅了されます。のちほど、納戸にある画集で見直すことにしましょう 笑)



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プロフィール

アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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