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障害者・患者9条の会のご案内

2011.08.26.16:27

友人から回ってきたお知らせ。このブログを覗く方にも、ひょっとして関心のある方がいるやもしれませんので、ご紹介しておきましょう。わたしは、ちょっと忙しくてへろへろしてるんですが、行くつもりです。

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障害者・患者9条の会
2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
「平和に生きる権利を いま、何を学び、何を行動するか」

日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分~16時
会場 東京都障害者福祉会館(田町)
   http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/syoukan/toiawase/index.html
○主催者あいさつ 太田修平
○記念講演 中澤正夫(精神科医)
  「ヒロシマとフクシマ -目を背けてはいけない史実と事実」
○特別報告 
  石川勇(東京肢障協)「空襲、闇市世代、それから」
  坂下共(きょうされん)「軍隊を持たない国 コスタリカの今に学ぶ」
参加費500円
○詳細は http://www.nginet.or.jp/9jo/index.html

国連の障害者権利条約と障害者基本法改正案素案

2011.03.02.10:34

国連の障害者権利条約というものがあります。ヴィキペディアの文言を借りれば、「あらゆる障害のある人の尊厳と権利を保障するための人権条約」ということになります。詳しくはこちらをどうぞ。ヴィキペディア「障害者権利条約」

これは2006年末に国連総会で採択され、現在98カ国が批准していますが、日本はまだ批准していません(後記2015年5月12日追記:2014年に批准しました)。先進国で批准していないのは、北欧の、障害者権利条約にうたわれている以上の高福祉国を除けば、ロシアとアメリカの困った二人組(後記2015年5月12日追記:ロシアは2012年に批准しました)。しかし、もう一つ気になる中国は批准してます。EUの国々で批准していない国がありますが、EUはまとめて集団批准しています。詳しくはこちらをどうぞ。Convention on the Rights of Persons with Disabilities

この条約を批准するために法の改正が必要ということで、民主党政権になり、内閣に「障がい者制度改革推進会議」が作られ、当事者も加わって様々な議論が繰り返されてきました。これは確かに画期的なことでした。

そして先日、障害者基本法の改正案の素案が発表されました。これについては先日も書きましたが、文言を見ると笑っちゃいます。

友人が教えてくれた北海道新聞の記事からいくつか文言をピックアップしてみます。

●障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかの選択の機会が確保される。

●国、地方公共団体は、障害のある子供、保護者が、可能な限り地域社会で支援が受けられる必要な施策を講じなければならない。

●障害を理由とする差別を防ぐため、負担が過重でなければ、社会的障壁をなくすために合理的な配慮をしなければならない。(下線ヴァルデマール)

悪い冗談だろ?っていうぐらいです。【言うまでもなく、「可能な限り」というのは、可能ではなかったんですという言い訳、「負担が過重でなければ」というのは、負担が過重だったんですっていう言い訳のために付け加えられた文言で、もうすでに、この時点において、行政が逃げ場を準備しているわけ。いうなれば、「障害者はどこで誰と生活するかの選択の機会が確保される、なんちゃって」って言ってるようなものですね。こんな建前を繕った文言で国連の条約を批准しようだなんてのも、かなり図々しい話であります。3/2, 22:20 追記】もちろん、これについては笑ってばかりもいられない。上記の「障がい者制度改革推進会議」での意見が反映されていないとして、各障害者団体だけでなく、日弁連からも批判の声が上がっています。

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自立支援法違憲訴訟団が声明

2011.02.19.11:09

すでになんども書いてきました。障害者自立支援法がらみの話です。ある意味でこの法律には現在の日本の問題が潜んでいるような気がします。福祉の問題は、その国がどういう方向を向いているのかが端的に表れる問題だと感じています。

自分でも確認したいので、もう一度おさらいです。

2006年に障害者自立支援法という法律が施行されました。障害者の自立を促すという看板を掲げ、障害者が生きていくために必要とする介助をサービスと称し、サービスは買うものと言って一律1割を障害者に負担させるというものでした。障害者の負担が増えただけでなく、関係施設も補助金がいわば歩合制となったため、また国から出ていた補助金が地方へ丸投げされたために生じる地域格差もあり、日本各地から先進国とは思えないような話が伝わってきました。

2008年には全国各地で障害者が同法に対して違憲訴訟を起こし、その後、ご存じのように2009年夏の政権交代のおかげで、2010年1月に違憲訴訟の原告と厚労省のあいだで障害者自立支援法廃止と、この法律に対する反省を述べた基本合意文書を取り交わし、遅くとも2013年までに新法に移行するとしたのでした。そしてそのために当事者を中心とした「障がい者制度改革推進」のための会議を設置して施策の立案・実施に当たるとしたのでした。

その第1回目の会議で、担当の大臣は「国連の障害者権利条約と基本合意文書が基礎である」と強調しました。ところが、その後、去年の春過ぎ頃から、自公が提出した自立支援法延命策とも言える「障害者自立支援法改正案」に、民主党が国会対策上の駆け引きの道具として、これを認めようとする動きが現れ、すったもんだした末に、これが年末に一部改正法案として可決されてしまったことは拙ブログでもしつこく書いたとおりです。

この間も、上記の改革推進会議は続けられ、先日、2月14日に第30回目の会議が開かれ、そこで行政側から「障害者基本法改正案」が公表されました。それに対して、いままた、先の自立支援法違憲訴訟団が声明を出しています。

「2011年2月14日、第30回推進会議において公表された障害者基本法改正案は、私たち訴訟団の期待を大きく裏切り、基本合意に照らしても、極めて憂慮すべき水準である。」(下線はヴァルデマール)

「基本法改正が障害者の声を反映せず、改革の基本理念を実現できないものであれば、2012年に国会に上程予定の総合福祉法もおよそ障害者の声を実現しない、基本合意に反するものになるのではないかと強い危惧を覚えざるを得ない。政府は大至急、「改革」の根本理念に立ち返り、推進会議の意見を尊重した障害者基本法改正案に修正すべきである。」(下線はヴァルデマール)

日弁連も宇都宮健児会長名で「閣議決定に沿った障害者基本法の抜本的改正を求める会長声明」を出しています。

こうした流れを見てくると、国は当初認めたことをなし崩し的に無視していこうとしていると考えたくなります。


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不可解なり!障害者自立支援法一部改正法案(3)

2010.12.02.20:54

今週に入って国会は空転し続け、そのため厚生委員会も開かれず、気がかりだった自立支援法一部改正案も可決されないままできました。ところが最終日を目前にして、民主党と自民党は、民主党が成立させたい能力開発機構関連法案と国民年金法改正法案を次期国会で継続審議にすることを条件に、自立支援法を採択する方針を決めたようです。明日(12月3日)の午前中に厚労委員会を開催し、12時から参議員本会議で可決するつもりのようです。

つまり別の法案を通すために障害者自立支援法改正案を可決するというわけで、「政争の具」とされたというわけです。

繰り返しですが、今年の1月7日には長妻厚労大臣が障害者の尊厳を深く傷つけたことをこころから反省し、当事者の意見を真摯に聞いて新しい制度を作っていく、と約束したはずですが、どこをどう切り取っても自立支援法の延命法案であることは明らかな改正案(つまり旧与党と厚労省で作った案)を可決するとは、あきれてモノも言えません。

わたしは前に書いたように、民主政権に大いに期待していました。しかし、これまで何度か書いた言葉がやはり当てはまるのだという感を強くしています。

「革命は横領された。革命理念の横領者たちが支配し、俗物の立て直しを行っている」


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不可解なり!障害者自立支援法一部改正法案(2)

2010.11.25.08:08

右のリンク先にもある障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会からニュースが届きました。

昨日(11/24)は参議院前に各地から300人が集まったそうです。なかには愛知から2万円の交通費をかけてやってきた人まで。その人達がそれぞれ分担してすべての参議院議員に今回のことに関して話を聞いてもらったとのこと。党首や何人かの国会議員は直接話を聞いてくれたり、旧与党議員の秘書はしっかり話を聞いた上で最後に「勉強になりました」と言ってくれたり、衆議院とは違って話を聞く姿勢が感じられたということです。個別な問題点に関心のある方は右のリンクボタンから障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会へ行ってみてください。

以下は太田修平事務局長の訴えです。

---------------------
明日25日(木)が大きな山場です。
予定されている厚労委員会採決は見送られるかもしれないとの情報が入っています。
国会の混迷に加えて、「改正」法案NO! 約束どおり新法つくれ! 
のわたしたちの声が大きく影響していることはまちがいありません。
正念場の25日、私たちがどれくらい集まって強く訴えられるかで
歴史を大きく変えることができる可能性が生まれているのです。

12時半に参議院議員会館前に大集合です。
ふたたびの廃案に出来るかもしれません。
万事繰り合わせの上、一人でも多くのみなさん、国会に集まりましょう!
このメール、一人でも多くの方に伝えて下さい。

今日24日は、13時から、国会前集会と議員要請行動を行いました。
集会では、総合福祉部会無視の、そして訴訟の基本合意無視の「改正」案を許さない、
などとする訴えが次々とだされました。

明日25日は今日の3倍以上が必要です。
私たちはあきらめないで闘い続けます。
どうぞ、よろしくお願いします。
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不可解なり!障害者自立支援法一部改正法案

2010.11.21.22:46

拙ブログは基本的に自転車レースを中心としたブログです。読みに来てくださる方で障害者問題に関心を持っている方はあまりいないと思います。でも、いま起こっている事態は障害者の問題だけでなく、日本という国のシステムが今後どういう方向へ向かっていくのかを暗示している問題だとおもっています。ぜひ読んでください。

去る18日に衆議院本会議で、自立支援法一部「改正」法案が審議なく可決されてしまいました。この法案はこのブログでも取り上げましたが、5月に成立目前で廃案となったものでした。そして今またこの廃案になった法案とまったく同じ内容の法案がゾンビのように提出され、審議もなく可決されたのです。

障害者自立支援法訴訟和解のエントリーへ
障害者自立支援法は廃止じゃなかったの?のエントリーへ
ベランダから富士山でも見るベエのエントリーへ
民主党に完全に失望したわたしのエントリーへ
障害者自立支援法改正案について、東京新聞よりのエントリーへ
障害者自立支援法「改正」法案は廃案 \(^O^)/のエントリーへ

一週間ほど前の朝日新聞(2010/11/16)には「障害者の一律負担廃止法案が成立へ」という見出しとともに、それが喜ばしいことであるかのような記事が出ていましたが、この記事を書いた記者は間違いなく自分で当事者関係者に取材していません。役人の発表をそのまま書いただけです。この記事では「現行の原則1割から支払い能力に応じた割合に変えることを柱とする」と書かれていますが、とんでもない大嘘です。記者も少しは自分で法案の文言を読めっていうの!!

自立支援法の問題点をもう一度明確にしておきます。つまり、本人の所得保障も生活保障の条件も満足にできていない状態で、あたかも障害は自己責任であるかのように(この言葉がブームだった当時、ホントにそう言った役人もいるそうです)、サービス(生きるために必要なことがサービスか??)にたいして一律1割の額を取るというシステムです。額がどうのではなく、この思想がおかしいのです。そして今回の改正案では、これまで明記されていなかった一割という言葉が入っています。どこが「支払い能力に応じた割合に変える」なのだ?しかもこの支払い能力は本人だけでなく家族の収入も対象にしています。つまり、先日書いたように、家族が責任を負え!というシステムです。これでは「死」と書いた写真をばらまく不幸な母親が出てくるのは当たり前です。ふざけるな、と言いたい。

下の動画を是非みてください。今起こっている問題がよく分かる当事者の意見です。


なお、今後参議院本会議を通過すれば、この法案は成立します。民主党政権の誕生を喜んだのですが、冷や水を浴びせられている、と言うような生やさしい表現では、今の気持ちを言い表せません。やはり、「革命は横領された」という言葉が一番ぴったりします。

追記(2010,11/22,7:25)-------

さっそくこのエントリーにコメントをくれた人がいたが、あまりに低俗で事情を理解しておらず、反論するにも値しない、それどころか、話して分かる相手ではないと判断して、拙ブログ初ですが、コメントを削除しました。あしからず。おそらく高校生かなんかでしょう。どうせもう拙ブログをのぞきに来ることはないでしょうし。

ただねぇ。こういうコメントをくれた人に思いを馳せると、やっぱりなんか言いようのない不満を抱え込んで、それを他人にぶつけることで発散させているんだろうなぁと思うわけで、こういうのってやっぱり個人の性格の問題ではなく、社会のありようが映し出されているんだろうなぁと思うわけ。ま、単純化しすぎかもしれないけどね。

障害者福祉の問題を自分に、あるいは自分の家族に明日にも起こる問題だと考えるだけの想像力を持たない人に、何か言っても無駄なのでしょう。コメントを書いた人も、将来、自分が、あるいは自分の子供が、あるいは親が障害を負うことはありえるでしょうに。だからこそ、福祉は国家の基礎でなければならないはずなんですよ。


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障害児の写真に「死」と書いた女逮捕

2010.11.14.22:24

新聞でこのニュースを知ったときの気持ちは、言いしれぬ悲しさだった。そして今、犯人が障害児の若い母親だと発表された。悲しさはさらに深まった。

とんでも無い女だ、なんという母親だ、とみんな思うんだろう。また、女の供述「他の児童と差をつけられて悔しかった」という言葉から、当該障害児施設にたいして疑惑を向ける人もいるんだろう。

むろん、施設からカメラを盗んで加工してプリントしてばらまくっていう行為そのものを擁護するつもりなどない。でも、彼女がそこに至らざるをえなかった事情を思うとき、実はニュースを告げるアナウンサーが眉をしかめて語ることとは違うこの国の社会福祉の貧しさが見えるような気がする。

たとえば、北欧では障害を持った子供を産んだ母親の元には役所からすぐにカウンセラーがやってきて、母親に対する手厚いカウンセリングをしてくれる。障害があろうがなかろうが、子供を社会全体がバックアップしていくシステムがあり、カウンセラーは親に、行政がバックアップしていくから一切の心配は必要はないと明確に告げるそうである。

しかし、日本では個人に任されてしまう。一昔前よりはずっと良くなったとは言え、ひどいときにはそもそも地方自治体の職員がそうした施設の存在を知らなかったりする。さらに昨今の自己責任論で、国連の障害者権利条約なんてどこ吹く風、親に向かって障害児を産んだおまえの責任だと言わんばかりのことをいう人までいる。

だから、障害児の親が一番心配するのは、親亡き後の子供の行く末である。たとえば、今手元にそれがないので、記憶便りだが、山本譲司の「累犯障害者」だったとおもうが、後書きに住居不法侵入で裁判にかけられている知的障害の青年の話があった。彼は一緒に暮らしていた母親が死んだ後、すでに別人が住んでいるかつての母親と住んでいた家に不法侵入したのである。もちろんなにか悪意があったわけではない、単にかつて自分が愛する母と一緒に住んでいた家に戻りたかっただけだ。青年にはそこに自分と母ではなく、他人が住んでいるという事が理解できなかったのである。この話を読んで不安に駆られない障害児の親はいないだろう。

逮捕された母親の暗い怨念を支えてやることのできない日本という国のシステムと、彼女とその子供の事を考えると、ほんとうに暗澹たる思いである。

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障害者自立支援法訴訟の記事にコメントくださった方へ

2010.11.03.23:48

だいぶ前のエントリーだが、「障害者自立支援法訴訟和解」という表題で、2010年4月22日にアップした記事に、本日2010年11月3日にコメントをくださった方がいる。コメントには本来コメントでお答えすべきだろうとは思うのだが、少々長くなりそうなので、記事として、ここにその返事をアップしたい。コメント氏がこの記事を読んでくれることを祈りつつ、失礼ながらそのコメントを以下にそのままコピペする。

-------引用--------
京極高宣教授のお子さんも障がいをお持ちです
それに障がいの程度により所得の保障、負担軽減も障害者自立支援制度にはある
これは障がいが重い方ほど負担が増えることを懸念したため
まず現場の混乱、障がい当事者への誤った情報は、政治的な左翼勢力が自民叩きに利用したため
障がい当事者を政治的に利用したのが左翼勢力なのです
あと1割負担に関して
障がい当事者が経済社会的に自立できるために、負担という自信が必要になる
負担という経済的動機づけは、社会参画を促し、障がい当事者が社会の一員として生きるための武器にもなる
-----引用終わり-----

まずはコメントしてくれたことに感謝を述べたうえで、反論します。

>>京極高宣教授のお子さんも障がいをお持ちです

はい、で、これがなにか? 京極氏のお子さんが障害者だからといってなにか意味があるのでしょうか? (障害者の父親だから無誤謬だという意味?それは無茶ですよ。ー後記)むしろ、私だってあなただって明日交通事故にあったり難病になったりする可能性はあります。だからこそ障害者問題は自分のことだ、誰にでも関わることだと思っていただきたいところです。

>>それに障がいの程度により所得の保障、負担軽減も障害者自立支援制度にはある
>>これは障がいが重い方ほど負担が増えることを懸念したため

えーと、意味分かっていますかね?障害のせいでサービスを受けなければならないわけですよ。それにたいして金を払うっていう根本的な部分での考え方になんの疑問もお感じにならないのでしょうか? (つまり健常の人はそんな金を払う必要もない、どころか、そんな制度すら知らない。それから、友人に指摘されたのだけど、上記の文面から障害の程度により所得の保障があるように読めるけど、そんなものはありません。これについては何のことを指しているのか、教えていただけるとありがたいですー後記)

また現実問題として、重い方ほど負担が増えることを懸念したとのことですが、その結果はどうなったのでしょう? 障害のせいでサービスを受けなければならないのですから、重ければそれだけたくさんサービスを受けなければなりません。それだけたくさんお金を払わなければなりません。それが理不尽とは思いませんか? 

そりゃ、法律ですから日本国中すべての人にとって困る法律なら通りゃしません。個別具体的にみれば良い点だって上げることはできるでしょう。でも、おおもとの、この疑問はどうしたって払拭できません。(当事者が何万人も集まって日比谷公園で声を挙げたのは、決して左翼にノセられたからではありません、このおおもとの部分に対する反発からでしょうー後記)

>>障がい当事者が経済社会的に自立できるために、負担という自信が必要になる
>>負担という経済的動機づけは、社会参画を促し、障がい当事者が社会の一員として生きるための武器にもなる

この説は耳たこ、何度も聞いてきました。でもね、どう考えたって順番がへんです。まず障害者の賃金保証も生活保障もまっとうでないのに、障害者のプライドとかいっても無意味でしょう。(これはどう見てもあとづけの理由ですねー後記)コメント氏が当事者なのかどうかわかりませんが、もし当事者でないならはっきり言ってこの部分は非常に腹が立つところです。あんた何様だ!と言いたい。

自分に何の火の粉も降りかからないところで、社会の一員になれとかプライドを持てるようにしてやるとか。。。数日前の記事で朝日新聞の素粒子にかみつきましたが、同じ気分です。結局自分は大所高所から見下ろしながら、やれがんばれ、だの、時代のせいにするな、だの、余計なお世話だっちゅうの!

ただし、コメント氏が障害当事者で、こういうプライドを持てるようになるのは良いことだと考えているのだとすれば、それについてはもうなにも言いますまい。どうぞ粛々とサービスにお金をお支払いください。

いいでしょうか、障害故にどうしても必要なサービスにたいして金を払え、払えば自信がつくだろう、自立したことになるだろう、社会にたいしてもの申す武器になるだろうって、これを障害者がどう感じるか、そのあたりの想像力って大切です。同時にあらゆる差別の周辺にあるこうした「善意」のうさんくささに、わたしたちはいい加減気がつかなければいけないと思います。

あと、左翼勢力うんぬんの政治的な意味づけはまったく関心がありませんので、何のお答えもできませんが、コメント氏はひょっとして自民党関係者の方ですかね?むしろ日本の左翼勢力に、コメント氏がおっしゃるほどの力があれば、頼もしい限りですけどね。

多少荒っぽいことを書きましたが、再度のコメントをお待ちしております。コメント氏がこの記事を読んでくださいますように。


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障害者自立支援法「改正」法案は廃案 \(^O^)/

2010.06.16.22:30

障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会からのメールニュースによると、なんとか、今回は「改正」法案は廃止となりました。5月28日の衆議院厚生労働委員会で改正案が可決され、委員会で可決されたものはたいていそのまま本会議で議決・成立というものだったのですが、この間のごたごたのおかげか、参議院本会議は開催されず国会は終了しました。そのおかげで「改正」案は廃案です。本会議議決を待つばかりの法案が廃案になるのは異例のことだそうです。この一週間、多くの人たちが国会前に集まり、また、民主党議員にFAXやメールを送ったことが影響したのだと信じたいところです。

ただねぇ。この障害者自立支援法が成立するか、と言われていたときも、いったんは小泉自爆逆ギレ解散でチャラになったんですけどね。その後郵政オンリー選挙で小泉が大勝して、ゾンビのように復活、成立してしまったという過去がありますからね。まだ喜ぶのは早いのかもしれません。

しかし、今日のラジオでは菅内閣の法案成立数が過去最低だと非難していました。でも、これって数の問題じゃないだろう?!!内容の検証もしないで、どんな法案が成立したのか、それによってどういう人にどういう影響があるのかを言わなければなんにもならないじゃないかって思ったんですけどね。

それはともかく、菅内閣は極左内閣だとほざいている人もいますけどね、あんなんが極左だっていうなら、ぼくなんか過激派だぁね。


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障害者自立支援法改正案について、東京新聞より

2010.05.31.16:51

普天間だけならまだ我慢し、今後の成り行きをもう少しみようと言う気になったかもしれない。多くのぼくの敬愛するブロガーの方々にもそういうスタンスの方が多い。あれほど誠実に謝っている首相はこれまでいなかったと書いている人も多いし、鳩山首相がいなければ普天間はこんなに日本人に知られなかったという人もいる。

でもその同じ日の障害者自立支援法改正案の成立で、ぼくとしては、完全に我慢のリミットを越えてしまった。

土曜日の東京新聞に出ていた記事をもとに、この間の経緯を書いておきたい。表題は「『裏切りだ』障害者反発」。そして副題は「自立支援法改正案、民主が自公同調」と「政争の具?『派遣法との取引では』」とある。(以後「 」の中は東京新聞の引用。)

「障害者自立支援法が施行されたのは06年。収入に応じた負担から、原則一割負担に移行したために、障害者の負担が激増。08年には『福祉・医療サービスの量を制限し、利用分の負担を求める同法は、人間の尊厳を傷つけて違法』として、障害者らが全国14地裁で違憲訴訟を起こした。

あまりの悪評に、昨年9月の政権交代で、長妻昭厚生労働相が『今度は当事者の意見を十分聞いて新法をつくる』と同法の廃止を約束。国と原告団は『基本合意』を交わし、今年4月までに全地裁の裁判が終結した。

その約束通り、国と当事者との話し合いの場として『障がい者制度改革推進会議』が設置され、協議が始まっていた。」

ところが、28日の衆議院厚生労働委員会で、改正案が可決されてしまった。この改正案は「委員長提案という超党派の体裁をとったが、実際は昨年3月に前政権が提案した政府案とほぼ同じ内容。」しかもこれは新法施行までのつなぎだと言っているが、それなら時限立法として新法施行の2013年8月までと明記しておけばいいものを、それすらしていない。

廃止すると約束しておいて、また「当事者の声を聞いて新法を制定する」といっておいて、当事者との話し合いの場としての「障がい者制度改革推進会議」では何も説明しないまま、今回の改正案が出てきて可決されてしまった。

しかも、この改正案は「省令や政令でも対応できるような内容。百歩譲って法改正が必要としても、なぜ当事者との話し合いを踏まえて、秋の臨時国会まで待てないのか」(多田薫きょうされん事務局長のことば)という疑問がぬぐえないのである。

2005年10月、障害者自立支援法が採決されようとする委員会では、障害当事者たちが大勢駆けつけ、傍聴席に入りきれなかった。彼らの声に耳を傾けることなく、自立支援法は強行採決された。今回もまた、同じことが行われた。「当事者の声を聞かずに強行採決した前政権と同じ」という傍聴者たちの声を、民主党はどう聞くのか?


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民主党に完全に失望したわたし

2010.05.29.18:53

やれやれ、ジロでは劇的なバッソの大逆転劇が実現し、バイエルンでは、待ちに待ったツィオレクがスプリント勝利したのに、なんかもう気分は最低。期待感が大きく、少しずつ失望感が増してきたにもかかわらず、強引に信じようと努力してきたけど、もうあきまへん。普天間もきっと最後の最後にウルトラCが出るのだろうと期待していたんだけど。。。

そして昨日の衆議院厚生労働委員会では1月7日の基本合意はどこへやら、委員長起草案とやらいう自立支援法の延命とも思えるような案が採決されてしまいました。確かに、自立支援法は維持するというのが基本的スタンスの旧政権案(自公案)は採択されませんでしたが、廃案にするといっていたはずなのに、あきらかに民主は廃案をためらっていると思われてもしかたがありません。

期待したぼくが馬鹿だったのかなぁ。。。なんだか暗澹たる気分です。


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ベランダから富士山でも見るベエ

2010.05.28.08:43

100528 富士山

世の中を見回すと鬱々たるものがありますが、せめて今朝の富士山でも見ることにしましょう。

どうも、障害者自立支援法の自公が出す一部改正案を受けてやるから、こちらの出す労働者派遣法改正案に黙っていてくれという取り引きの道具にされているようです。

長妻厚労大臣も歯切れが悪い。議員立法は国会で十分論議されるはずだとか言ってますが、今年の1月7日に

「障害者の尊厳を深く傷つけた」「こころから反省を表明」し、「今日を新たな出発点として、障害者の皆様の意見を真摯に聴いて新しい制度をつくっていく。その前にできる見直しは進める」と約束

したはずなのに、さんざん批判していた旧政権の自公の案に乗るというのはどういうこと??


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障害者自立支援法は廃止じゃなかったの?

2010.05.25.09:38

一昨日のNHKBSでやっていた82年のサッカーWCの西ドイツ対フランス、伝説のゲームですね。DVDにダビングしたら失敗。消えてしまって、昨日は一日悲しんでいました。

なにしろ、このところ、なんのためだかわからんが、このタイミングでどうやら北朝鮮が暴発したみたいだし、それも理由に鳩山首相は、普天間問題であまりにガッカリさせることを言い出すし(もっとも自民党がそれを批判するのは悪いジョークだと思うが)、ついにはこんなニュースまで飛び込んできました。

右のリンクボタンにある「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会」あらため、「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」からのニュースです。

「たいへん驚く政治の動きです。
自民・公明が4月27日に提出した「障害者自立支援法改正案」に対して、
与党民主党が国会対策上、表面的な手直しをして、
同調するという動きが急展開しています。」

だって、首相も厚生労働大臣も違憲訴訟で和解し、障害者自立支援法を廃止し、当事者の意見を反映させた新たな法を作ると約束したじゃないの?内閣府に障がい者制度改革推進会議とやらを設置して検討を始めているところじゃないの?

これをふっとばして、自公の一部改定案に民主党が同調するって、どういうこと?国会対策?なに?それ??障害者問題は政争の具か??自公の愚行悪法を理解したからこそ、謝罪とこの悪法の廃止を約束したんじゃないの?

どうもこちらの期待したぶん、揺り戻しが激しいです。極右の連中までいる民主党には最初からあまり期待していたわけではないんだけど、自公よりはずっとましだと思っていたんですよね。実際、今でもそう思っていますけどね。

でも、こういう政治的に不安定な、期待と失望の連続って、ホントにヒトラー台頭直前のドイツの政治不信を思い出させます。みんなうんざりして、極端なこと、格好良いこと、マッチョなことを言い出す勇ましくて強い指導者を求め出すんですよ。友愛に嫌気が差し、指導力に不満を感じているっていうことになれば、次に出てくるのはどういう人か、本当に気をつけないといけません。


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障害者自立支援法訴訟和解

2010.04.22.12:56

タイトルの件、このブログを読んでくださる方のほとんどは知らないだろうし、関心もないかもしれない。ぼくの中学生になる長女は生後8ヶ月で脳腫瘍の手術をし、命と引き替えに視力を失った。小学校4年の次女はダウン症である。だから、障害児の父親として、どうしても昨日のこのニュースには触れておきたい。

障害者自立支援法というのが、小泉郵政選挙の自民圧勝後、多くの関係者・団体の反対の声を無視して、実にあっさりときまった。この法律の看板は障害者を保護するのではなく、障害者の自立をうながすというもので、それだけ見れば悪くなさそうである。

しかしその基本的思考方法は、障害も自己責任であるということだ。障害者が生活するに当たって介助を必要とすることの一部は自己負担せよというもの。現実の問題として、障害者がトイレに行くにも金を取られるのである。世界中探してもなかなかない法律だそうだ。しかし、TVも新聞もこうしたニュースは読者が求めていないということなのだろう、ほとんど取り上げなかった。

その時の厚労大臣は自民の中で、数少ない良識派に数えられる尾辻秀久。最近も与謝野馨に「ばかもの!」と一括した、あの人だ。この人はきっといい人だったんだろう。その後の民主党の癌で死んだ山本孝史議員の追悼演説をしたのもこの人だった。当時この法案がとおったとき、文字通り泣きながら、絶対に今より悪くしませんから、と言ってた。でも、結果は。。。

統計があるわけではないが、生活できなくなった障害者とその家族が何人も自殺した。だが、なにしろ年間3万人以上が自殺しているのだ。この10年(実はそれ以上)で30万人以上が自殺しているのである(甲子園がいっぱいになっても5万だよ)。その数からすれば、この法案が原因の自殺などわずかなものである。だからニュースにもならない。

この法律の立案者の一人だった京極高宣という人は、08年末に朝日新聞に「重度の障害者施設へ行ったら貯金が1千万近くもある人がいた、負担できるなら負担してもらわねば」と言って、自立支援法の意義を強調する文を書いていた。

だが、現実には日本中から、個人の負担増により施設利用をやめたり、障害者施設がいわば歩合制(!)になったおかげで補助金が減り、サービスが低下したり、先進国とはとても思えないような話があちこちから伝わってきた。

京極高宣の発想は、ごく少数の「お金持ち」(と言ったって、京極高宣のほうがはるかにお金持ちだろう)の障害者から金をむしり取るために、他の「お金持ち」ではない障害者にも負担を強いるというものだったと言ってよいだろう。不穏当なたとえであることは十分承知の上で、あえて言えばテロリストが潜んでいるから一般人もろとも爆撃してしまえという、アメリカ軍的、イスラエル軍的論理である。(しかも、実際にはこんなお金は国の予算全体から見れば微々たるもので、社会福祉予算の足しになどならないのだが、「取る」ということが大切だったのである。)

結局、この法律のバックグラウンドは、新自由主義とかいうアメリカの市場万能主義の後追いをし、競争をあおり、自己責任を言いつのるやり方だった。経済優先(つまり金儲け)のために、自己責任と競争原理を導入することを目的としたものだった。自立支援法だけではない、20世紀末に決まった有事立法以来、共謀罪も、少年法改正も、高齢者医療法も、そして昨今の裁判員制度も、ここ10年ほどの間に決まったトンデモ法はみなこの筋道に乗ったものだ。前にも書いたが、こうした方向性を打ち出している人たちの狙いは、憲法改正、もっと端的に言えば9条をなくすことだろう。

しかし障害者自立支援法に戻ろう。スタートラインが平等でない競争など競争ではないし、ましてやそこに自己責任を問うことなどできない。当たり前の話ではないだろうか?自立支援法は障害者をこの同じスタートラインに立たせるために金を払えと言っているのだった。

 個人的には嫌いなたとえだが、障害者は社会のカナリアだというたとえ話がある。ご存じのように坑夫は炭坑には必ずカナリアのかごを持って入った。有毒ガスが発生すると、人より敏感なカナリアが先に騒ぎ出すので、炭坑内部の状態を知るバロメーターになるというのである。社会がおかしな方向に向かうと、まず障害を持つ人々が生きづらくなるというたとえ話である。

このたとえ話に乗れば、今の世の中は長年にわたる自公政権のおかげで、有毒ガスが発生しているのは間違いない。そして各地で違憲訴訟が起こされ、カナリアが思いっきり騒ぎ、自公政権が終わったことで(間違いなくこれが一番の理由であろう)、ようやく社会は少しこの有毒ガスの発生に気がついたのかもしれない。つまり、このあまりに理不尽な法律は廃止すると長妻厚労大臣が明言し、各地の違憲訴訟でも和解が成立し、そして昨日原告団と鳩山総理との面談も実現した。むろん、まだこれから、この法律に替わるどのような法律が作られていくのかはわからない。しかし、いまスタートラインに着いただけとはいえ、障害者を巡る状況は大きく変わったことは確かなのである。

障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす

民主党に対する期待が徐々に低下しているらしい。数日前の朝日新聞でも支持率は25%などと出ていた。むろん民主の足を引っ張ろうと躍起になっているとしか思えないマスコミの発信である。どこまで本気にして良いのかはわからない。

ぼくは、この障害者自立支援法の廃止と国による謝罪だけをとっても、自公政権が終わったことに、とてつもなく大きな意味があったと考えている。鳩山さん、原発推進や普天間の件など、不満や不安はあるが、頑張って欲しい。本当にそう思っている。

ちなみに、先の京極高宣は、今年の初めに論文の盗用が発覚したことも付け加えておきたい。


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プロフィール

アンコウ

アンコウ
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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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