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キッテルのブログから、高地トレーニング

2017.05.29.22:29

というわけで、ジロはオランダ人初の総合優勝でした。ドイツのチームからの優勝者というのも記憶にないですねぇ。

ところでデュムランのギアは58X11がトップだったそうで、すさまじいですねぇ。私の世代だと、これは24インチとかじゃないとありえないギアです。

というわけで、さて、キッテルです。27日の更新でした。

……
ツアー・オブ・カリフォルニアで再びレースに戻った後、俺はコロラドにいる。高地トレーンングキャンプでツールのための最後の仕上げをしているところだ。ここでは一緒に楽しくやれるところはどこにもないぜ。これは、来るべきレースのために、チームスピリットを高めるためには大切なことなんだ。今日はリードアウトの練習をちょっとやってみたぜ。これはカリフォルアですでにやってきたことだ。あの時のパフォーマンスには本当に満足しているんだ。チームメイトたちとうまくやれて嬉しかったし、ステージ優勝も一つ挙げられたぜ。その他のステージはスプリントになった時には勝ちたかったし、その他のステージでも勝ちたかったけど、いつでもうまく行くわけじゃないからな。

今はここで、空気が薄いから鼻をフガフガ言わせながら頑張っているぜ。
……

最後には自転車ショップの割引サービスの広告みたいなことを書いているのでカットしました。

キッテル、相変わらずスプリントでは強いんですけど、なんか3年ぐらい前の手のつけられない強さに、ちょっと陰りが見えているような気がしますね。そうは言っても、まだチームメイトのガビリアよりは強いとみなされているんだろうと思うけど。だけど、ガビリアはジロで4勝しましたからね。キッテルもツールで複数回勝ちたいところでしょうけど。。。



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ジロ終了、デュムラン優勝

2017.05.29.01:06

初のオランダ人優勝者ですね。まあ、予想通りでした。予想が外れたのはステージ優勝がヨス・ファン・エムデンだったということですかね。

一昨年のブエルタでは優勝か? と期待させておいて、最後から2日目だっけ?ひっくり返されたのは。今回は最後にひっくり返しましたが、サンウェブとしても、キッテルとデーゲンコルプのスプリンターチームから完全に総合狙いのチームに変貌しましたね。ツールはバルギルでいくんでしょうか? 

ボーラはジロはコンラートで行ったみたいですが、15位前後でしょうか。まあまあの成績だったと思います。ツールはマイカでしょうか、それともケーニヒ?まさかのブフマンか? 笑)  まあ、マイカでベスト10、運が良ければベスト5を狙いたいところですね。



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ジロ第20ステージはピノ

2017.05.28.00:25

というわけで、今日もデュムランは15秒ぐらいタイムを失ってますが、首位のキンタナとの差は1分足らず。これだとデュムランの射程圏内ですね。ニバリのアタックが残り20キロぐらいであって、キンタナやピノが反応した時、デュムランがついてこなかったので、残り20キロでは場合によっては結構なタイム差をつけられてしまうのではないかと思ったんですが、結局タイム差が広がりませんでしたね。


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嘘と開き直りの内閣

2017.05.26.22:32

昔、逸見政孝というキャスターが、某大学の教授の論文盗用で、本人にインタビューをやったことがあった。某教授は盗用を認めた上で、このことを逸見の番組にリークしたのは自分の学生で、大学院の博士過程へ進級させなかったからこんなことをしたのだ、と言っていた。一瞬何を言っているのかよく理解できなかった。

つまり、某教授は自分の盗用を認めた上で、それを「タレ込んだ」学生を「意趣返し」だと非難したのである。ものすごく嫌なものを見た、という気持ちになった。しかし今進行中の加計問題は、これよりもっとひどい。さらに読売の下劣な、マスコミとは思えない御用新聞ぶりには、ほとほと呆れた。

ここまで劣化した内閣は、おそらく明治以降の日本の政治上でもなかったのではないか? 少なくとも戦後、ここまでひどいのはなかった。

安倍はもし自分が森友に関わっていたら首相はおろか、議員だってやめると言い放ったのだから、さすがにそこまで嘘はつかないだろうと思っていたが、誰がどう見たって関わっていた。しかし嘘を嘘で固めて開き直り、そのまま強行突破したわけだ。今回も同じく嘘を嘘で塗り固めて、本人は海外へ出て行ってしまった。

だが、こうしてでたらめなことをやっていけば、人々はますます政治不信になり、選挙に行かなくなる。彼らはきっとそれを目論んでいるのだろう。浮動票というやつがなくなれば、あとは組織票で自分たちが勝てるから、一般人は政治に関心を持たなくなってくれた方がいいのだ。

かつて森喜郎が「無党派層は寝ててくれ」と言い放った。これは彼らの本音だろう。さらに、彼らは学んだのである。劣化した政治を行えば行うほど、無党派層は政治に無関心になり、選挙に来なくなる。そうなれば組織票の勝負になるというわけである。見事な策略である。自分たちがやりたい放題やればやるほど、人々は関心を失っていき、自分たちに有利な状況になるのである。海外からの批判は否定して怒っておけば、一般の人々には何かやっているように見えるのである。



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17ステージ後、ゲシュケの話

2017.05.25.11:09

逃げが決まって、後ろはとりあえず動きもなく平穏な1日と思われましたが、そうでもなかったようです。 rsn にゲシュケのゴール後の話が載っていました。ゲシュケの言葉に多少の説明も含めながら、紹介します。

「第2カテゴリーが二つと第3カテゴリー一つしかないコースで、紙の上では単純に見えたけど、最後は非常にハードな1日だった。

40人も逃げて、その中にはトップテンを狙う選手(ヤン・ポランチとマキシム・モンフォール)もいたから、ペースが上がり平均は40キロを超えた。

最初僕らは集団をコントロールしようとしたんだ。それから、僕は逃げに乗った。アタックが次々にかかった。統制は取れてなかったね。僕はこのまま逃げに乗り続けるつもりはなかった。グループにとどまる意味もなかったし、後ろで僕のアシストを必要としていたから、逃げ集団から下がって後ろに戻った。逃げた連中との差をあまり広げないために、僕らは非常にスピードを上げなければならなかった。

デュムランが総合8位のボブ・ユンゲルスに、ポランチとモンフォールに総合で追い抜かれ、さらに新人賞ジャージだって取られるぞ、と脅したら、クイックステップは、前に二人送り込んでいたにもかかわらず、追走に加わってくれた。僕らより、彼らの方が危機意識は強かったんじゃないかな。」

ということで、デュムランも「胃の問題」が再燃することはありませんでした。何れにしても今日と明日の上りゴールのステージで決まりそうですが、デュムランとしてはひっくり返されても、その差が2分台なら、相手がキンタナであれニバリであれ、最後のTTで間違いなく再逆転できるかな。



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今日も tiz はあきまへん

2017.05.24.22:59

うーむ、昨日に続いて、先ほどから tiz は視聴不可能状態です 苦笑)

rsn では昨日のデュムランの話題で盛り上がっています。カチューシャの監督のコニィシェフは、ザカリンがアタックした時に、フェアにやりたいと思ったからやめさせたと言ってますね。他の選手たちも、どうしたらいいかわからないみたいな様子で、しばらく顔を見合わせるような雰囲気でした。ただね、落車じゃないからねぇ。判断は難しいところだったと思いますね。ましてや、最終ステージは30キロ近い個人TTですからねぇ。行っても良かったんじゃないかなぁ。

というわけで、rsn では、デュムランが腹具合が悪いことで、自転車を止めたことで、盛り上がっています。デュムランは「あの時点ではもう我慢できなかったんだ」と言っていて、逃げグループから降りてきたテン・ダムも「下がってきたらトムがいつもと違うんだ。で胃の調子が悪いから、出しちまいたいって言うんだよ。だから俺たちは止まるわけにはいかない。胃の薬は飲んだかと聞いたんだ。だけど、止まるって言い張るんだよ。だからいいタイミングを見計らわなければならなかった。だけどいいタイミングなんてないよね。スプリントステージなら問題ないけど、レースはまさに佳境に入ってたんだから。もしかしたら俺がグランツールで走った中で一番ハードな1日だったかも。」

で、話題は、あれは止まるべきだったのか、という点です 笑)止まらなければどうしたか? 昨日書いたようにお漏らし。rsn によると、ウルリヒが優勝した時のアルザスのステージで、今回と同じようにお腹を壊していたそうです。これってドイツでは伝説化しているらしいんですが、ウルリヒの優勝が見えてきたところで、開始早々に遅れ始めて、当時のアシストのベルツらがウルリヒを囲んで励ましたことで有名らしいです。この時のベルツのセリフが「苦しめ、豚野郎」。このセリフはドイツのサイクリストの間では、登りで苦しい時に自分に向かって吐く言葉なんだそうです 笑)

で、ウルリヒは止まったか? いいえ。止まらずに垂れ流し状態で走ったようで、レース後のメカニックがいつもよりも時間をかけて自転車を洗ったそうです 笑)



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ジロ第16ステージはニバリ

2017.05.24.00:45

いやぁ、拍手コメントの常連さんも思わず愚痴ってましたが、これからデュムランどうなるんだ、ってところで tiz の Livestream がダウン。 仕方がないので、ひたすら rsn と Cyclingnews の二つの文字ライブを切り替えながら、成り行きを見守っていました。最後の下りでニバリがアタックした時には、どちらもデュムラン3分11秒遅れと出たので、マリア・ローザが移ると思ったんですが、ゴールしてみたら2分17秒遅れでなんとか守りました。

rsn の速報では、「人間的要求により」自転車から降りなければならなかったデュムランが、それにもかかわらずなんとかマリア・ローザを守ったと。 まだ登りゴールのステージが続くけど、最後が30キロぐらいのTTなので、デュムランが有利なのはまだ変わらないと思われます。

しかし、昔の本ですが、「ラフ・ライド」ではあのレモンもお腹を壊して間に合わず、アシストに囲まれて隠れるようにゴールしたことがあるそうですし、市川選手の話でも、大の方を垂れ流したままゴールスプリントした選手のことが出ていたことがありました。いや、市川選手自身もジロで総合38位から50位に落ちてしまったのは、今日のデュムランのような事情だったはず。まあ、かくいう私めも、長い下りでお腹が痛くなって、あとは内緒 笑)  「藪の中」



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ゲシュケのインタビュー

2017.05.23.21:48

すでに第16ステージ、モルティローロを超えて、チマコッピのステルビオ峠(シュティルフザーヨッホ)の登りに入りました。天へ向かう階段とも言われるジグザグがすごいですね。この峠はアルプスで3番目に高い峠ですが、ツールで出てくる1位と2位のボネット峠とイズラン峠が、伝説の面でもレースに出てくる回数でも、いまひとつパッとしないのに比べると、ステルビオはずっと伝説に彩られている峠です。

さて、rsn ではトム・デュムランのアシスト、拙ブログの贔屓選手の一人、ジーモン・ゲシュケにインタビューしています。

rsn: 今日のクイーンステージでの君の役割は?

ゲシュケ: プロフィールを見るとそんなにたくさんのシナリオはないよね。戦いになるね。できるだけトムのそばにいること、単純にそれが目標だよ。マリア・ローザがいるチームとしては、大して戦略的なバリエーションはないよ。逃げに一人送り込むことができればいいけど。トムが孤立することだけは避けたいよ。

rsn: 普通なら怪我で降りたヴィルコ・ケルデルマンが最後までデュムランと一緒にいる役割だよね。彼の役割は誰が果たすの?

ゲ: ヴィルコみたいな選手の替えはそう簡単にはいないよ。彼のいない分をなんとかしなくちゃね。でもローレンス・テン・ダムが山では同じぐらい強いからね。ツールでもすでにトップテンに入ったし。ローレンスもこのところ調子がいいのがわかっている。もし、今日のステージで最後の山までトムのそばについていられなかったりしたら、それこそ、驚きだよ。

rsn: これまで、モルティローロとステルビオはどのぐらい走っているの?

ゲ: 両方ともいい思い出はないね。モルティローロは2年前に最下位だったし、ステルビオは3年前には雪だった。今日はもっと良くなるといいね。

rsn: それでも楽観視しているのかな?

ゲ: 僕らにはマリア・ローザがいるんだ。このマイヨを着てれば翼が生える。普通のステージとはモチベーションがまったく違うよ。普通なら逃げに乗って、失敗したらグルペットで明日に備えるって思うところだよ。

rsn: 今の時点でサン・ウェブがマリア・ローザだと思っていた?

ゲ: 思ってなかった! 冬から、トムがここで総合争いができるだろうとは思っていた、常にそれを意図していた。でも、こんなにうまくいき、トムがタイムロスせず、しかもステージも2勝するなんてね。思ってなかったよ。あと少しこのままうまくいきたいね。

実際はもう少し長いんですが、今日のステージとあまり関係ないので、ここまでにします。ステルヴィオももうすぐ頂上です。

しかし、すでに、tiz ではグッバイ、ジーモン・ゲシュケと言われてます 笑)し、逃げに乗っていたテン・ダムもいなくなってます。まだ80キロ以上あるけど、このあとどうなるんでしょう。トム・デュムラン、孤立しなければいいんですけど、でも最悪、キンタナマークですかね。

…追記23:10
あるふぁさん、トム・デュムラン、またココア一気飲みしたんでしょうか? 



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ジロ第14ステージはデュムラン

2017.05.21.19:19

いやあ、昨夜は珍しくウィスキーを飲みながらジロを見ていたんですが、はっと気がついたら夜中の1時半。やれやれ。しかしオランダ人のジロは優勝はおろかベスト3だっていませんね。このままいくのか、それとも一昨年のブエルタみたいに最後の最後でひっくり返されてしまうのか 笑)

でも、デュムランって拙ブログではネオプロ時代から登場してますが、当時はプロジェクト1t4i チームの秘密兵器と言われていたんでした。一方で2012年のブエルタでガードレースでお腹を切って、大量出血で、当時のフレーリンガーのブログでは、チームメイトがみんな青ざめた様子が伺えます。

昨日のステージでキンタナのことを冷静に追って、しかも最後ちぎって優勝ですからね。このまま行くかなぁ。



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ジロ第13ステージ、ガビリア4勝目

2017.05.20.16:11

ちょっと今飛び抜けてますね。コロンビア人で4勝は初めてだそうです。

ラスト200メートルでは10番手だったそうで、左端ががら空き状態だったところをうまく抜け出てきましたが、リケーゼがカレブ・ユアンをブロックしてコースを空けましたね。かなりビミョ〜かな 笑)

ボーラの列車は最後までうまく機能したと思ったんだけどねぇ。最終発射台のゼーリヒだって6位に入っているしねぇ。もうこうなると、現時点ではベネットよりガビリアの方が速いとしか言いようがないですね。

それはともかく、残り1キロ強ぐらい?のところでボーラのペストルベルガーが、またしても後ろを千切りかけました。第1ステージと同じようなパターンで、この人、ひょっとして高速独走力があるんじゃないでしょうか。結構後ろが空いて、慌ててクイックの選手が差を埋めに来ましたからね。ちょっと注目しておきたい選手に昇格です。


・・・追記

わざわざ記事にすることでもないので、ここで追記しておきます。

拙ブログのコメント欄、これまでは自由に書けて、アップすればすぐに表示するようにしていたんですが、私の承認後に表示するように、設定を変更しました。 普通にいつもコメント下さる皆様には、承認待ちの表示が出るのはご不快かもしれませんが、時代が時代ですので 笑) どうぞ、ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。



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戦後最低最悪政権

2017.05.20.00:25

正直に言って、なんかもう脱力するしかないですね。まともな議論もしないまま強行採決。おぞましい話です。こんな法律ができたら、このブログだってどうなるかわかったもんじゃない。

しかし、安倍にせよ、彼を支持する連中にせよ、例えば、50年後の日本の姿ってどんなイメージを持っているんだろう? 50年後の日本はどんな国になっていればいいと思っているんだろう? 

数日前に斎藤美奈子も東京新聞のコラムに書いていたけど、現代の社会、現在の内閣、安倍は、何年後かはわからないが、歴史の審判を受けるのは間違いないと思う。 20世紀を知っている人間から見れば、ここまで民主主義を破壊した政権はないし、ここまで露骨な形で人々を欺いた政権もない。まさに日刊ゲンダイの見出しを借りれば、「チンピラ内閣」だ。ここまでデタラメな政権は他に思いつかない。

だが、どんな独裁政権だって、かならず倒れ、そして歴史の審判にさらされる。歴史の流れが、この世に生まれた人間全てが幸せになることを願う人々に味方するのであるなら、現在の政権が戦後最悪の政権だという審判は、いつの日か、間違いなく下るだろう。



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ジロ第12ステージ、またまたまたガビリア

2017.05.19.00:11

いやぁ、ものすごい列車の争いで、ボーラがものすごく頑張っていたので、サム・ベネットに勝たせたかったんですがねぇ。もう一枚足りなかったかな。ペストルベルガーがもうすこし行けたらよかったんだけど。ただ、ボーラはすでに3キロ前から6人ぐらいで列車を作っていたけど、ちょっと早いですよね。素人考えだけど、もうすこしゴール近くから行くべきだろうと思うんだけど。

ベネットの後ろについたグライペルに、やばい、と思ったけど、それ以前にクイックの列車がうまく機能して、一枚残っていて、それからガビリアが発射で、ゆとりがありましたね。

しかし、戦前はグライペル対ユアンじゃないかと思ったんですが、ガビリアが荒稼ぎですね。クイックはカリフォルニアではキッテルがスプリントで圧勝したし、チーム勝利はずいぶん稼いでいますね。

しかし、久しぶりにゲシュケが映ったと思ったら、パンクで遅れたシーンでしたわ 苦笑)



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ジロ第11ステージ

2017.05.18.00:11

いやぁ、なんだか忙しくて、勝負どころのブロックハウスを見落とし、キンタナが圧勝したことを知らず、さらに昨日のTTではトム・デュムランが圧勝してマリア・ローザを奪ったことも知らずに寝てしまい、驚きのジロでこちらの意識は飛んでおりました 笑)

今日も面白かったですね。3人逃げているところへ後ろからカンゲルトが追いついて、そのままカウンターアタックいくか、と思ったんですが、うまく合わされて不発。今度は残り500メートルぐらいで、後ろから10人ぐらいでしょうか、追走集団が先にスプリントに入ったようだったので、このままだと後ろからカウンターアタックが決まってしまうぞ、と思ったら、前の4人もスプリントに入り、結局フライレが抜け出ました。2位のルイ・コスタも見かけによらずスプリントがあるはずなので、そこまではルイ・コスタかな、と思っていたんですがね。

結局総合は変化なし。デュムランが2分半近い差をつけてキンタナをリードです。2分半は大きいですねぇ。登りでデュムランが潰れない限り、これで決まっちゃいそうです。



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映画「ストーカー」を見た (ネタバレ注意)

2017.05.16.00:01

「ソラリス」、「アンドレイ・ルブリョフ」、「鏡」、「ローラーとバイオリン」と「僕の村は戦場だった」、「サクリファイス」ときて、これで最後。昨日は友川カズキライブの打ち上げで午前様、睡眠時間が足りてないので、むちゃくちゃ不安だったんですが、今日の仕事は午前中だったので、1時半からの回で見てきました。先に正直に言っておくと、途中、3人が休憩しているシーンで一瞬意識を失いました 苦笑)

タルコフスキー映画でおなじみのシーンや物がたくさん出てきます。ガサガサした壁や円形に対するこだわり。登場人物たちは例によってやたらと転ぶし、のたうちまわる女の姿はソラリスやサクリファイスでもおなじみです。事物がまるで偶然のように落下するし、主人公らに忠実な犬の姿もおなじみ。

よくわからないものが浮遊している水たまりや、首まで浸かりながら渡る池、焚き火や風、ソラリスでも鏡でもノスタルジアでも出てくる丘から見下ろす川と森の風景。そしてサクリファイスで最初と最後に流れるバッハのマタイ受難曲のアリアが、突然口笛で吹かれたりします。さらに、「ルブリョフ」の冒頭のエピソードや「ソラリス」のステーションでもおなじみの男3人組。

今回久しぶりに見て、舞台の背景に原子力発電所がなんども出てくるのに気がつきました。この映画ができたのはチェルノブイリの6年前、フクシマの30年以上前のことです。

ストーリーは広範囲に汚染された?ゾーンと呼ばれる立ち入り禁止区域の奥に人間の願いを叶える部屋があると言われ、そこへ、案内役のストーカーと作家と教授の3人が向かうという話。

この3人を今回こんな風に見立ててみました。つまり、ゾーンは神でストーカーは聖職者。神なるゾーンの信奉者であるとともに伝道者でもある。それに対して、そんなものはありゃしないと絶望している作家と、そんなものは権力者に悪用されるだけだから破壊すべきだと主張する教授という図式。宗教的なイメージなのは、ラスト近くで作家が頭にいばらの冠をかぶるシーンでも、おそらく間違いないだろうと思うのですが、こういう風に決めてしまうのは、愚かなことだと言われるのは承知の上で、あえて遊びで 笑)

映像的には、セピア色の白黒、まるで墨のようなコントラストの強い最初のシークエンスと、ゾーンに入ってからの目に鮮やかな緑の自然の対比もすごい。トロッコに乗ってゾーンへ向かう3人のアップの白黒画面が終わると、バアンと音でもしたかのように鮮やかな緑の風景が、突然映し出される時の衝撃。さらに、ゾーンの建物に入った後の色彩を抑えた室内の画面。ただし、そのどのシーンもが、非常にゆっくりとしたテンポで眠気を誘ってきます 笑) 

しかし、願いを叶える部屋が近づくと緊張感が高まり、眠気は吹っ飛びましたね。 暗く不気味な丸い廊下から、非常に印象的な砂丘のような不思議な広間を超えて、大小のフラスコ状のものがたくさん浮いた水たまりのあるゾーンの前室。そしてそこに座り込む3人の前に広がる水たまりの願いを叶える部屋に雨が降り出すシーン。どのシーンを切り取っても映像としての美しさがあるし、どの事物にも意味ありげな謎めいた魅力があります。

最後のシーンの奇跡は、タルコフスキー映画では最初の「ローラーとバイオリン」からこの「ストーカー」まで一貫しています。どの作品でも最後には奇跡が起きます。 「ローラー〜」は家から出られなくなった少年は想像の中で青年に会いに行き、「僕の村〜」ではイワンは妹と水辺でかけっこをします。「ルブリョフ」は無言の行を終了して、傑作イコン群を残すし、「ソラリス」では過去をもう一度やり直そうとするし、「鏡」では死んだ小鳥が生き返り幼年時代へ飛んでいきます。

その意味では「ノスタルジア」と「サクリファイス」はちょっと変わったと思えますね。 「ノスタルジア」の最初の方で自分だけのための美はもういらない、と言うシーンがありますが、これがある意味で象徴的なセリフではないかと思えます。 そして、この「ストーカー」の前と後で、タルコフスキーの「願い」が個人的なものから、もっと全人類的なものに変わっているのではないでしょうか。

こんな風にシーンを言葉にしても詮無いものがあるし、話を何かのアレゴリーだと解釈するのも、この映画をつまらないものにしてしまうのかもしれません。映画というものを言葉で語ることの虚しさを強烈に感じさせる、ものすごい映画だと思います。



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友川カズキライブ in 赤坂グラフィティ

2017.05.15.19:57

昨夜も友川カズキのライブに赤坂まで出かけました。初めての最前列。

ライブで毎回顔を合わせ、いつの間にか話をするようになり、話をしてみると、みんな友川さんだけではなく、映画や文学や絵が好きで、しかも好みが似てたりして意気投合した4人組で、打ち上げにまで参加して、終電車で午前様でした。
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しかし、いつもよりも若い人が多かったような気がします。しかも女性が。打ち上げでお話しした方は高知からわざわざこのライブのために来たという20代前半の見目麗しい女性でした。いよいよ友川カズキの時代が来るか! 笑)

しかし、実は昨日は次女の誕生日だったんですが、お父さんは私より友川カズキを選んだ、とか言われて非難轟々。来月のライブは渋谷であるとのことですが、今度は連れ合いの誕生日とバッティング。これはちょっと行ったらまずいだろうなぁ。。。笑)



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ジロ第8ステージはイサギレ

2017.05.14.00:19

今日も、最後、面白かったですね。拙ブログとしては逃げに混じっていたグレゴール・ミュールベルガーにオーストリア人として、ルーカス・ペストルベルガーに続く2勝目を期待したんですが、逃げた5人の中で最初に千切れてしまいました 笑)

ヴァレリオ・コンティの落車の瞬間にスピードを上げたホルカ・イサギレがそのまま逃げ切りましたが、最後の方なんかかなりパクパクだったようです。見ている方も、もうゴールだろう、そろそろゴールだろう、と思って見ていたんだけど、なかなかゴールにならず、最後ジオヴァンニ・ヴィスコンティが追い上げてきたので、まさか、と思ったら、さすがに追いつきませんでした。

最後は後ろもものすごい勢いで追いついてきて、結局総合はボブ・ユンゲルスで変化なしでした。明日は標高差でグランツールに出てくる峠の中では1、2を争うブロック・ハウスの登りゴールですね。ユンゲルスがどこまでもつかなぁ。


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映画「サクリファイス」その他を見た(ネタバレ)

2017.05.13.18:53

例によって東京の渋谷でやっているタルコフスキー監督特集。昨日は「ローラーとバイオリン」と「僕の村は戦場だった」、今日は遺作の「サクリファイス」と見てきました。少しメモしておきます。

ローラーとバイオリンは最初の作品だけど、短編映画で、すでにタルコフスキー哲学が出てます。ラスト、思いは現実を超えるという暗示でしょうか。晩年の「ノスタルジア」や「サクリファイス」の人類救済のおまじない見たいな話につながるように思います。

「僕の村は戦場だった」は冒頭の樹木のアップ。カメラがだんだんアップの樹木を登っていくシーンで始まるんですが、遺作の「サクリファイス」のラストが全く同じように、カメラがアップの樹木を登って終わります。タルコフスキー映画の円環が閉じたような形で、すでに癌で余命幾ばくもないことを知っていたタルコフスキーは多分意図的にやっているんじゃないかと思います。この映画は主役のニコライ・ブルリャーエフという少年がいいんですね。思い出の中と現在との顔がまるで別人のように違う。思い出(=夢)のシーンも疲れ切ったブルリャーエフが爆睡、その間、遠くで常に雫がポタン、ポタンとリズムを刻んでいます。ブルリャーエフのベッドからはみ出た手がアップになると、なぜかその手から水の雫が落ちています。あれ?と思う間もなくカメラが上に向くと、そこは井戸の底、上から母親とブルリャーエフが覗き込んでいます。何度見てもゾクゾクします。

この映画は、偵察のためにドイツ軍の様子を伺いに行き、殺された少年の話が原作のようですが、映画の最後に死んだゲッベルスの6人の子供達の遺体や、家族を道連れにして自殺したナチの将軍?の子供達が出てきます。メッセージは明らかで、戦争で一番大きな被害を受けるのは子供達だ、と言っているのでしょう。ただ、これはソ連が願う戦争の描き方とは違っていたのでしょうね。

さて、「サクリファイス」です。何しろワンカットが長い。冒頭のシーンからして、計ってないから正確にはわかりませんが、おそらく10分近くワンカットだったんじゃないでしょうか。カメラがあきれるぐらいゆっくりと移動し、登場人物たちが移動していくのに合わせて、少しずつ横に移動しながら近づいて、最初は人物の顔もはっきりわからないぐらい遠いところから始まり、10分近くかけて、気がつくと、すぐそばまで近づいています。全編そんな調子で、カメラは気がつかないぐらいわずかずつ近づいたり横移動したりしますが、そのリズムがなんとも眠気を呼びます 笑) 

ストーリーを言うと、あまりにバカバカしさに笑っちゃうかもしれません。世界戦争が始まり、主人公は神に、もし全てをなかったことにしてくれたら、全てを犠牲に捧げると祈ります。翌朝、目がさめると、全ては何もなかったかのような世界に戻っています。そこで主人公は神との契約通り家に火を放ちます。最後の家に火をつけてからの、約10分のワンカットシーンは、おそらく映画史上に残るものすごいシーンです。全てが計算し尽くされているように家は燃え上がり、煙を吐き、横の車が爆発し、煙が止まって炎だけになり、崩れ落ちる。その前を人々が右往左往し、カメラもそれを追って移動していきます。そのスペクタクルに圧倒されます。

さて、あと月曜に「ストーカー」を見れば、今回のタルコフスキー特集で上映された映画を全制覇になります。「ストーカー」は、多分、また書きます 笑)



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ジロ第7ステージはカレブ・ユアン

2017.05.13.00:46

いやあ、最後グライペルがゴリゴリと良い位置に入ったので、これはグライペルだなと思ったら、一瞬のうちに埋没、その後も全く伸びませんでした。逆に列車がうまく機能したオルカのカレブ・ユアンが逃げ切りました。後ろからものすごい速さで追い上げたガビリアもすごかったですねぇ。

個人的にはボーラのベネット、胃腸炎で第4ステージの夜はほとんどトイレで過ごしたそうで、リタイア間違いなし、という状態だったみたいですが、休息日を挟んで調子を完全に取り戻したので、そろそろグランツールでステージ優勝させてやりたいと思っているんですがねぇ。ゴール直前のペストルベルガーもいい働きをしているんですけどね。


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立岩真也・杉田俊介「相模原障害者殺傷事件」覚え書き

2017.05.12.02:36



読み終わったのはもう2週間近く前。だけど、どうもうまくまとめられないできた。今もうまくまとめられないままなので、覚え書き程度にメモしておきます。

正直に言うと立岩真也の書いた部分は、なかなかレベルが高くて(=予備知識が必要で)ちょっと読みづらい。でもあちこちに心を打つ文章が点在している。

「できる人が得をするのは当然だ、できることにおいて価値があるというこの近代社会の「正義」が優生主義を助長している。それをのさばらせないことである。 」

この事件の犯人を精神障害者が妄想に取り付かれておこなった特異な事件だとして、精神医療の問題に限定してしまおうとする人たちがいる。だけど、この事件は今の時代の空気を如実にあわらす事件だったと思う。それについては何度もここで書いた。だけどその後、この事件の対策として語られるのは精神障害者の措置入院制度を検討し直すという話ばかりだった。

つまりその方が安心なのだろう。死刑制度のことを書いた時にも触れたけど、ああいう犯罪を犯すようなやつと自分は違うと言いたいわけだ。ああいうやつは何か怪物のような悪党、映画に出てくる異常な犯罪者でなくてはならない。そう思うことで自分とは違うと安心できるわけだ。

だけど、そんな線が引けるのだろうか? 誰が引くのだろう? この本はまさにそうした線引きなどできないのだ、という本だ。

杉田俊介の書いた方は、個人的にはとてもわかりやすかった。上記の立岩の言うように、働かざるもの食うべからず、は人間社会の中で原則になっている。それが高じていくと、働かない奴は邪魔だ、いなくなってくれ、というところまで、もうあと一歩だ。

「無意味な人生であれば殺してしまったほうがましだ。それが国のためになり、ひいては世界のためになる。もちろんそれは吐き気を催すような、ぞっとするような考え方である。だが、ふとこうも思う。それは誰よりも、あなた(たち)があなた(たち)自身に密かに言い続けてきたことではなかったか。」(144-5ページ)

この文章の最後のところは読者に向かって語りかけている。誰だって過去に、ああ、こんな俺なんか死んだほうがましだ、と思うことがあるだろう。こんな無意味な人生なんか終わらせたい、そんな瞬間が人生で一度もないという人は、まあ幸せな人なんだろうね。つまり優生思想というのは自分自身にも向けられているものなのだ。

星野智幸の小説に「呪文」というのがあって、最初に読んだ時は、ものすごく面白いけど、どう考えたらいいのか、よくわからなかった。この杉田俊介の、優生思想というのは実は自分にも向けられるものなんだというのを読んで、この星野の小説を思い出した。


優生思想の根というのは深く、これをしっかりと断ち切るのはなかなか難しいし、社会の有り様に直結する問題をはらむ。先日書いた自己責任ということとも繋がってくるだろうし、死刑制度とも繋がってくると思う。生きている価値がない人間がいるのか、生まれてこない方が良かった人間がいるのか、ということである。その価値は誰が決めるのか? そもそも人間の「価値」ってなんだ? 

これに対して、杉田俊介は「人間の生には平等に意味がない」と言い放ち、個人の「意味と無意味の線引きを拒絶」するという考えを述べている。以前書いたことがあるフェリーニの「道」という映画に、登場人物が知恵遅れの主人公に向かって「意味のない人生なんかない、空の星だって、この石ころだって、必ず何かの役に立っているんだ」という感動的なシーンがあって、何度も泣かされたシーンだけど、杉田はそんな甘いことを完全否定しようとしている。これを正しいと思うかどうかは人によるだろう。意味がないなら、何をやってもいいではないか、という繋がりで、ニヒリズムにたどり着く可能性も考えられる。さらに、そのニヒリズムを超えて(簡単に言うが、これもまた大変なことだろう)、これを正しいと思っても、この境地まで一足飛びにたどり着くのは難しい。そうだとしても、「低い声でぶつぶつつぶやいていればいずれじわじわと染みとおっていく」(189ページ)のだ、と思いたい。

とりあえず、今は、優生思想的な発想を「のさばらせないこと」が大切である。



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ジロ第5ステージもガビリア

2017.05.11.00:12

あちゃあ、やっちゃいました。ピベルニクというバーレーンメリダの選手。まだ7キロぐらいあるのに、ニバリのためのアタック?それともこの高速の最後を、まさか逃げ切るつもりか? と思ったら、なんのことはない、周回数を間違えたのでした。昔のホビーレースでは、時々みましたね。周回数を間違えてぬか喜びするシーン。あるいはスプリントもせずゴールしてから地団太踏むシーン。

しかしガビリア強い。ボーラが二人でうまく前に出られたので、胃腸炎から回復したサム・ベネットに期待したんですがねぇ。3位に終わったようです。グライペルは後ろ過ぎましたね。



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ジロ第4ステージはヤン・ポランチ

2017.05.10.00:21

エトナ山はギリシャの哲学者エンペドクレスが火口に飛び込んで自殺したと言われる火山ですが、いやあ、最後決まったと思ったら、ザカリンがものすごい勢いで追いかけ残り1キロで1分近くあった差がゴールした時には20秒ないぐらいでしたかね。しかしザカリンのアタックのタイミングがいいこと!

まあ、逃げが決まる可能性も高いステージでしたが、結局逃げ切ったのはポランチだけでしたから、やっぱり強かったのでしょう。

総合ではユンゲルスがトップに経ちました。結局最後まで先頭グループをキープできたんですね。おとといのステージでは一人で引っ張りまくってガビリアの優勝のお膳立てをしていたし、マリアローザぐらい着てもバチ当たらんでしょう 笑)



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映画「アンドレイ・ルブリョフ」を見た(完全ネタバレ)

2017.05.09.22:03

この映画については前にもちょっとだけ触れたことがあった。 初めて見たのは1981年。その時は予備知識もほとんどなく、映像の美しさやゆったりとしたテンポの心地よさに魅了されたけど、悲惨な時代に芸術家であることの意味に苦しんだ画家が、いわば「飢えた子の前で文学に何ができるか」というサルトル的な絶望を感じ、一旦は筆を折りながら、それにもかかわらず再び絵を描くことを決意する話だと思った。多分、それは外れてないと思うが。

ただ、その後なんども見てきて、主人公ルブリョフはタルコフスキー自身が、かなり露骨に投影されていることがわかってきた。例えば、ルブリョフに対する同僚の批判「確かに絵は上手だ、しかし彼には信仰心が欠けている、単純さが足りない」などという言葉は「確かにいい映画を作るが、彼には政権に対する従順さが欠けている、そして映画も単純さが足りない」という意味だろう。たぶんタルコフスキーの第1作「僕の村は戦場だった」に対するソ連当局の批判であったことは間違いない。

この映画を見ると、いつも、「乏しき時代の詩人」という言葉が思い浮かぶ。ハイデガーという哲学者の本の題名だけど、内容はともかくも、この題名には心惹かれるものがある(昔アマゾンレビュでこの映画について書いた時にもこの題名を使ったことがある)。

この時代の悲惨さは映画全体を通して繰り返し描かれる。最初の旅芸人のエピソードでも、ちょっとでも反権力的な言動を人前で行えば、すぐに捕まってしまう。また、権力者の兄弟げんかに端を発して、弟がタタール人に援軍を頼んだせいで、町は蹂躙され、一般市民が虐殺される。教会に逃げ込んだ市民が虐殺されるシーンは、この映画の20年前に、現実にナチスの手で同じようなことが行われたことを思い出させる(「炎628」)。このエピソードは、スターリンが自分の権力を守るために粛清の嵐を吹き荒れさせている間にナチスが攻めてきたことを、見た人に連想させたことだろう。

異教の祭?(=反体制運動)の翌朝、村人たちは官憲に一網打尽にされる。その時、前夜ルブリョフを助けてくれた女は裸で川に飛び込み、いわば「亡命」していく。それを芸術家の特権で川の上を船で下っていくルブリョフが暗い顔で見送る。プロローグの気球で飛ぶ男も、ある意味で「亡命」未遂の暗示かもしれない。僕は1980年代初めに、タルコフスキーが亡命したというニュースを聞いた時、思わず、タルコフスキーも裸で川を渡ってしまったのだなぁ、とこのシーンを思い出した。

こうした中世ロシア(=スターリン時代・ソ連邦時代)の悲惨な状況の中で、体制の命令によって絵を描く(映画を作る)芸術家の苦悩を考えれば、この映画は分かりやすくなるだろうと思う。しかも、同じ芸術家同士の間でも嫉妬や妬みがあり、また師匠は筆洗いしかさせず、なかなか絵を描かせてくれない。この師匠はフェオファン・グレクという実在のイコン画家だけど、タルコフスキーを当てはめると、エイゼンシュテインあたりになるのだろうか?

最後の鐘を作る少年のエピソードでは、この少年がタルコフスキー自身なのではないか? 少年をはじめとする職人集団は文字通り映画を作るスタッフの集団だろう。様々な内輪での争いがあっても、最終的に少年の元で結束して巨大な鐘を作ることに成功する。その鐘は確かに権力者のために作ったものではあるが、それは結果に過ぎない。同時に、この少年が全て終わった後、実は自分は誰からも鐘の作り方を習っていなかったと告白するけど、これも、タルコフスキーはソ連の監督からは何も学ばなかったという意味に解釈できそう。こじつければ、先の師匠のフェオファン・グレクも史実ではギリシャ人、つまり外国人だ。すると、彼はエイゼンシュテインというよりも、むしろ黒澤明あたりをイメージした方がいいのかもしれない。タタールが街を襲うシーンなどは七人の侍を意識しているだろうと思われるから。

かくして、ルブリョフは、誰のためでもない、鐘を作ることそのものを目的にしたかのような少年の姿を見て、自らも、長い無言の行の後、再び絵を描くことを決意する。おそらく神のために描くことを。最後、これでもか、と言うぐらい長い時間をかけてルブリョフが残したイコン画が、延々とアップになって映った末に、映画の冒頭倒れた馬が、雨の中で平和そうに水辺で草を食むシーンで終わる。

だけど、こうやって何でもかんでもこじつけて、一つの比喩に固定してしまうことで、この映画がつまらないものに見えてきそうな気もする。むしろ、あちこちに出てくる映像のすばらしさだけに集中してもいいんだろう。例えば、旅芸人が捕らえられて連れて行かれるシーン、手前に3本の木があって川むこうを官憲の馬が3頭歩き、手前をルブリョフたち3人が歩いていくシーンの美しさ! あるいは想像の中で、雪の(!)ゴルゴダの丘へ向かうイエスとマリアらの、ブリューゲルの絵のような風景。あちこちで出てくる俯瞰のアングルの映像。焼けた教会の中に降る雪。その焼けた教会の中で師匠のフェオファンの幽霊?との会話シーンの、画面の外を意識させるような不思議な雰囲気。

主人公をやったアナトリー・ソロニーツィンや仲間の画家をやったニコライ・グリニコは、この後の「ソラリス」「鏡」「ストーカー」でも出てくる(グリニコは前の「僕の村は戦場だった」でも出てくる)し、その他の旅芸人も裏切り者のキリール役の俳優もみんなものすごい存在感だったが、特に知恵遅れの娘と、タタール族の首領が、それぞれ強く心に残る。



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マリアローザはコロンビアへ

2017.05.08.00:18

いや、ボブ・ユンゲルスが強いこと。ほと一人で引っ張り続けましたね。リュディガー・ゼーリヒもスプリントがあるし、ガビリアの後ろをとったからどうなるかな、と思ったけどガビリアの完勝でした。

しかし逃げグループができた時、10人ぐらいでしたかね? そのうちほぼ半数がクイック・ステップでしたからね。あの逃げができた瞬間、実は livestream が止まってしまって見てないんですよ。だからどうしてああいう展開になったのかがよくわからない。 livestream が動き出したら、すでに残り6キロぐらいで10秒の差がついていて、その後どんどん広がっていきました。

ところで Tim の livestream ですが、拍手コメントなどでいろいろな情報を頂いているのですが、今の所リアルタイムで何とか見ることができてますね。リアルタイムじゃないと見られないという話も届いていますが。。。



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ジロ第2ステージはグライペル

2017.05.07.00:58

あんなところでマリアローザのペストルベルガーが出てきたんで、何してんだろう?と思ったんですが、ベネットのためだったんですかねぇ。しかしベネットいたのかぁ? まさかマリアローザを守るためにスプリントに参加しようとした? それとも昨日のパターンを狙った? まさかね 笑)

スプリントに入った瞬間にカレブ・ユアンがガビリアと絡んでペダルが外れてしまいました。ガビリアにも影響があったのでしょうか? 伸びがなかったですね。グライペルが一旦下がったけど、結局抜け出ました。

これでオーストリア人からドイツ人にマリアローザが移りました。


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映画「鏡」を見た

2017.05.06.21:42

先日「地球が滅びる時に見ていたい映画」を書いた時に書いた「鏡」、先日のソラリスに引き続き渋谷の映画館で見てきました。今回は一昨日すでにネット予約しておいたので、ど真ん中の席を確保できました。ほぼ9割がたいっぱいでしたね。

デジタルリマスター版ということで、画面がとても綺麗なのと同時に、字幕が以前見たのとは違っていました。以前に比べてちょっと説明していて、分かりやすくなったかなぁ。例えば、以前なら、リビャートキン大尉の妹、スタヴローギンの奥さん、わかるわよね? フィヨードル・ミハイルヴィッチ? というシーンが「悪霊」のリビャートキン大尉の妹、スタヴローギンの奥さん、ドストエフスキーよ。となっていました。

冒頭の吃音症の少年の画面はいうまでもなく「私は話せます」という言葉がキーだし、冒頭の夢のあと、母からの電話で謝ろうとすると母が電話を切ってしまう後のシーンは主人公の母に対する気持ちがそのまま映像になっているシーンだと思います。つまり母に腹を立てているから、突然雨を降らせて母をずぶ濡れにし、リザベータに母を批判させ、最後はシャワーの水も出してやらない。途中も夢のような空想のようなシーンが次々に出てきますが、主人公以外の登場人物、例えば息子のイグナーツの空想だったり、時空を超えて現れた謎の女性がいるところへ老いた母が訪ねてきて、あら、部屋を間違えたわ、というシーンはまさに母が時代を間違えて現れてしまったということでしょう。こういう時空を超えたことは、映画だからこそできるのです。

最後のシーンは、そうした様々な悔恨を抱え込んで寝込んでいる主人公が、それでも、どうにかなるさと言いながら、死んだ小鳥を投げ上げると、小鳥は蘇って幼年時代へ戻っていく。このシーン、バッハのヨハネ受難曲が流れ、何度見ても目頭が熱くなります。今回もそうでした。最後の森の中へと引いていくのだって、フロイト的だと言われるかもしれないけど、母体回帰のイメージです。

それにしても、普通はどうにかなるさ、と言ってもどうにもならない、死んだ小鳥は生き返らない。それなのに、どうにかなるさ、と言って小鳥を生き返らせることができるタルコフスキーはなんとも幸せな人だな、と思います。



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オーストリア人のマリア・ローザ

2017.05.06.14:57

いやあ、最近では滅多に見られない勝ち方でしたね。残り2キロ以上あるところで先頭に出たボーラのペストルベルガー、本来ベネットのけん引役だったはずなのに、ちょっと後ろが中切れしたところからスピードを保って差を開き、逃げきっちゃいました。

あの瞬間、ペストルベルガーは3番手だったのに、前の二人が同時に脇へ退いてしまって、ひょっと前に出たら、ちょっと後ろが開き、その後、ペストルベルガーは後ろを気にしながらけん引していたはずなのに、後ろが離れたままだったので、そのまま行っちゃいましたね。

後ろは明らかにペストルベルガーを甘く見てましたね。多分スプリントチームが列車組織のために追走するのを後回しにしたんでしょう。

昔はスプリンターの鼻を明かすようなロングスパートで勝つ選手は結構いたんですが、スプリント列車のシステム化と役割分担がはっきりしたため、こういう勝ち方は滅多になくなりましたよね。

ペストルベルガー、むろんボーラの選手だし、ドイツ語圏の選手なのでマークはしてたんですが、こんな大勝利でプロ初勝利を挙げるとはねぇ。ボーラとしては山岳賞もベネデッティがとり、万々歳です。過去オーストリア人のマリア・ローザはいたのかなぁ?



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rsn のサガンのインタビュー

2017.05.05.23:14

数日前の記事ですが、サガンのインタビューがrsnに載っていたのでご紹介です。サガンってなんとも軽やかでノンシャランという感じがします。こういう生き方がしたかったなぁ。僕なんか、ひきずりまくりですからね 笑)

……
rsn:ペテル、クラシックシーズンだったけど、クールネ・ブリュッセル・クールネの勝利はあったけど、大勝利はないまま終わったね。それでも君の走り方は多くの人を魅了したよ。どっちが重要だろう?

サガン:最も重要なのはひどい落車をしないことだよ。でもレースではうまくいくこともあれば、そういかないこともあるさ。ルーベではうまくいきそうだったけど不運だった。あれは僕としては良い瞬間とは言えないね。調子は完璧だったけど、結果は最悪さ。でもしょうがないよ。あれはシーズンの第一部だ。今はどんどん先に進んでいるんだ。まだ、ツールドフランスのような大切なレースもあるし、世界戦などの重要なワンデーもある。過去のことを考えるんじゃなくて、未来に目を向けなくちゃね。春のクラシックはまた来年の話さ。

rsn:失敗をすぐに切り捨てて先を見るのが君の強みなのかな?

サガン:それが強みかどうかはわからないよ。でも人生ってそういうもんだろ。いつも過去を見てるのかい?そんなはずないだろ?

rsn:私はそういうタイプかもしれないなぁ。ひょっとしてそれは弱みかな?

サガン:エネルギーを消費しちゃうだろ。一つのレースは一つのレースに過ぎない。人生にはもっと大切なことがあるんだよ。こんなのただの仕事だよ。時にはうまくいくし、時には失敗する。

rsn:大きな勝利はなかったけど、クラシックシーズンに誇りは感じているのかな、例えばサンレモみたいな走り方を示すことで。

サガン:うん、それは間違いないね。サンレモでやったことを後悔してないよ。僕にできる最高のことをしたんだ。あのレースを失ったとは思ってないね。ある意味で僕が勝ったんだ。

rsn:次のレースはカリフォルニア一周だね。数年前に、ここであなたはスター選手になったよね。特別なレースじゃない?

サガン:そうだね。天気もいいし素敵なレースだ。雰囲気もレースのオーガナイズもいつも素晴らしい。これまではワールドツアーレースでなかったけど、今はそうなった。何か変わったか楽しみだよ。

rsn:君はまだ27だけど、すでにたくさんの重要な勝利を挙げてる。フランデレン、ツールのマイヨベール5回、世界戦2勝。君の次の目標は? 走り方を変えて、いずれグランツールで上位を狙えるようになることは考えてるの?

サガン:勝ってない重要なレースは、まだたくさんあるよ。なんでそんなことを試みる必要があるんだい。未来のことを予言できないし、毎年いろいろ考えていくつもりだよ。ホテルのロビーのソファの上で、そんなことに答えられるはずないじゃないか。(注:このインタビューはホテルのロビーで行われました)

rsn:乗車テクニックの面で、あんたは最も上手な選手の一人とされているね。元々がマウンテンバイクのキャリアがあるからかな。君の走り方を見ているとマウンテンバイカーのクールなイメージがある。なぜロードに転向したの?

サガン:多分僕はダウンヒルかモトクロスが合っている。子供の頃はダウンヒルが走りたかった。若い頃は何でも走ったよ。クロスもね。U23時代はワンシーズン、マウンテンとロードをコンビで走ろうとした。シーズンが長くて、その後、これは無理だとわかった。ロードに決めたのは、プロツアーチーム(リクイガス)に入る可能性があったからだ。ロードを選ぶ方がチャンスがあったんだよ。

rsn:どっちが好きなの?

サガン:答えになるかわからないけど、今はロードのプロ選手で二回世界チャンプになった。もう迷いはないね。ロードに全力で集中しているよ。マウンテンバイクに向いていたかどうかはわからないよ。だからこの決断はよかったと信じている。

rsn:君はマウンテンバイクのクールなライフスタイルをロードに持ち込むのを使命と考えていたのかな?

サガン:そんなことはないよ。自分がスターになれるなんて考えたことなかったし。僕がしているのは計画外、想定外のことだ。僕が育ってきた環境で、子供の頃にしていたことを、今もしているようなものだよ。ロードのプロとしてはいつでもリラックスして楽しむのは難しい。とてもたくさんのことがあるし、思惑もあるし、たくさんの長いレースだ。本当にハードなんだよlだからここでは誰でもマジだ。だけど僕のメンタリティは、どうしてみんなそんなにいつでもマジでいなきゃならないんだい、って感じなんだよ。

rsn:それで君はどこかロックスターみたいなところが。。。。

サガン:うん、でもそのためには結果も必要だね。

rsn:そうじゃないと、オレグ・チンコフみたいなマネージャーが出てきて、ペテルのやつはいつでも楽しんでばかりだ、って言われちゃう?

サガン:そうだね。

rsn:君の新しいチームマネージャーのドイツ人ラルフ・デンクと、前のロシア人オレグ・チンコフとの違いはどのぐらい?

サガン:それはドイツとロシアの違いとはまるで関係ないね。彼らのパーソナリティーの違いだよ。

rsn:では?

サガン:ラルフが最初に話し合いに来た時、僕はとても良い印象を持った。僕の言うことをきちんと聞いてくれたし、契約はすぐに決まった。質問すればすぐに答えてくれるし、僕が本当に必要だと言うことを示してくれた。それはお金の問題じゃないんだ。駆け引きはなしさ。他のチームだとしばしば時間稼ぎをするもんだけど、それがなかった。それが気に入ったし、すぐにボーラ・ハンスグローエこそ、僕が行きたいチームだと思った。今でもいろいろな楽しい気晴らしを主催してくれるし、いい環境だよ。

rsn:ボーラ・ハンスグローエで最初の何ヶ月かが過ぎたけど、何か変わった?

サガン:いや変わったりしないよ。同じスポーツだもの。スポンサーがスポンサーだから美味しいものを食べてるし、ワールドツアーチームになるためにいろいろ努力したけど、楽しかったね。今はとても快適だよ。

rsn:だけどチンコフ時代の人々が一緒だよね。一番大切なのは誰?

サガン:ボーラは比較的小規模なチームで、世話係も少ない。マッサーやメカニックは、僕が必要なものをよく知っているから一緒に連れてきたんだ。いちいち僕のやり方を説明する必要がないから助かるんだ。でも誰が一番大切かは言えないな。すでに長いこと一緒にやってきて、気心の知れている連中だからね、セットだよ。彼らのそれぞれが別の役割を担い、それぞれの役割がどれも大切なんだ。【弟をはじめとした選手たちだけではなく、チンコフ時代からの関係者を連れてボーラ入りしたようですね。】

rsn:いつも同室者は決まっているの?

サガン:いいや、誰が一緒でも大丈夫だし、いつも変わっているよ。

rsn:奥さんのカタリーナはいつもレースに一緒についてくるね。これも君のイメージ通りなの? あのグリースのビデオはどっちのアイデア? 彼女にはああいう特別な売り出す才能があるのかな?【グリースのビデオは以前ご紹介した記事にリンクしておきました。】

サガン:いや、関係ないよ。彼女は単純に僕と一緒にいたいからついてきてるだけさ。あのビデオは最初はコマーシャルのつもりなんかなかったんだ。単に結婚式のためだったんだ。結婚式の時に、みんなに楽しんでもらいたかっただけさ。だけどあまりに面白くできたから公開したってわけ。

rsn:君がリッチモンドで最初の世界タイトルを取った時、君はすでに最初のインタビューで、社会的政治的な世界情勢について批判的なことを言っていたよね。あれから1年半たった。今聞かれたら、それは少しは良くなっただろうか?

サガン:世界情勢は誰だって知っているだろう?全てが良い方向へ向かっているかい?それとも。。。?

rsn:ペテル、インタビューに答えてくれてありがとう。

サガン:どういたしまして、こちらこそありがとう。
……

最後の質問はよくわかりません。字義通り取れば、世界が不寛容になっている時代状況を、スロバキアという中部ヨーロッパの小さな国出身者として、憂えているように読めるんだけど。。。トランプのことなんかも念頭にあるのかな? そうだとしたら、ノンシャランなサガンのイメージはちょっと変わってきますが。。。



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映画「惑星ソラリス」を見た

2017.05.04.23:32

渋谷の映画館、満席の中、最後から3人目の順番で見ることができた。

この映画を初めて見たのは1978年の夏のことだった。その時は先に原作を読んでいて、すっかり原作に参っていたから、メモには、原作の雰囲気はあるけど、よく分からない変な映画だったとある。その後、20世紀に6回映画館で見た。21世紀に入ってからは、おそらく映画館では見ていない。TVやCSでは何度か見ていると思うが。。。

2001年宇宙の旅と並び称される古典的SF映画の金字塔というのが、この映画に貼られたレッテルである。でも今回見てみて、この映画にSF映画のレッテルを貼るのは間違いだろうと思う。原作の設定がものすごく観念的なニューウェーブSFなんだろうけど、この映画はタルコフスキーの個人的な事情がかなりはっきりと出ている。このSF小説をネタに、監督は自分の個人的な思い出を語っている。

確かに、ソラリスステーションにいる(いた)4人は過去に対して人はどう対応するか、を示す4つのタイプに分類できそうだ。1)自殺したギヴァリャンは過去(罪)に耐えられなかったタイプ 2)過去(罪)を科学的な態度と称する客観的な見方で分析して乗り切ろう(やり過ごそう)とするサルトゥルリウスのタイプ 3)過去(罪)を仕方がないものとして諦めるスナウトのタイプ 4)過去(罪)を受け入れ、やり直そうとする主人公ケルヴィンのタイプ。

変な連想だけど、少し前に読んだ清水潔の南京事件の本のことを思い出した。単純にレッテルを張るつもりはないけど、南京事件の証言をした(しなかった)元兵士たちはどのタイプなんだろう? そしていうまでもなく、僕は??

あるいは前半の延々と長すぎるのではないか、と思えるような地球の自然描写。そしてやはり長すぎるんじゃないかと思える首都高速。タルコフスキーがわざわざ日本まで来て撮影したのだとソ連当局にアピールのために、あれだけ長く、あの単調な映像を入れたことが、タルコフスキーの日記から分かるそうだが、でも、結果的には、自然から文明(高速道路)に移り、文明の末路のようなゴミだらけの汚い宇宙ステーションに移動した末に、作り物の自然へ戻っていくという図式を考えると、あの高速道路の単調な映像も必要だったのだろうと思える。

だけど、そんなことより、今回見てて、後のタルコフスキーの映画をいくつも連想させるシーンが、すでにこの映画の時点で満載なのが気になった。例えば、あの故郷の家の感じはサクリファイスの燃える家に似ていたし、その庭から見える谷の風景はノスタルジアに出てくる思い出の風景に似ていた。それは鏡の風景にも通じるものがあった。この映画の本題とはまるで関係なさそうな母親と妻との葛藤の話題も、そしてその二人が似ているのも、鏡の中で描かれるのと同じだ。

つまり、タルコフスキーという監督は極めて個人的なことを、作る映画の中に押し込んでいて、それが普遍性をもつように作っているのである。

全くむちゃくちゃな連想だが、この極めて個人的なことを作品に込めて、それが普遍性をもつ、誰もがそれを自分のことのように感じるようにできる点で、友川カズキを思った。

至福の数時間だった。



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今日は憲法記念日

2017.05.03.20:38

今更改めて憲法の話なんて、僕には無理だ。しかし安倍が北朝鮮が危ない危ないとあちこちでふれまわり、そのおかげか、このところ、憲法改正(改悪)に賛成というのが50%前後にまで高まったそうである。

拙ブログでは何度も書いてきたけど、このアンケートってどういうものなんだろう? まず一番最初に聞くべきは

   「あなたは憲法改正に関心がありますか?」

と、

   「あなたは憲法を読んだことありますか?」

でなくては有意味な回答など得られないのではないか?

安倍がマッチポンプのごとく、自分で危機を煽っておいて、あたかも憲法を変えればこの危機に対応できるかのような印象を与えようとしているのは明らかである。だけど、日本の憲法を変えれば北朝鮮が核開発を止めるようになるのか? 中国が日本に好意的になるのか? ちょっと冷静に考えてみれば、憲法を変えて一番喜ぶのは権力者とアメリカの軍需産業だ。

これまでにも何回かここで引用したことがあるが、憲法99条の条文はこう書いてある。

「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」

天皇や政治家、裁判官や公務員、つまり権力者は憲法を守れ!ということだ。憲法とは国民が権力者たちに守れ!と言っているのである。だからこの99条に国民が守れとは書いてない。

国民に守れ、と言っているのは憲法に基づいて創られた法律だ。先の各アンケートに回答した人々はこの真逆の関係を知っているのだろうか?

憲法を変えようと言えるのは国民だけであって、権力者が憲法を変えようだなんて言い出すのはこの99条に違反する行為である。そもそも憲法というものの意味を知れば、安倍ら権力者が憲法を変えようなんていうのがなぜなのか、わかろうというものだ。しかも現政権内には国民に主権などないと言い出す議員だって複数いるわけなのだから、彼らが意図しているものは明らかだろう。



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デーゲンコルプのフランクフルト~エシュボルン

2017.05.03.17:32

なんだかバタバタしてしまってアップの時期がずれました 笑) rsn にデーゲのレース後の談話が載っていました。ゴール直後は3位の結果に不満な様子ありありだったんですが、1時間後のプレス会議では満足していると言っています。

「僕は失望なんかしてないよ。(1年前はシーズンオフに大怪我してこのレースが復帰第一線だったのだから)再び表彰台に立てて嬉しい。でもあの大怪我の話はもういいよ。もう復帰して随分経ったんだ。今は再びこうして故郷のレースの表彰台に立ったんだ。一番大切なのはそのことだ。今はもうあの事件について話すつもりはないよ。」

で、このレースについて聞かれると、

「リック【ツァーベル】が先頭でアレックス【クリストフ】が二番目にいて、ヤスペル【スタイフェン(デーゲの発射台)】が三番目だった。僕は6番手につけていて、ヤスペルのすぐ後ろにつけることができれば圧倒的に有利なポジションだった。ところがそうならなかった。ヤスペルのチェーンがブロックしてしまって、もうスピードを上げることができなかったんだ。

僕らの間にいた他の選手たちもそれを見てたけど、そういう一瞬の状況ではすぐに反応なんかできないだろう? だからあっという間に差が開いてしまって、それがゴール400メートル前だからね。もうその差を詰めることなんかできないよね。何れにしてもカチューシャはいいレースをしたし、リックも本当にいいリードアウトをしたね。彼が強かったからこそ2位に入ったんだよ。」



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プロフィール

アンコウ

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**********************
あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、クラシック音楽(特にバッハ)、友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎても困るが)。少し前から草食動物と化そうと努力しています。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

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