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拙ブログのモットー

2037.09.18.10:16

社会は強い者がより強くなるように、富める者がより富むように、力をかざす者がより強い力をかざすことができるように、そのようなことのためにあるのではありません。弱い人間のためにこそ社会はあります。私たちは、そうでないときにはそうであるように社会を変えてゆかなければなりません。(八尋 光秀)


あなたの行う行動がほとんど無意味だとしても、 それでもあなたは、それをやらなければならない。 それはあなたが世界を変えるためではなく、 あなた自身が世界によって変えられないように するためです。(ガンジー)


悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです、少なくともみんなふつうの人間なんです。それが、いざというまぎわに、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです。(夏目漱石)


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広告・リルケ「若き詩人への手紙」

2036.09.18.10:15



この「若き詩人への手紙」はすでに戦後すぐの時代から翻訳が何種類も出ていて、しかも錚々たる人たちが翻訳していますが、唯一、今回の翻訳に意味があるとしたら、これまで存在すら知られていなかった相手の「若き詩人」の手紙が載っているということでしょうか。
世界中で多くの芸術家、表現者、クリエーターを魅了し励ましたリルケの手紙が、こんな反知性主義の蔓延するフェイクだらけの時代にあっても、日本の誠実な人たちの手に届きますように。(2022年6月17日)

図書新聞(2022, 8/27 号)の岡和田晃氏の文芸時評で触れていただきました。

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(2022年8月21日)
気が付いてなかったけど、スイスのリルケ協会のサイトにも紹介されていました。とても光栄です。スクショ貼っておきます。
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(2023年1月17日)
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宣伝 「ブッツァーティのジロ帯同記」

2036.01.08.11:42

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イタリア人作家ディノ・ブッツァーティの小説的ドキュメンタリーを、いつものように未知谷さんに本にしていただきました。
1949年のジロ・ディ・イタリアはファウスト・コッピが無茶苦茶強くて、ライバルのジノ・バルタリがムチャ強くて、ほかの選手たちだって強かったのでした。そして戦火の跡がまだ生々しいイタリア各地の人々の熱狂ぶりもすごいです。
著者のブッツァーティは代表作「タタール人の砂漠」や短編集がいくつか文庫本になっている、イタリアのカフカと呼ばれている作家ですが、そのスタイルはこの帯同記でも発揮されていて、どこか現実の世界ではないような、へんなユーモアのような、深刻なような、不思議な雰囲気があります。海外のジロやコッピの本にはよく引用されていて、英独仏西語に訳されています。
1949年のジロについては YouTube に全19ステージ中14ステージの記録映像があります。ここに埋め込むと最初のステージで止まってしまうようなので、今回はリンクしておきます。リンク先でクリックすれば続けて全部見られるはずです。各ステージほぼ1分弱ですし、当時の映像ですから雰囲気の参考程度に 笑)

https://www.youtube.com/playlist?list=PLK1QYHf4OvhMls2dGQ2uPhJLQRWU0wjnO
観客の数だと今の方が多いかもしれませんね。ただ、当時は外国から見にくるファンはいなかったでしょうし、戦争が終わってまだ4年ですからね。それを考えれば、特にドロミテやアルプスの観客の数にはびっくりです。
過去拙ブログで書いたコッピとバルタリのエントリーもリンクしておきます。
コッピ関係

1952年のツールを古雑誌で(1)
1952年のツールを古雑誌で(2)
1952年のツールを古雑誌で(3)
1952年のツールを古雑誌で(4)
1952年のツールを古雑誌で(5)最終回
バルタリ関係
バルタリのこと
故バルタリに名誉の称号
バルタリ(つづき)
バルタリ、イスラエル名誉市民に
さらに、以前出したオランダのベンヨ・マソの「俺たちはみんな神さまだった」は、この本の前年1948年のツール・ド・フランスでのバルタリの活躍を描いたものですので、この本と一緒に読んでいただけると、訳者としては大変に嬉しいです。


2023年5月29日追記。
日本イタリア会館というところの会館紙に評が載ったのでリンクしておきます。
http://italiakaikan.jp/culture/publish/img/Corrente391.pdf#page=4
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ゲシュケの話

2024.03.03.15:46

スクリーンショット 2024-03-03
写真はゲシュケの FaceBook から借りてきました。

rsn にゲシュケのゴール後の話が出てました。最後のシーズンになる今シーズン、1月からオーストラリアでダウン・アンダーをはじめ、すでにレースで2000キロ以上走っているそうです。ただ、オーストラリアで体調を崩して、ストラーデ・ビアンケはやっとふたたび思い切りペダルを漕げたと言ってますね。その他ポガチャルのことや、今回の新しいコースについて、今後の計画についてなど、いろいろ話してます。

「ポガチャルが勝つところはスクリーンでライブで見たよ。ゴール前9キロ地点でのことさ。すごいよね。現在の絶対的な世界一の自転車乗りだね。いや、現在だけじゃないよ、自転車レース史上でも最高だね。すでにフランドルとツールを両方勝ってるんだからね。本当にすごいよ。

185キロのレースが215キロに伸びたことについては、もっと長くならなくてよかったよ。今回の新しい周回コースに曲がらなければならなかった時は、できればまっすぐ行きたかったよ。新しい周回は今絶対に必要っていうものではなかったと思う。でも僕らは主催者が決めたように仕事しなくちゃね。でも、過去のこのレースを見れば、180キロだか190キロだか走った後でシエナにゴールするだけでも十分ハードなレースだってことはわかってたはずだけどね。長い距離が得意なモホリッチだって文句を言ったようだしね。でも、ポガチャルに聞けば、きっと距離が300キロでもウェルカムかもしれないね。

この後はティレノ〜アドリアティコでイタリアに留まるけど、その後は具体的にはまだ決まってない。でもティレノで調子を上げたいね。次のレベルに行くためにはハードなステージレースが必要なんだ。僕の年齢(37歳)になると、トレーニングだけじゃあ調子はなかなか上がらないからね。」

ゲシュケは拙ブログでは始めたばかりの頃、まだ全く無名の頃から名前を上げてきた選手ですからね。大きな勝利なんて期待できないだろうけど、最後の一花咲かしてほしいなぁ。


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ストラーデ・ビアンケ、ポガちゃん圧勝

2024.03.03.11:17



緑の色濃い丘陵地帯、ポプラだか糸杉だかの間を縫って未舗装路が雨でドロドロで、なかなか見てても怖かったですね。特に登りきって下りへ向かう映像はTVではあまり見たことがない風景でした(上のyoutubeだと2分5秒ぐらいからのところ)。

しかしポガチャルが出ているから、何をやらかしても驚きません。それでも80キロでアタックだからねぇ。何があっても驚かん、と思ってたけど、逃げ出してから、10キロごとに1分の差をつけていくのを見たら、さすがにびっくりしました。

うしろは30人ぐらいの集団からちょくちょくアタックがかかるけど、すぐにまたお見合い状態になって、早々に追いかけると言うより2位争いになってしまいました。ケムナが入っていたけど、だいたい集団の後ろの方で、これはちょっとつらいなと思っていたら、最後はバラバラになり、行方不明。結果は20位でゴールでした。TVには全く映らなかったと思うけど、拙ブログお馴染みのゲシュケも出ていましたが、16分以上遅れたグルペットで52位でした。

今日からはパリ〜ニース。ログリッチ対エフェネプールと言われているようですが、拙ブログとしてはAG2Rのフェリックス・ガルに注目しておきます。


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GP・ル・サマン

2024.02.28.11:02

このレースの由来については10年以上前の記事で書いたことがありますので、興味があればクリックしてみてください。



YouTubeには残り10キロからのが載っていました。登りになると誰かがアタックするのが面白いです。平地になって残り4キロを切ったあたりで集団が完全に牽制状態。しかし狭い路地みたいな石畳道を、よくまあコースにしますねぇ。普段トラクターしか走ってないだろう、この道、って感じです。

ゴールは結果がなかなか出ませんでした。アンテルマルシェのローレンツ・レックスという選手が抜け出てバンザイしようとして、両手を離したところで、横からアントニオ・モルガードが投げて微妙になりました。結果が出るまでだいぶ待たされましたね。結局モルガードの投げがわずかに届かず。レックスは肝を冷やしたことでしょう。この24歳の選手としてはキャリア最高の勝利になりました。

モルガードは一昨年のジュニアの世界選でヘルツォークとスプリントになって2位になった選手ですね。ジュニア時代の成績を見ると1位か2位ばっかりずら〜っと並んでます。まだ20歳。これから強くなっていくんでしょう。ポルトガル人ということで、私が自転車に興味を持った頃にはアカーシオ・ダ・シルバという結構強い選手がいましたが、そんな感じになっていくんでしょうかね。


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クールネ・ブリュッセル・クールネは WVA

2024.02.26.00:52

昨日のヘト・ニウスブラットと、人は変われど同じチームがワンツーでした。今回は大本命の優勝でしたね。

YouTubeのライブでラスト20キロぐらいから見てたんですが、その時点でヴィスマのヴァウト・ファン・アールトとUAE のティム・ヴィレンス、モビスターのスペインチャンピオンマイヨのラスカノの3人が第二グループに3分ぐらい差をつけて逃げてましたからね。こりゃあ、ファン・アールトで決まりだなと思いましたわ。

しかも追走の3人のグループにはしっかりヴィスマのジョルゲンソンが紛れ込んでいたしね。どうしようもないですね。


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ヘト・ニウスブラット、ああ、ポリット〜

2024.02.25.09:49

以前はヘット・フォルクと呼ばれたフランドルの小クラシックレース。昔はこのレースでレースシーズンが始まると言う印象でした。ロンデ・ファン・フラーンデレン(ツール・ド・フランドル)とコースと有名な激坂が重なり、気分はすでにフランドルクラシック、というレースです。



上のYouTubeはラスト6キロ弱からゴールまで。他にもダイジェストがアップされています。やっぱり今年もヴィスマがチーム力が高いですね。スロヴェニアのトラトニクとポリットがゴール前7キロほどのところで先頭集団から逃げて、結果的には逃げ切りでした。

トラトニクは後ろにヴァウト・ファン・アールトとクリストフ・ラポルトがいたから、仮に追いつかれてもスプリントは任せられると思ったのに対して、ポリットとしては何があっても自分が行くしかなかった。ゴール前は前に出させられていたし、もともとスプリントはあまりないしね、どうしようもなかったんだろうなぁ。


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映画「おみおくりの作法」と新自由主義

2024.02.23.11:20

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この映画はもう6、7年前に夜中に一人で見てて、画面が暗転した後、顔を覆って泣きました。それについては書いたことがありますのでそちらで。

映画「おみおくりの作法」(ちょっとだけネタバレ)

で、昨日、友人から中古を手に入れたと連絡があったので、借りてきました。やっぱり最後は泣くしかないよね 笑)この映画はその最後だけ強調されてしまったようだけど、でもそこに至るまでの細部も実に上手くできています。据え置きカメラの映像が多く、同じシーンの繰り返しと、その静かな画面がこの映画を傑作にしていると思いますね。

でも、今回見てて、ああ、これはケン・ローチの社会批判に通じる背景があるんだ、と思いました。主人公は公務員だけど、地区の統廃合によってクビになる。また、フォークランド戦争後の復員兵たちのことが出てくる。

日本でも維新なんかがその典型だけど、公務員バッシングで公務員を減らせと言われて、今や非常勤職員の数が増えているそうだけど、結局行政サービスが減らされて、そのツケは住民が支払わされることになる。この映画でも、主人公は効率化のもとで死者の尊厳なんかどうでもいいと言われてしまう。

つまりこの映画はフォークランドも含め、「こっそり」サッチャー的新自由主義的効率優先社会を批判をしているんだね。その「こっそり」ぐあいは、最後の方で主人公が上司のアウディにおしっこをひっかけるのを遠くから写すような感じかな。


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コメントをくれたネトウヨさんへ

2024.02.20.11:18

コメントをくれた方へ。ここでは名前は出しませんが、最後まで読んでくださることを願って、コメントへのご返事がわりに記事にしておきます。あなたのコメント自体は、申し訳ないが生理的に受け付けないので消しました。あまりに典型的なネトウヨ論法。あなたの危機感はどこを向いているのでしょう?? 

自民党と統一教会のつながりはまるでスルーして、「反日帰化の多い野党」とは、呆れております。本当に野党の中に帰化した方が多いのかは、私は知りませんが、自民党の中にもハーフの議員はいますよ。しかし、だからなんなんでしょう? そのことになにか意味がありますか? すくなくとも韓国原理主義の犯罪カルト宗教(教義を知ってますか?あなた方のいうところの反日カルトですよ)に票集めや選挙協力をしてもらって便宜供与が疑われる自民党、半分近くが泥棒だったことがはっきりした自民党より、はるかにマシだと思いますけどね。

「日本人として誇りを取り戻し」ってあなたこんな定型文でどんなことを想定しているのでしょう? 私はこんな決まり文句に何の価値も認められません。むろん私だって日本の文化、日本語という言葉が大好きです。だから仕事の合間に日本の古典を読んでいる。あなたがおっしゃる日本の文化ってなんなのでしょう? そう言うあなたご自身は「日本文化」を積極的に守ろうとしているのでしょうか?

台湾有事にたいするあなたの危機感は理解できなくもないけど、どうして日本がそれで当事国にならなければならないのでしょう? 本当に台湾に中国が攻めてきたら(私は個人的にはそんなことはないだろうと思っていますが)、日本は参戦するんですか? 核兵器を持っている中国と戦争するんですか? 原発が50以上海岸線にある日本が戦争するんですか? 人口が日本の10倍の国と戦争するんですか? ウクライナ見ればわかるようにアメリカは助けてくれませんよ。

勇ましいことを言ってれば気持ちは良いでしょう。何も考える必要もないですからね。中国、韓国! 日本を舐めるんじゃねえぞ、1発喰らわしてやろうか? って、あ〜、すっきりした。だけど、そこになんの解決もないですよね。むしろそうやってイキがって相手を怒らせれば何が起きるでしょうね。

そもそも中国と韓国を「いっしょくた」にしている時点で、被害妄想が炸裂してますよ。これは日本を憂いているのではなく、あなたのレイシズムの吐露にすぎません。

少し前に桜井よしこが日本の若者に日本のために戦え、と焚き付けたらしいですが、これって見も知らぬ他人を殺す・殺される覚悟を持てって意味ですよ。こんなの通り魔殺人を奨励するようなことじゃないですか? 台湾有事は日本の有事って、日本が戦争ふっかけられているわけでもないのに自分から戦争仕掛けたら、世界中の軍事産業が大喜びするだけでしょう。

あなたは民主党政権以降の日本社会の衰退をいろいろ挙げている。これもどこから引っ張ってきたのか知らないし、情報として精度がどの程度あるのか、私は調べる気も起きませんが、日本は民主党が政権取るよりずっと前から衰退しているんですよ。バブルが終わってから良くなったことなどないのです。その間に3年弱、政権を担った民主党の影響力なんて、微々たるものでしょう? そして統計的な数値では、その30年どんどん右肩下がりの中で、民主党が政権を担った時に少しだけ上がったという説もあります。これも安易に信じるものではないでしょうけど、あなたがあげた反日政権というレッテルよりは信憑性がある。

ついでながらあなたもDNAを調べてみれば、朝鮮半島や大陸のDNAがかなりのパーセンテージで含まれているでしょう。具体的な処方箋としては韓国や中国へ旅行してみたら良いと思いますね。あるいはせめて韓国人や中国人の知り合いを持つことをお勧めします。せめてご自分の趣味でfacebookなどで海外の知り合いとやり取りするだけでも良いでしょう。今はDeepLとかGoogle翻訳とか、かなり精度の高い翻訳アプリがありますからね。

でもこういうことを書いてもあなたは聞く耳持たないでしょうね。なので最後に魔除けの呪文を唱えておきましょう。リン・ピョウ・トウ・シャ・カイ・ジン・レツ・ザイ・ゼン。あなたに憑いた「蟲」がこれで離れていきますように。


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ナヴァリヌイの「ノスタルジア」

2024.02.19.12:23

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先日ズビャギンツェフの「ラブレス」に見える反プーチン的暗示を書いたけど、ナヴァリヌイ事件の関連でもう一つ思い出したのがこの映画。ナヴァリヌイは毒殺されそうになってドイツの病院に運ばれ、回復した後に、なぜロシアへ戻ったのだろう? 反体制の指導者は亡命して、外から政権批判を行うのが普通なのに。そして戻れば殺されるであろうことは予想できていたはずなのに。

というわけで、この、タルコフスキーがイタリアで作った映画に、よく似た事情が出てくる。この映画の主人公はサスノフスキーという18世紀のロシアの作曲家の伝記を書くためにイタリアに来ているという設定で、このサスノフスキーという作曲家は、イタリアで音楽を学んでいて、だけどロシアに帰国すれば伯爵のもとで奴隷同様の扱いをされることがわかっているのに帰国して、自殺したということになっている(ちなみにサスノフスキーにはモデルはいるけど創作です)。

映画の最後の方でサスノフスキーの手紙の朗読が流れるシーンがあって、そこで「ロシアに帰れないと思うのは死ぬより辛いことです。生まれた国、あの白樺の林、幼年時代の空気に…」という。タルコフスキーのソ連時代の映画にはどれにもロシアの自然の中で過ごした幼年時代の美しさが、これでもか!ってぐらい出てくる。

ナヴァリヌイもこういう思いだったんだろうか? タルコフスキーはこの映画の完成後に亡命宣言をした。だけど、その後のインタビューなどでもロシアへの思いを語り続けた。

「タイトルの『ノスタルジア』は、必ずしも原義の全容を伝える訳語ではないが、はるか離れたものへの、そして結びつけることのできない世界への、しかしうちなる故郷であるものへの、焦がれるような思いを意味している。私は、分断され切り裂かれた世界に生きることの不可能さを表現したかったのだ。」(「ノスタルジア」についてのタルコフスキーのインタビューから)

そういえば、国外追放されたソルジェニーツィンも、ソ連が崩壊後、市民権を回復すると、さっさとロシアに戻って行った。ロシア人にとってロシアの自然やロシア語と切り離されることによる「ノスタルジア」は耐え難いものなのかもしれない。


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昔の雑誌、1962年ツール(後半)

2024.02.19.00:00

前半はこちら

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ピレネーに入って13ステージは上りの個人TTでした。ここで勝ったのはトレドの鷹ことフェデリコ・バーモンテス。1959年のツールの覇者です。この人の残っているビデオをみると、上りのシッティングフォームが買い物自転車に乗ってない?って感じの上半身が突っ立ったフォームで両肘を外側に張って体を左右上下に振って、まあ、はっきりいって格好悪いんですよね。でも、いろいろ変なエピソードがてんこ盛りの選手です。

たとえば、自転車に乗り始めたばかりの頃に下りでオーバーランしてサボテンに突っ込んでえらい目にあって以来、下りは無茶苦茶遅くなったとか、どうせ下りで追いつかれるとわかっているから、山頂の山岳賞だけ取ったら、そこで自転車を降りてソフトクリームをもらって座って食べてたとか。人称変化無視、主語も無視のフランス語でフランス中の人気者になったそうです。「彼は下りで頑張る」と言うから、リポーターが彼とは?と聞くと「彼、彼 (il, il) 」と繰り返しながら自分を指したとか。惜しくも去年の夏に亡くなってますね。追悼記事書き忘れてる RIP.

というわけで、この13ステージが終わって総合トップに出たのがヨーゼフ・プランカールト。このプランカールとという名前の選手は無茶苦茶たくさんいます。例えば、FirstCycling で検索すると16人ヒットしますね。現役だけでも3人。アルペツィン・デケーニンクにエトワルト・プランカールトってのがいます。一番有名なのはこのヨーゼフと80年代に活躍したスプリンターのエディですかね。まあ、この中の何人かは血縁があるみたいですが。。。

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上のページでは右上で座っている選手がプランカールト。リタイアしたリック・ファン・ローイのチームメイトですね。なので、彼に伝えたとキャプションにはあります。

ちなみにアンクティルは総合4位、ただし1分8秒差です。この後、プランカールトとアンクティルのこの差は保たれたまま、アルプスの18ステージはツール史上一番高いボネット峠(1860年開通のヨーロッパで一番標高の高い峠だそうです)が初登場です。標高2802メートル。ただし過去5回しかコースになってませんね。しかし、24年のツールでコースに決まっているらしいですが、プロフィールマップを見ても25キロぐらいを延々と10%に満たない同じような勾配で登っていくようで、あまり面白味がないようです。だからコースに入れられないんでしょうけど。

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で、この頂上をトップ通過したのはやはりバーモンテスでした。2位の選手に1分45秒の差をつけて通過だそうです。ちなみに、2年後にもう一度この峠がコースに組み込まれますが、ふたたびバーモンテスが山岳賞獲得しています。でも、結局ステージ優勝は別の選手でした。プランカールトとアンクティルは仲良く3位グループでゴール。この3位グループに、ツール初出場のレイモン・プリドールも入っています。

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そして、このプリドールが次の19ステージで、アルプスのポルト峠、クーシェロン峠、グラニエ峠を単独でトップ通過して、アクス・レ・バンのゴールで2位に2分半の差をつけて独走、ステージ初勝利を挙げています。これでこの時点で総合順位は1位プランカールト、2位1分8秒差でアンクティル、3位5分43秒差でプリドールとなります。このプリドール、プロ入りが遅かったんですよね。今とシステムが違うし、比べようもないけど、このときすでに26歳。プロ入り4年目でした。結局、プリドールは41歳まで現役だったんですね。今をときめく MVDP のおじいちゃんです。

そして20ステージの68キロの個人TTになりますが、これが写真がない。まあ、いうまでもなくアンクティルが圧勝です。2位のバルディーニに2分59秒差、3位のプリドールに5分1秒差、4位のプランカールトに5分19秒差と、ボコボコですね。これにより総合トップはアンクティル。2位のプランカールトに5分11秒差、3位のプリドールは10分36秒差。

なぜか、その後の二つのステージも結果のみ掲載で表彰台の写真です。下は左がステージ3勝を挙げてスプリント賞のアルティヒ。右はチーム賞をとったACCB・サン・ラファエル・エリエの監督ジェミニアニです。総合順位は1位がアンクティル、2位はプランカールト、3位はプリドールということになりました。ちなみに写真がないけど、山岳賞はバーモンテスでした。というわけで、山岳賞以外はすべてサン・ラファエルチームで独占ということになりました。
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というわけで、このサン・ラファエル・エリエ・ユッチンソンの復刻マイヨ、持ってます。フルジップでウールじゃないし、当時のものと同じ作りじゃないですけどね 笑)
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さて、すでにシーズンは始まってるってのに、今から60年以上昔のツールにタイムトラベルしてみました。お疲れ様でした。


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映画「ラブレス」(2回目)

2024.02.18.01:13

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反プーチンの先頭に立っていたアレクセイ・ナヴァリヌイが殺された(と言っていいだろう)。権力者による政敵の殺害。これまでも歴史上何度も出てきたシーンだ。記事を見た瞬間、アメリカ映画のアンタッチャブルでショーン・コネリーが殺された知らせを受けたロバート・デニーロ演じるカポネがニヤッと笑うシーンがプーチンと被った。まあ、日本ではウラジミール、シンゾーと一緒に駆けて、駆けて、駆け抜けよう、とかポエムを言って国葬になった人もいたが。

で、思い出したのが、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の「ラブレス」という映画。ズビャギンツェフは21年の夏にコロナに罹患して危篤状態のニュースを聞いて心配していましたが、少し前にどこかの映画祭で審査員だかの一人として登壇したというニュースを見て安心していたところでした。私は今生きている監督の中で一番、それもダントツで一番気になっている監督です。監督作品は5本しかないけど、すべてが桁外れの傑作だと思っています。映像の美と密度と間(ま)の凄さに息が止まりそうになります。でも、謎は謎のままだし、甘さが微塵もなく徹底的で、ユーモアのかけらもなく、見終わっての劇としてのカタルシスなんて微塵もない。ひたすらどうしようもない酷い話ばかりで、風景も寂しく暗く無惨としか言いようのない美しさ 苦笑)こんな映画を作る人とは友達になれないだろうなぁ。

この「ラブレス」についても、公開当時に書いてますが、今回見直してみました。この監督は間違いなく反プーチンなんですよ。それは特に「裁かれるは善人のみ」の中で、川縁でかつてのソ連の指導者たちの写真を自動小銃で撃つシーンではっきりわかります。そこにプーチンは出てこないけど、「新しいやつはもう少し壁にかけておいて熟成させてから撃つ」なんて、あまりに露骨なセリフがありますから。だから、ナヴァリヌイ暗殺のニュースですぐにこの人が思い浮かんだのでした。今、どこにいて、このニュースに何を思っているんでしょう。

「ラブレス」でも途中で反体制派の候補者の選挙資金が盗難にあったというラジオニュースが流れます。これはナヴァリヌイのことでしょう。それに続けて反体制派のボリス・ネムツォフのプーチンを批判する声明が出ます。このネムツォフも2015年にウクライナ介入に反対して暗殺されています。

そして最後はウクライナ東部での内戦とロシアの介入の2014年のテレビニュースが流れます。そのニュースはロシア側から見たウクライナ軍の非道を強調するもの。でも、間違いなくこのどうしようもないぐらい暗いやりきれないシーンでこのニュースが流れてくるのは、ズビャギンツェフ流の皮肉なんだろう。ラストも女はロシアナショナルチーム?のウィンドブレーカーを着こんでルームランナーに乗って走るが、すぐにやめてしまう。

この映画、冒頭とラストが同じ川縁の枯れ木の映像と、無茶苦茶カンに触る音楽で、離婚間近の夫婦が出てくるんだけど、これがもう信じられないぐらい憎み合っている夫婦。他人の前だろうとまるで構わず大喧嘩を始める。そして女の母親というのも、これがもうどうしようもないぐらい娘を憎んでいる。見た感じはかなり裕福な家族なんだけど、特に母親は中毒と言って間違いないぐらいスマホを見続けている。それぞれ愛人がいて、夫婦の間の12歳の少年は完全に邪魔者扱い。僕が男だからだろうけど、父親もひどいけど、母親がひどすぎるよね、と思ったけど、つれあいにこの映画見て感想を、と言う気にはなれないわあ 笑)

というわけでその少年が行方不明になるんだけど、警察もまるでいい加減で、ロシアの社会がかなり壊れているのがわかる。救いは民間のNPO?の救助隊(そんなものがロシアにはあるのね)。ボランティアなのに、親身になって、警察と連携しながら大人数で夜遅くまで捜索を、多分何日間もしてくれる。果たして子供は見つかるのか?

だけど、俳優もすごい。こんな演技できる俳優、日本にいないだろうなぁ。特にあのラスト10分前のシークエンスの母親も父親もものすごい。あれ演技じゃないだろ!

というわけで、ナヴァリヌイ暗殺から変なところへ来てしまったけど、夫婦の間がこんななのに、世界の平和なんて無理だわ、というのが、この映画のテーマなんだな。この夫婦はロシアという国の比喩なんだろうなぁ。そして子供は、文字通りロシア・ウクライナの子供なんでしょう。ラストシーンのルームランナーも「ロシア」が走り出して、でもルームランナーだから前に進まず、すぐにやめてしまう。徒労感。。。そんなふうに思ったのでした。


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卓球のニー・シャーリエンのこと

2024.02.17.16:35

いやぁ、面白い、ニー・シャーリエンというルクセンブルクの女子卓球選手。むかしゲイ・カレンと言っていたおかっぱあたまの女子選手、覚えてるわぁ。83年に東京で世界選手権があった時に活躍した選手だ。日本はちょっとキュートな神田選手っていったかなぁ、女子のエース。男子だと斎藤清なんてのがエースだった。前から書いてるように、僕は自転車に夢中になる前、24、5歳まで卓球に夢中でした。下手だったけど、ずっと続けてたせいか、地域のママさん卓球のコーチまでやることになったのでした。この東京大会は卓球をやめるちょうど前後だったと思います。

しかし、ニー選手、60歳!! 今はラバーのことは何も知らないけど、昔は粒高ラバーっていう相手のかけた回転がそのまま残って帰っていくような、普通カットマンが使うラバーをつけて中国伝統の前陣速攻っていう、もういやらしいとしか言えない卓球をやっていたと思う。

昨日は15歳の張本との対戦。いやぁ、初の世界戦で初戦がこんな変則選手とかぁ、と思ったら、変に回転をつけず強打であっさりやっつけちゃいましたね。強いわ、張本。試合終了後の握手した後のニー選手のにっこりした顔が、孫に負けたおばあちゃんが、まあ、しょうがないわね、と言ってるような感じで、ほっこりしました。


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昔の雑誌、1962年ツール(前)

2024.02.17.13:09

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古いミロワール誌からの紹介シリーズです。勝手にシリーズ化です 笑)1962年のツール・ド・フランス特集の号。表紙は総合優勝のジャック・アンクティルとスプリント賞のルディ・アルティヒ。チームメイトですね。この年のツールはそれまでの国別対抗が廃止になって、チーム対抗になりました。

第一ステージはスプリント合戦でアルティヒが勝ちます。この年の目玉はこれまでツールに参戦しなかった皇帝リック・ファン・ローイが初参戦したことでしょう。この年は2回目のアルカンシェルで、ここまでにモニュメントを全制覇したただ一人の選手。ただ、年齢はすでに29歳。山岳とTTでは前年の覇者アンクティルにかなわないのはわかっていたから、序盤のスプリントでボーナスタイムを荒稼ぎする目算だったんですが。。。

というわけでチーム対抗という制度になったおかげで、アルティヒがファン・ローイにボーナスタイムをやらずに済んだと言うわけです。次の第2ステージAはファン・ローイが参加したために彼の生まれ故郷のヘレンタールスがゴールだったのに、ゴール前にコースを間違えそうになってブレーキをかけてしまい、4位。まあ、皇帝ですから、この程度で動じるわけもなく、レース後のコメントは先を越されたぜ、おめでとうと言っておくぜ!と余裕だったんですが。。。
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そして第8ステージBは43キロの個人TT。あ、AとかBってのは午前と午後で1日に2ステージやったんですね。今じゃあ考えられないけど、私がツールに興味を持ち始めた頃にもまだありました。午前中に150キロぐらいのレースをやった後にチームTTとか個人TTが組み込まれていることが普通でした。
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で、このTTステージは43キロもあって、やはりアンクティルが優勝します。2位のバルディーニが22秒差、ファン・ローイは3分の差をつけられてしまいます。キャプションには、バルディーニ、ショック。ファン・ローイ壊滅。とあります。

そして第10ステージで先導バイクの転倒に巻き込まれて落車。
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それでも15キロを走って集団に追いついてゴールしていますが、痛みが激しく、ゴール後にヘリコプターで病院へ。このまま次の11ステージには出走しませんでした。
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というわけで、今回はここまで。後半はまた明日にでも。

後半はこちら。

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サイレント映画「裁かれるジャンヌ」雑感

2024.02.14.12:46

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納戸から出てきた大昔の本の表紙に使われているのを見ても分かるように、映画史に燦然と輝く歴史的映画です。1928年のモノクロサイレント映画。監督はデンマークの・カール・テオ・ドライヤーです。この監督の映画は「吸血鬼」「怒りの日」について書いたことがあります。

この映画はたぶん1980年ごろに京橋にあったフィルムセンターで見たんだけど、ボロボロのフィルムの上映でした 笑)今回はスカパーのザ・シネマで数ヶ月前に録画しておいたのを、あるきっかけで見てみようと思ったのでした。いやぁ、リマスター版は綺麗です。こんな映画だったんだぁ 苦笑)

この映画なにがすごいかっていうと、ほとんどジャンヌダルクの裁判のシーンだけからなっているんですね。しかも異端審問官たちの宗教問答みたいな質問と、それに答えるジャンヌの顔のアップで描かれます。

審問官がジャンヌを魔女に仕立て上げるために、さまざまな罠が仕掛けられた質問をするわけです。ジャンヌが大天使ミカエルからお告げを聞いたと言うが、その姿はどうだったかとか、何を着ていたかとか、それは結局悪魔だったのではないかと、質問していく審問官たちの顔のボッシュの絵のような表情や、唾を飛ばす口元のアップに対して、ジャンヌは普通の顔をした短髪の女性です。それが真正面から撮られ、その表情の変化が実にすごい。言うなれば、疑い、希望、絶望、諦め、恐怖、陶酔、決断、後悔、煩悶とでも言うような感情が、表情につぎつぎに現れます。

たぶん映画の三分の一以上はジャンヌの顔を正面から撮ったアップだったんじゃないでしょうか。しかもその半分以上は涙が頬を伝わります。ジャンヌ・ダルクって甲冑を身に纏って旗と剣を持った美女のイメージで、後のイングリット・バーグマンがやったジャンヌ・ダルクのイメージ、最近だと、僕は見てないけど、リュック・ベッソンのミラ・ジョホヴィッチみたいな勇ましい感じを想像するけど、ここではスッピンの泣きながら震えているフツーの若い女性です。

しかも背景は白い壁の室内なので、見る方の目は顔のアップだけに集中することになります。また、アップ以外のシーンの画面の構図がやたら不安定な斜めの仰角だったりします。そしてラストは、それまで室内でアップばかりだったのに対して、ジャンヌの火刑に怒った群衆の暴動と兵士たちの鎮圧がバタバタとまるで違う映画のように描かれます。このドライヤーという監督、こういうのが好きなんだろうなぁ。「奇跡」という映画でも最後がそれまでの静謐な長いカットばかりだったのに、ラストで短いカットの連続になったような。それをポール・シュレイダー監督が「魂のゆくえ」のラストでなぞったという話を町山智浩が書いていたのをどこかで読んだことがあります。

そしてやたらリアル。ジャンヌの顔にハエが止まって、それを手で払ったりします。ラストの火炙りシーンは、「怒りの日」でもそうでしたが、ひどくショッキングです。

審問が終わって、ジャンヌは髪を切られるんですが、フラッシュバックのようにこれ見たことあるな、と思ったら、終戦直後のフランスでドイツ軍とつながりがあった女たちが頭を剃られるシーンが思い浮かびました。

ジャンヌは審問後に一回恐怖から自分が異端だったことを認めて、死刑が回避されます。しかし、それを一人の修道士の勧めで、すぐに撤回して、結局火刑になるわけです。ここで思い出したのが、「沈黙」やシュレンドルフ監督の「9日目、ヒトラーに捧げる祈り」、あるいはテレンス・マリック監督の「名もなき生涯」のことでした。

自分の信念のために死ぬかという問題ですね。ころんだ「沈黙」に対して、仲間の神父たちが殺されても、あるいはギロチンでおどされても、ジャンヌの場合は火炙りですからもっとこわかったでしょうけど、それでも死を恐れないって、立派なことなのか?? 

ジャンヌの場合は、しかも一度転んで異端を認めた後で、アントナン・アルトーという有名な文人俳優が演じる修道士が、異端を認めたことを撤回しろと迫り、それによってジャンヌは撤回・火刑になるわけで、こうなると、私の感覚では、本来のキリスト教の考えとは逆転して、この修道士こそ「沈黙」の井上様や「名もなき生涯」の弁護士みたいな誘惑者じゃないか!!と思いたくなっちゃいます 苦笑)

つまり、「沈黙」の井上様はロドリゴに絵踏をすれば命が助かると誘惑する。そしてロドリゴは棄教する。一方で「9日目」では親衛隊将校は主人公の神父に、ルクセンブルク大司教とナチスのとり持ちを条件に、収容所の神父たちを解放すると言い、「名もなき生涯」の弁護士はヒトラーへの形だけの忠誠を誓えば死なずに済むと主人公を誘惑する。だけど、どちらの主人公もそれを拒むわけです。で、ジャンヌは一度は異端を認めたのに、修道士がそれを撤回させた。。。形の上では「沈黙」の逆パターンか 笑)


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F. フェルメールス大腿骨骨折

2024.02.12.11:44

名前が名前なので、強く印象に残っている選手です。コロナで秋に行われた黙示録的雰囲気の21年パリ〜ルーベでコルブレリとMVDPを相手に2位に入った選手ですね。そういえばコルブレリは不整脈で引退してしまったんでしたねぇ。。。

というわけでフローリアン・フェルメールスが今シーズン最初のレース、ブエルタ・ア・ムルシアで大腿骨骨折という大怪我だそうです。下りで落車してガードレールを飛び越えて落下したとのこと。復帰まで数ヶ月かかりそうだと。

フェルメールスという名前の選手はもう一人いて、ジャンニ・フェルメールスという、31歳のアルペツィンの選手ですね。こちらはお父さんもプロ選手だったようです。私はかなり長いこと同一人物かと思ってました 笑)そして二人いることに気がついてからもずっと兄弟だと思ってました。先ほど調べたら出身地が違うから他人ですね。身長もジャンニは173に対して、フローリアンのほうはパリ〜ルーベで2位になっただけあって、193センチ。

この名前で検索かけるとベルギーの哲学者の名前もヒットするし、それほど珍しくないのかも。


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れいわ新選組記者会見、野党共闘について

2024.02.11.15:48



市民連合という団体から野党共闘の誘いがあって、れいわも乗るのかという質問に対する山本太郎の回答。ようするに立憲と手を繋ぐのかという質問に対する答え。上のyoutubeの11分過ぎごろからです。

「これだけどろぼうがあふれている、四分の一の自民党議員が泥棒だったことがわかったわけです。その泥棒たちと一緒にこれからルールを変えていきますと言って、(立憲は)ある意味で免罪符をあたえてしまう、その泥棒たちを(許してしまう)。

ルール改正だけでなく予算や他の法案審議も前に進めようとしている。そんな生ぬるい戦い方をしている勢力たちと一緒に政権交代しましょうって、意味がわかりません。

泥棒の片棒担ぐ気は無いので。」

京都市長選を見たって、ほんと、立憲は全く信用できない。れいわとしては21年の衆議院選挙で野党共闘の美名のもとで、消費税5%を立憲も言ったから4割の候補者を下ろした。

それに対して選挙が終わってから立憲の枝野は消費税5%と言ったのは間違いだったと言い出した。せっかく自分たちの候補者を下ろしてまで協力したものにたいするとんでもない言い草だ。

挙句れいわのくしぶち議員がプラカードをあげたからと言って登院停止決議に賛成した。目指すのは自民党を引き摺り下ろすことでは無い。引き摺り下ろしても同じことをするような奴らが政権についたら意味がないのである。

なお、この記者会見は中盤にパレスチナについても、れいわとしての素晴らしい見解が披露されるので、ぜひ多くの人に見てもらいたいと思う。

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今日の東京新聞、希望すら災厄

2024.02.09.11:45



パンドラはゼウスが、火を手に入れた人類をこらしめるために送り込んだ人類最初の女性で、神々が開けないことを条件に渡した箱を開けたら、ありとあらゆる人類にとっての災厄が飛び出して、世界中に広まったというギリシャ神話の中のお話です。

ウィキペディアで見ると、箱の中から出ていかなかったエルピス(希望)というオチの解釈は通常は希望が逃げていかず、人間の手元に残った、だから酷い災厄だらけの世の中でも人間は絶望しないで生きていける、というのが一般的だそうです。

たしかにあらゆる悪に対して絶望しかなければ人類は死滅しそうですがね。希望のベクトルが間違っていると、人々の善意につけこんで、悪はどんどんはびこりそう。

しかし、ここまで嘘ついてデタラメやってもほとんどの人が怒らない。しかも独裁国家ではないから、自民党以外の政党が禁じられているわけではないし、反体制の人たちが暗殺されたり牢獄に入れられることもない。デモをする権利も憲法で保証されている。なんだろう、この無気力は?

公明党だって、支持者たちは自民党とくっついていることになんの不快感も持たない。しかも創価学会の信者って、聞くところによると中小企業や小売店の人たちが多いそうだ。自民党がやってることは、日本を大企業だけにすることだ。つまり応援している政党は自分たちの首を絞めにきている連中とつるんでいるわけだよ。

しかも自民党のデタラメが国民をすこしでも今より幸せにしようという思いのもとで行われているならともかく、北陸なんか明らかに見捨ててるよね。いや災害にあった人たちだけではない、日本の多くの人々をすでに切り捨てようとしている。だけど多くの人は怒らない。

拙ブログはもう14年目になる。最初の頃には、この辺りでブレーキ踏まないと事故るぞ、と思ったし、そう書いたこともあると思う。でもドカンと事故れば目が覚めるけど、なし崩しなんだね。ちょっとこすった、ちょっと傷ついた、ちょっとぶつけた、まあ、いいか。こんな気分なんだろうなぁ。でもすでにあちこちボコボコでそろそろ走れなくなるよ。


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映画「蜘蛛巣城」

2024.02.07.11:14



昨日の昼間にNHKBSでやってました。いやぁ、画面も音声も聞き取りやすくなっていたけど、それでも三分の一は聞き取れなかったです 笑)この映画も三百人劇場の黒澤明の全貌と並木座で見てますが、2回とも、なにしろセリフが全く聞き取れなかったという記憶があります。特に妖婆(写真)のセリフは一言も聞き取れなかったと記憶してます。今回は三分の二は聞き取れました 笑)ただ、雰囲気がすごいんですよね。上記三百人劇場では、主だったものをほぼ全部見ましたが、そんな中でも個人的にはこの映画をかなり上位にランクづけしたものでした。

でもやっぱりすごいですね。能とか歌舞伎とか古典芸能の雰囲気、様式美を意識していて、霧の風景なんかは水墨画のイメージでしょうか? 思うのは、「乱」もそうだけど、シェークスピアの原作を実にうまく戦国時代の日本に取り込んでます。まあ、こんなこと当時からみんな言われていたことでしょうけど 苦笑)

今回見て、あっ、と思ったのは三船の旗印がムカデだったこと。それに対して千秋のほうはウサギ。あまりに露骨すぎるだろ! 黒澤明って親切すぎるんですよね 笑)「生きる」の伊藤雄之助も、私がメフィストフェーレスになりましょう、なんて説明しちゃってるし。。。苦笑)

黒沢って画面の中で人物をどう動かすかとかの様式美にこだわった人だと思うけど、「赤ひげ」以降はそれがあまりにわざとらしく感じられて、同時にやたらとベタベタのヒューマニズム、センチメンタリズムが鼻について、僕は「乱」以外はほぼどれも苦手です。だけど、この時代はそれがあまり気にならない。昨日見直しても、所作も動きも何度もリハーサルを繰り替えしてるんだろうと思わせましたが、晩年のものにくらべてあざとい感じがしませんでした。まあ、好みですけどね。


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昔の雑誌、1955年ツール(後半)

2024.02.05.14:19

七人の侍の話が割り込んでしまいました 笑) 前半はこちら

昔の雑誌、1955年ツール(前半)へ

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これは世界遺産のポン・デュ・ガール。ローマ時代の水道橋です。第13ステージ。

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これは第15ステージでのネッロ・ラウレディの落車転落事故。下りのコーナーで他の選手と接触して自転車ごと宙返りで10メートル下へ転落したとあります。ただ、幸いにも肋骨骨折だけですんだとのこと。写真で見ると自転車は前輪のタイヤが外れているけど、フレームは無傷に見えますね。

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第17ステージはトゥールーズからサン・ゴーダンへのピレネーステージ。ここがこのツールの勝負を決するステージになりました。まずガォルがアタックして独走で逃げます(左上の写真)。それに対して、ずっと他のライバルたちと一緒の追走集団ないにいたボベが、ペイレスールド峠の頂上6キロ前で単独アタック(右上)して、47キロを一人でガォルを追いかけ、追いつきます(左下)。しかし、ゴール手前12キロ地点でボベの後輪がパンク(右下)して、ゴールではほぼ1分半遅れの2位でしたが、これでマイヨ・ジョーヌを獲得となりました。

最後から二つ目の個人TTは69キロ。今では個人TTで50キロを超えることはほぼないんじゃないでしょうか。

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このステージはブランカールトが3位のボベに4分の差をつけて優勝し、総合でも2位に上がりますが、タイム差は5分近く。総合3位はガォルですが、右下の写真のように疲労困憊。ブランカールトは途中パンクもあったのにこの差でした。

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最終ステージは現在ならシャンゼリゼですが、当時はパルク・ド・プランスという自転車競技場。47年のロビックに続くような戦いが見られるか、とマスコミは煽ったようですが、途中誰も逃げず、お祭りの雰囲気。競技場近くなってスプリンターたちが動き出し、この年のポイント賞を取るスペインのスプリンター、ミゲル・ポブレットが第1ステージに次いで優勝しました。

これにより、ボベは3連覇を達成。これはのちにアンクティルの4連覇、インドゥラインの5連覇の前にくすんでしまいますが、当時としては大騒ぎの大記録だったんでしょうね。

というわけで、すでに自転車レースは各所で始まっているので、この時期に70年前のレースかよ、という人もいるかもしれんけど、拙ブログの持ち味ですので 笑)

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七人の侍

2024.02.04.01:41

いやぁ、見る気はなかったのに、NHKのBSでやってたので、途中30分ぐらい過ぎてからでしたが見てしまいました。見出したらやめられず、もうあちこちで笑いながら泣いてました 笑) 

志村喬が格好いいのは当たり前だし、宮口精二もものすごい。だけど今回見て、たとえば宮口が、木村功が女と会っていたことを言わなかったことを、木村になぜ?と問われて、「言ってほしいのか?」と言うシーン。いやもうこのシークエンスは、思わず、宮口が言う前に、ひとりTV の前で「言ってほしいのか?」と、一人で笑い泣きしながら呟いてました。

ほかにも燃える水舎小屋の前で赤ん坊を抱きながら、三船が膝をついたところで、「こいつは俺だ!」と、これまた泣き笑いで呟いてました。誰も聞いてないんだけどね 笑)

左卜全なんて、僕がリアルタイムで知ってるのは「ずびずば〜」ってやってたちょっとボケた能面顔のお爺さんという印象だったけど、この映画ではものすごいです。野伏を竹槍で突き殺した時の顎がはずれそうな顔!!もうなんも言えんわ。

後半の戦いのシーンの、殺される側も殺す側も必死の緊張感、緊迫感は西部戦線異常なしの塹壕戦のときのようなリアルさがあるし、雨の中の決戦も、志村喬が弓を射るシーンの美しさなんか、もう涙ダダ漏れです 笑)

ただ、今回はタルコフスキーがこの映画を大好きだと言っていたんですよね。確かに「アンドレイ・ルブリョフ」の「襲撃」のエピソードには、七人の侍の影響が見られるのかなぁ、なんて思い出しながら見ていました。

この映画を初めて見たのは1970年代半ば。大学の学園祭で大講堂でやったのを見ました。その時は画像は粗いし、なにより音声がむちゃくちゃで、半分以上何を言ってるかわからなかったと言う記憶があります。ただ、それでもずいぶん感動しました。

当時黒澤明はTVでの放映を許可せず、見るチャンスはほとんどなかったんですよね。次に見たのはいつだろう、黒沢映画を初めてTVで放映したときか、それとも1983年に東京の巣鴨にあった三百人劇場であった黒澤明の全貌でだったか記憶は判然としません。

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他にも飯田橋の並木座で89年に見てるし、TVでも何度か見てると思うけど、もうどこで見たかとかは、もうわからないですね。(追記。飯田橋じゃないですね、銀座 苦笑)

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しかし、すごいねぇ。黒澤明の映画って、僕は「赤ひげ」からは、センチメンタリズムとべたべたのヒューマニズムに耐えられないんだよね。唯一「乱」だけは傑作だと思うけど、晩年の「まあだだよ」なんて、見てて痛々しくてね。辛いわ。

ただ、初期の映画はどれもすごい。「生きる」も「羅生門」も「どん底」も「蜘蛛の巣城」も「白痴」も「天国と地獄」も「野良犬」も「いきものの記録」も「酔いどれ天使」も「用心棒」も「椿三十郎」も「隠し砦の三悪人」も、うーん、他にもあったと思うけど、どれもすごいと思う。でもやっぱり「七人の侍」がナンバーワンかなぁ。

個人的には2位は「羅生門」、3位は「生きる」、4位は「蜘蛛の巣城」か「どん底」か。。。


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昔の雑誌、1955年ツール(前半)

2024.02.03.11:55



いわゆるミロワールという雑誌の前の自転車雑誌「ビュッテ・クルブ、ミロワール・ドゥ・スポール」については、1952年のコッピが優勝するツールについて何度か書いた時にも出てきました。

今回はその雑誌の1955年ツール総集編。なんと、表紙がカラーです。ルイゾン・ボベとシャルリー・ガォルですね。

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表紙を開くと優勝したボベの肖像。フィリップ・ティス以来の3勝目ということで、この1955年時点ではツールの記録は3勝だったわけです。そしてボベはこの年3連覇。まあ、「俺たちはみんな神さまだった」で出てくる若き日のボベはすぐ泣くヘタレでしたが 笑)左ページの広告もヴィッテロワーズってミネラルウォーターのヴィッテルのようです。それとルコックとダンロップ。なんか古色蒼然。

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次ページでは総合2位になったベルギーチームのジャン・ブランカールトと3位のルクセンブルクのシャルリー・ガォルが下に出てます。ガォルは山岳の天使なんて言われて、まあこの時はまだ23歳でむちゃくちゃ2枚目です。この人の2枚目ぶりについては、拙ブログを始めた頃に書いたことがあります

この雑誌はほぼ全ステージについて写真と解説がついていますが、印象的なページだけ載せておきましょう。

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これはベルギーのナミュールがゴールの第3ステージ。有名なナミュールの要塞を駆け上ってゴールだったようです。このステージを取ったのはボベで、この年はアルカンシェルを着てますね。

この年は本格的なアルプスのステージは第8ステージと第9ステージ。特に第8ステージはガリビエ、アラヴィス、ヴァールという古典的な峠を通過するステージで、ガォルの独壇場です。2位のフェルディナント・キューブラーにほぼ14分の大差をつけてステージ優勝でした。それでも総合ではトップから10分以上遅れてますが。

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ガォルは上りがめちゃくちゃ強かったんですが、当時は山頂ゴールのステージってほとんどなかったんですね。で、軽量級クライマーのサガか、同時期のスペインのバーモンテスなんかにも共通しますが、下りが遅かった。路面が今ほど良くないですから軽いとスピードは出ないし転倒しやすいので、慎重にならざるを得なかったようです。次の第9ステージもいくつか峠を越えたようですが、最後が40キロ平地だったんですね。ガォルは山岳賞ポイントの峠はすべてトップ通過するんですが、平地で追いつかれて結局戦闘集団からも遅れてゴールでした。

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第11ステージは、これはツール史に残る有名なステージです。むちゃくちゃ暑い日でしかもヴァントゥー山を越えるステージ。山でアタックしたキューブラーは途中で昏倒し、錯乱状態になって道端に20分以上座っていたし、フランスチームのマレジャックは意識不明になって救急車で病院へ運ばれます。写真にあるように、目の焦点が合わず歯を食いしばっていて、有名なツールのドクター・デュマ(この人の名前は当時のツールの歴史本にはよく登場します)が強心剤を打って酸素吸入で一命を取り留めたと言われてます。

もう明らかなドーピング。薬物過剰摂取のせいで、のちに血液サンプルからも薬物が検出されたそうですが、ここからがこの時代の面白いところ。デュマ医師は被疑者不詳でマレジャックに毒物(ドーピング薬)をもった者がいると刑事告発します 笑) 誰かが沿道でマレジャックに薬物入りのドリンクを渡したという論法です 爆)まあ、はっきり言うと、「盗人猛々しい」なんて言葉が思い浮かんだりします 苦笑) どっかの国の政治家か?? 

まあ、仮に本人の意思でドーピングしたことがバレても、当時はまだ罰則規定がなかったでしょうから、たいして問題にならなかったとは思うんですけどね。選手たちもみんな、薬を使っていることは認めていた時代です。

ただ、ドーピングといっても、当時の薬ですからね。自転車の場合筋肉増強剤は使えないし、興奮剤と疲労回復薬ぐらいしかなかったのではないでしょうか。現在のような自己血液輸血とかエポみたいな心肺能力を向上させるようなことはできなかったと思いますけど。

ドーピングが本当に話題になり、禁止すべきだという世論が高まるのは66年のツールでドーピング検査が導入され、翌67年に、なんの因縁か、このヴァントゥー山でイギリスのトム・シンプソンが興奮剤の過剰摂取でレース中に死亡してからのお話でしょう。

というわけで、長くなったので後半はまた明日、ひょっとしたら明後日かその後 笑)

追記> 続きはこちら。


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今朝の東京新聞から、維新的民主主義?

2024.01.28.10:59

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コロナ禍では死者数ワースト1、大阪都構想は2度否決、道頓堀プールも放棄、学校と病院の統廃合で、どちらも減り続けている、管理強化により教員もバスの運転手も減り、学級維持もできなければ、バス路線も減便・廃線が起き、大阪万博も財政負担を住民に残すのは間違いない。付け加えれば、コロナの一時金の配布だって一番遅れたのが大阪だし、道路の車線や停止線が消えているのに予算が付けられない。

やってきたことの結果を見れば、住民のためにならないことは明らかなのに、それでも支持し続ける。一度応援したものは途中で乗り換えないという立派な心持ちなのかな 笑) まあ、失われた30年により、過去の栄光 笑)で一等国のフリをするしかなくなってしまったのに、その元凶たる自公政権が安泰なのも似たような理屈なんだろう。上の内田樹の文章も維新のことを語りながら、自公政権に対する批判も含意されているんだろう。

維新については拙ブログでも何度も書いてきたけど、最初から嫌だった。同じことを書くけど、誰にでもある人前に出すのが憚られるさもしい感情、たとえば「ざまあみろ」というような気持ちを煽り立てて、自分たちの人気取りに利用しているような、そんな気がしてならなかった。

「ざまあみろ」の気持ちは容易に差別やイジメにつながる負の感情だとおもう。誰にでもあるだろうけど、だからしかたがない、ではなく、自覚的に気をつけていなければならない感情だと思う。

だけど、たとえば、イジメを冷静にみれば誰だって嫌な気持ちになり、やめろと言いたくなるはずだけど、そこに言葉巧みにイジメを煽る奴がいれば、ひょっとしたら一緒になってイジメに加担することもあるのではないか?

いずれにしても、行政サービスが劣化して自分たちの生活に影響しているというのに、それでも人間は「ざまあみろ」政治から抜けられないんだろう。なんとなく、こういうのって「転がり落ちていく」っていう言葉を連想してしまう。


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古いミロワール誌から、ジャン・ロビック

2024.01.26.11:38

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以前、ヤフオクで古いミロワール誌を大量に手に入れた話を書いたことがありました。その時紹介したのは1961年5月号。表紙はリック・ファン・ローイ、うわゆるリック2世でした。その後それについて触れなかったんですが、久しぶりに本箱の奥から引っ張り出してみました。

本日紹介はこの時手に入れたうちで2番目に古い1961年11月号。表紙はジャン・ロビックです。この年で引退したんですね。表題も「ロビック・自転車とお別れ」しかし、ロビックって目の色青だったのね。

ジャン・ロビックというと第二次大戦後最初のツール1947で最終日に逆転総合優勝を飾ったことで有名です。その後最終日の逆転は2回ありますがどちらも TT ですね。現在は最終日はパレード走行のお祭りみたいになってますから、最終日が TT でなければ、おそらく今後ロビックに続く例は出てこないでしょうね。むしろ、今最終日に変に動いて逆転優勝したりしたらバッシングされそう 笑)

1947年は最終日前まではブランビラっていうイタリア人が総合トップだったんですね。ついでながら2位もロンコーニというイタリア人で、ロビックは三分近く遅れて3位につけていました。

戦争直後でフランスの敵国だったイタリアから選手がよく出られたな、と思うかもしれないけど、もちろんイタリアの代表チームを出せるはずもなく、フランス在住のイタリア国籍の選手を集めて作ったチームだったんですね。

最終ステージでアタックがあり、集団はバラバラに。ついていかなかったイタリア人二人はこのステージで8位になったロビックに13分以上遅れてしまったのでした。まあ、当時はチームによるコントロールなんていうシステムがあったのか、なかったのか、よくわかりませんが、イタリアチームとして追走することはできなかったんでしょう。

このロビックという選手、とんでもないビッグマウスで、しかもかなりの偏屈だったようで、50年代の人気選手ルイゾン・ボベなんかも子供扱いして馬鹿にしたり、コッピやバルタリを公然と罵倒したり、世界中で俺より強い奴はいないとばかりの大言壮語の連発。まあ、いまじゃあみんなお行儀良くなっちゃったから、こういう選手なかなかいないですね 笑)もちろん嫌われ者であると共にファンの期待値も高い選手だったようです。

上の写真でもわかるように、当時としては珍しくカスクを必ずかぶっていましたが、これはプロになってすぐに頭蓋骨骨折を2回やったためです。なにしろこの人やたらと怪我する人で、ミロワールの名物風刺漫画でもボロボロになったゾンビのようなロビックが描かれています。
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上から1944年、頭蓋骨骨折、1946年頭蓋骨骨折、1948年右手骨折、右肩甲骨骨折、1950年右眉毛の部分、1952年右鎖骨骨折(追記。1/27, 21:25 「左」でした。ご指摘ありがとうございました)、1953年椎骨4つのズレ、1956年鼻骨骨折、手首骨折、大腿骨解放骨折、左手骨折。

というわけで、下には「それでもまだ残ってる」とあります 笑)


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八王子市長選雑感

2024.01.22.14:08

デマの垂れ流しを企業に依頼しようが、パー券売って裏金作ろうが、賄賂議員が続出しようが、被災者なんて置いてきぼりにしようが、ワクチンで被害者がいくら出ても知らん顔しようが、ヘイトスピーチ垂れ流し議員をほったらかしにしようが、統一教会の手足になろうが、アメリカ様の言いなりで乗員全員死んだ墜落を不時着と言おうが、きっと他にもたくさんあるだろうけど、よーするに、どんなことがあっても、絶対自民党候補者に投票するという鉄板支持層が、創価学会はじめ一定数いるからね。政治に無関心な人たちを引き込まなけりゃあ、日本は変わらない。この先もこれまでの失われた30年の延長戦が続くんだろう。いや、もっと嫌なことにならなければ良いけどね。。。

今は無関心層を投票に向かわせるが争点だ。必死で無関心層を投票させないように、政治なんかに関心持たせないようにしている連中と、無関心層に呼びかける人たち。そして昨日は前者が圧勝。

昨日の八王子市長選、投票率38%だそうだ。有権者は46、7万人で、うち6万人強が投票した自公系候補者が勝ったそうだ。僅差だったそうだけど、投票した人の3人に1人、全有権者のうち 8人に1人ぐらいが統一教会どっぷりの萩生田が応援した候補にいれたわけだ。そのうち半分はおそらく創価学会だろうか。八王子には大学もあるからね。昔近くで働いていたことがあったから、あの辺ではルーマニア国旗みたいな旗が出ている家をよく見かけた。

しかし、統一教会と創価学会が連携??この国はどうなってるの??


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今朝の東京新聞から

2024.01.19.21:19

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検察は「正義」なんてどうでもいいのかね? 同じ泥棒でも無名の老人だと300円で逮捕だけど数千万でも政治家だと不起訴。会計責任者が独断で裏金作ったっての? 自分のポッポに入るわけでもないのに? おい、わかるだろうな、と親分に言われた子分が悪いことをして捕まり、親分は知らぬ存ぜぬで無罪放免。昭和の時代のヤクザの話か?? 

先ほど速報で自民党の派閥解散がニュースとして流れたけどさ。派閥解消が何か僕らに関係あるの? 僕らに関係ないのに、きっとこれでまた、岸田よくやったとか言う論調になるんだろう。マスコミもこれに乗るんだろう。どうかしてる。


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共産党タムトモが委員長に

2024.01.18.16:51

こんなに国民が困っているのだから、そちらの方を向いて仕事をするべきだと言った泉房穂に、自民党の元議員石原伸晃はそんなの共産主義だと罵倒したそうだ。一部の人たちにとっては共産主義という言葉がすでに罵詈雑言のたぐいになっているんだろうね 苦笑)

しかも、至極真っ当なことを言うと「共産主義」になっちゃうわけだ。確かに共産党、今回の委員長になった田村智子なんかの国会での質問を見ていると、当たり前のことを言っている。なるほどね。連中にとっては国民が困らないようにすることは「共産主義」という「悪」なんだね。そして、そうした人たちにとっては、国民から搾り取った税金を自分たちのために使って私腹を肥やすことが「善」なんだろう。

ネトウヨ連中なんかにも、僕に向かってすら、共産主義者という「罵声」を投げつけてくるやつまでいる 笑) 僕に共産主義って言われてもねぇ。そもそも共産主義知らんもん。いや、「罵声」として共産主義という言葉を投げつけてくるネトウヨ連中よりは知ってるかもしれんけど 苦笑)

僕の個人的な共産党に対する気持ちは以前書いた通り。 だけど、せっかくタムトモを委員長にしたんだし、「共産党」という名称もこの機会に変えたほうがいいんじゃないかなぁと思ったりする。

昭和の時代の左翼の詩人に黒田喜夫という人がいて、ソ連がハンガリーに攻め入ったハンガリー動乱直後には「ハンガリヤの笑い」という詩で、当時の左翼の困惑と不安を書いていた。この人の詩に「毒虫飼育」という、なかなか強烈な詩があって、「おかあさん革命は遠く去りました」という「ぼく」に対して「おふくろ」が「革命ってなんだえ/またおまえの夢が戻ってきたのかえ」と答えるところを読んで涙が出そうになったことがあった。なんとなく「共産党」という名称に意固地にこだわる姿に、この詩句を連想したりする。


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今日の東京新聞から

2024.01.17.11:44

名称未設定

前回は名前を出さなかった斎藤美奈子の本音のコラムだけど、今回は堂々と山本太郎の名前が出ている。

はっきりいうと、新聞各社は山本太郎の名前を肯定的に出す記事をためらっているように感じている。この本音のコラムですら山本太郎の名前が出たことはほとんどないと思う。反原発を唱えた東京新聞ですらこれだからね。

19年に山本太郎のれいわ旋風が起きた時もマスコミは横一線でそれを取り上げなかった。ただ、この斎藤美奈子だけが一度だけ山本太郎現象について肯定的に書いたことがあった

だけど、その後この斎藤美奈子ですら、山本太郎の名前をこのコラムで出すことはなかったと思う。緘口令でも敷かれているんじゃないかと疑いたくなる、いや、実際そうなのだろう。与党も野党もマスコミも、ある意味こぞって恐れている。何を? それは YouTube にたくさんある山本太郎の街宣をきちんと、最初から最後まで(だいたい1時間半から2時間あるけど)聞いてみればわかるだろう。


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映画「葬送のカーネーション」

2024.01.15.22:50



最初と最後が同じシチュエーションで始まり、終わる。老人とその孫娘が、亡くなった老人の妻を故郷に埋葬するために、棺桶を持って国境を目指すロードムービー。孫娘の両親はどうしたのかとか、老人の妻がどうして亡くなったのかとか、そもそも老人がなぜトルコ語が話せないで、孫娘に通訳させているのかとか、映画の中では全く説明がない。孫娘がスケッチブックに描く絵で、ああ、なるほど、二人はおそらくシリアからの難民なのかとわかる程度。

変な連想だけど、棺桶を運ぶという話に、なぜかアキ・カウリスマキの「レニングラードカウボーイズ・ゴー・アメリカ」を思い出した。また、故郷へ戻るという設定に「わたしはダフネ」を思い出したり、ラストのシーンにはハネケの「愛・アムール」のラストと同じようなものを感じたりして、少しだけ泣いた 笑)

荒涼としたトルコ南東部の冬の景色のなか、老人と孫娘はほとんど話さない。なにしろ風景が枯れ草の丘陵地帯とか、干上がった池?とか雪だか霜だかがおりた草原とかで、空は灰色だし、老人の顔もかなりの陰気臭さで、孫娘もまるで笑わない硬い表情。彼らを助けてくれる人たちはみんな善意の人たちだけど、トルコの冬ってこんな寒々しいのね。なんとなくギリシャを舞台にしながら雪景色や、やっぱり荒涼とした風景ばかりだったテオ・アンゲロプロスの映画なんかも思い出した。そして、途中で出てくる夢のシーンのすごいインパクト。はい、僕は好きな映画です。たぶん、今週何度も思い出すでしょう。

ただ、最後の方で車の中で流れるラジオの「生に意味はない」とか延々というセリフは余計だと思った。それと、原題は「クローブをひとつまみ」、英語の題名は「クローブとカーネーション」だそうで、日本語の題名はちょっと失敗だとおもうなぁ。

今日の昼過ぎの回、お客さんは10人いたかなぁ 苦笑)


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プロフィール

アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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